41 ブルシット・ジョブ *
「ブルシット・ジョブってのが話題になっているね」
「なんだろう」
「被雇用者本人でさえ、その存在を正当化しがたいほど、
完璧に無意味で、不必要で、有害でもある有償の雇用の形態である
だって」
「給料もらえるなら良くない?」
「ただ、
その雇用条件の一環として、
本人は、そうではないと取り繕わなければならないように感じている
ということなので、続けていると苦になるらしい」
「その時間好きなことをやっていてよくて、
雇用条件の範囲内で自由にできるなら悪くないかもね」
「でもそこまで自由ではなくて、
仕事をしているふりはしなくてはならないから、
精神的に病んでしまうらしい」
「自分の仕事が何の役にも立っていないと思いながらやるのは苦痛だろうね」
「なんでそんな仕事があるのだろう」
「それで儲けている人がいるんだろうね」
「その仕事でお金をもらっていて、一部だけ実際に雇用されている人に渡して
大半はせしめてしまう」
「誰がそんな仕事を頼むのだろう」
「ほんとはいらないんだけれど、お金を払う名目かな」
「やってもらいたいことの対価にお金を払うんだけど、
本当の理由を支払いの理由にはできないので、
ブルシット・ジョブをでっちあげてお金を払う」
「もらう方は、お金をもらった以上、その名目の仕事をしなければならないから
人を雇って、その仕事をしたことにする」
「で、自分が請け負った報酬から普通の給料を払って、後はもらってしまう」
「オリンピックで、日当数十万なんて仕事があったらしいね」
「それも実際にやっている人は普通の日当をもらって、
どうでもいいような仕事をしている」
「オリンピックなんて、主役は選手だけど基本的に無報酬なんだよね」
「いろいろな費用は負担してもらうけど、名目はアマチュアだから、
対戦料とかはなんいだろうね」
「スタッフもボランティアだよね」
「そうだね。弁当とか交通費くらいは出るかもしれないけれど」
「遠方からの参加だと交通費は全額は出ないみたいだよ」
「やりがいで参加している人たちだからね。持ち出しぐらいでしょう」
「役員報酬とかは結構あるらしい」
「でも、人件費として膨大な費用がかかるらしい」
「募集事務とかはあるのでしょう」
「そういう裏方は、給料はもらっているのでしょう」
「中抜きでどこかに消えていのも多いのでは?」
「それが、ブルシット・ジョブになっていたりするんだろうね」
「無駄に仕事を増やしていたりするんだろうね」
「それで、途中で莫大な利益を得ているのがいる」
「無駄なブルシット・ジョブが増えて、仕事が増える」
「生産性が上るから、21世紀に初めには1人週15時間労働ぐらいで足りる
と言っていた経済学者が何人もいたらしい」
「3割くらいはブルシット・ジョブという調査があるけれど、
まともな仕事の中にもブルシットな仕事が紛れていて、
長時間労働になってしまっている」
「失業者もいるよ」
「仕事のある人は長時間労働なのだから、時間を減らして、
みんなで仕事を分ければ、短時間労働で収入も分け合って、
幸せに暮らせるのにね」
「一部の富裕層のサイコパスが、
自分の利益のために、そうさせないんだね」
「お金なんて、いくらあっても使いきれないだろうに」
「苦しい人を見るのが幸福というのがサイコパスにはあるからね」
「ブルシット・ジョブってどんなのがあるかな」
「AVなんかそうかな」
「喜んでやっている人もいるようだけど」
「本人が満足ならブルシットではないね。定義にもそうあるし」
「お金がもらえるからやったけど、出演作をできるだけ見られたくない、
という人がい多いのかな」
「それはブルシットだね」
「気持のいいことをやって、多くの人に見てもらいたい、というのなら
立派な仕事だろうけれどね」
「発言できるようになった人で、
真似をしてはいけないなんて言っている人がいる」
「役に立たない作品を作っているんだから、ブルシットでしょう」
「性教育になる集めて公開しようというのがあるね」
「それならいいけれど、そうでないのが多いね」
「ブルシット・ジョブでない方をあげたほうがいいかな」
「直接衣食住を作っている人」
「作って届けてくれる人がいないと生きていけないからね」
「医療とか、教育、保育、介護とか」
「交通、警察、消防、救急もないと困る」
「エッセンシャルワーカーとか言って、感染症の時に話題になった」
「パンデミックの時は不要不急ということで仕事がなくなってしまったけれど、
文化芸術とか大切だよね」
「時には贅沢な飲食とか、会食とか、旅行とかも大事だよね」
「なくてもとりあえずは生きていけるけれど、無くなってしまっては困る」
「役所の仕事って大事なものが多いよね」
「でも、なくてもいいような書類作りが中心の仕事もあったり」
「仕事の割り振りをする人が一番儲けていたりする」
「国民の負担を増やすだけのような仕事があったりね」
デヴィド・グレイバー
「ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論」
岩波書店




