新たな出会い
1995年の街でキザシは、若かりし頃の両親や、まだ子供だった自分自身と出会う。彼は過去の出来事を思い出しながら、当時の人々との交流を楽しむ。特に、若き日の父親との関係は彼にとって新鮮な驚きだった。
キザシは、とりあえず近くのスーパーの駐車場へと入って行った。ジムニーから降り、スーパーに入ろうとしたら赤いアルトの若い女がボンネットを開けて困っていた。キザシは駆け寄った。
「これって新車価格47万円のアルトですよね?」
アルトの若い女は
「失礼しちゃうわ」
キザシは、
「ごめんなさい。俺はキザシ」
若い女は、
「あたしは、さやか」
キザシはさやかに向かって微笑み、ボンネットの中を覗き込んだ。エンジンの不調の原因を探るために、いくつかの部品をチェックし始めた。さやかは少し戸惑いながらも、キザシの手際の良さに感心している様子だった。
「この辺りが問題みたいですね。ちょっと待ってください、工具を取りに行きます」とキザシは言い、ジムニーに戻って工具箱を取り出した。
工具を使ってエンジンの調整をしている間、さやかはキザシに質問を投げかけた。
「キザシさん、車に詳しいんですね。普段は何をしているんですか?」
キザシは一瞬考え込み、自分が未来から来たことを説明するのは避け、代わりに
「まあ、ちょっとしたメカニックです」
と答えた。
しばらくの間、二人はエンジンの調整に集中し、その間にさやかも少しずつ車の知識を学んでいった。最終的にキザシはエンジンの不調を解決し、アルトは再びスムーズに動き出した。
「ありがとう、キザシさん。本当に助かりました!」さやかは感謝の言葉を口にした。
「どういたしまして。困ったときはお互い様ですから」とキザシは微笑みながら答えた。
「よかったら、この後一緒にお茶でもどうですか?」とさやかが提案した。
キザシは少し驚いたが、過去の世界での新たな出会いを楽しみたいと思い、
「もちろん、喜んで」
と答えた。
二人は近くの喫茶店に向かい、そこでさらにお互いの話をすることになった。キザシはさやかとの交流を通じて、この時代の魅力を改めて感じ、そして自分が未来に戻るべきかどうかについて考え始めるのであった。




