3 AIで見つける *
「AIが発達してきているから、それでサイコパスを見つけられるといいね」
「アメリカとか、すでに一部で試行が始まっているらしい」
「それで、捜査で問題になっている差別がそのまま表れて問題になったらしい」
「どういうこと?」
「特定の人種とか、特定の地域とかに住んでいる人が要注意人物にされてしまう」
「実際に摘発率が高かったりするらしいね」
「特定の人種に悪い人が多いわけではないだろうにね」
「偏見があると、職務質問されたり、容疑をかけられたりしやすいから、
摘発率が高くなる」
「それで、実際の割合以上に、有罪になる人が多いんだね」
「裁判でも、有罪率に差があるけど、偏見によるものらしい」
「だから、AIにさせると、
犯罪率の高い人種とか地域が危ないってことになるんだね」
「別にそうプログラムするとかではないよね」
「わかるだけのデータを全部入れて判断させるとそうなる」
「使うデータを選んで指定しないといけないね」
「そう、反社会的な行動、法律違反とか、ルール違反とか、
倫理に反する行為とか」
「それならいいかも」
「なんでもAIに任せるとかはよくないね」
「出た結果も、AIが出したから、ではなく、
ちゃんと説明ができなければいけない」
「使い方だろうね」
「小さい犯罪とか、監視カメラに映った犯罪行為とか、
一つ一つだと事件にするのは大変でも、
数が多いということで、有罪ににできるといい」
「ちょっとした犯罪で、犯人の手がかりも少ないと、泣き寝入りが多いかも」
「そういうのを簡単にスマホとかで告発できるようになるといいね」
「犯罪の証拠写真をとって送れるようにする。
場所と時間は自動的に記録されるから、データベースができる」
「痴漢とか、出没時間や社労が特定できれば、
警察で待機して現行犯逮捕すればいい」
「落書きなんかも、たくさん集めれば、筆跡や場所で班員特定できるかも」
「常習犯をしっかり摘発してほしいね」
「逆に、小さな違反があっても、その1回しかやっていないなら、
事件にしなくてもいいのかも」
「確定した犯人の過去の犯罪や違反行動を調べて分析するのは良いかもしれない」
「あくまで法律や規則違反に限るべきだろうね」
「悪用する人がでてきそう」
「自分が気に入らない人をサイコパスと結びつけるとか」
「そういう悪用を検知できるプログラムも入れておいた方がいいね」
「特定な人を怪しいと送り続ける人は逆にデータから誣告罪が証明できるかも」
「独裁国だと、人権派とか民主派とかの気に入らないのを登録しておいて、
微罪でもAIで監視カメラ画像で見つけ出して、それを理由に逮捕するらしい」
「それは怖い」
「逮捕されて有罪になって懲役になってさえ、
容疑の犯罪について詳しく教えてもらえなかったりすることもあるらしい」
「安心して生活できないね」
「人権だと民主主義だの、科学だのを持ち出して
為政者に逆らってはいけないのかな」
ジェフリー・ケイン/著 「AI監獄ウイグル」
カリッサ・ヴェリツ「プライバシーこそ力
ーなぜ、どのように、あなたは自分のデータを巨大企業から取り戻すべきか」
サフィヤ・U・ノーブル
「抑圧のアルゴリズム
-検索エンジンは人種主義をいかに強化するか」
明石書店