30 過重労働 *
「労働時間が長すぎる過労が問題になってからずいぶんたつけど」
「根本的な改善はなかなかないね」
「改善の努力を要求されるのが、権限のない中間管理職だからね」
「上は、口だけで、できることをしないで、現場に問題を押し付ける」
「法律的な問題があるのかな」
「使用者側に不利な改正がされないようにロビー活動が激しい」
「最低賃金問題とか、使用者側はとにかく低賃金に抑えようとするし、
金額以外でも労働者の側に立っての改善には抵抗する」
「それどころか、このところ、労働者の負担を増やす改正が続いているね」
「身分を不安定にして、クビにしやすくするとか」
「派遣業ばかり儲けている」
「原子力発電所の現場作業なんて、労働者にずいぶん酷な条件みたいだね」
「それでも労働者が集まるんだね」
「どこも厳しくなってきているからね」
「低賃金で足並みをそろえている」
「元請けから下請け、孫請けという段階が増えていて、
途中で少しずつ引いていくから、
人件費として計上されている金額のうち、賃金で払われるのがわずからしい」
「全員、電力会社の正社員にすればいいのにね」
「少しでも安くするために外注にする」
「仕事があるときだけ頼んで、いらないときはゼロなんだね」
「日本の運命を左右する大事な仕事なのにね」
「原子炉が暴走したら、日本に住めなくなるかもしれない」
「そんな大事な仕事を、非正規で低賃金でやらせていては危なくてしょうがない」
「40年前の、原子力発電所の下請けの仕事を書いた本と、
最近の廃炉作業を書いた本があったよ」
「まるで改善されていないんだね」
「むしろ悪くなっているかも」
「そんな姿勢だから、事故を起こしたんだろうね」
「水没の危険を指摘されてるのに、コストがかかるからと無視していたしね」
「遠隔操縦のロボット開発の提案もあったのに、事後が起こるまで無視していた」
「教員の労働条件もひどいみたいだよね」
「文部科学省で、ハッシュタグ #教師のバトン を提案して、
前向きの提案を期待していたら、
不満が噴出した」
「教員志望者がますます減りそうな雰囲気」
「お金をちゃんと出せばいい話だけど、
学校にお金をかけても、政治献金が集まらないだろうね」
「自分の利益だけ考えて、
他はどうなってもいいなんて考えている権力者がいるんだろうね」
片山 夏子 著「ふくしま原発作業員日誌 -イチエフの真実、9年間の記録-」
朝日新聞出版2020.2
森江 信 著「原子炉被曝日記」
技術と人間 1979.11




