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冷たい部屋に招かれて  作者: 古新野まーち
8/14

青年の地獄のような一日が始まる

宿酔のひどい朝であった。すさまじい下痢でもあった。女性の暮らすトイレを男が使ってよいものかと頭を使う余裕もなく、筋肉痛にも似た節々の痛みを堪えて腸内の汚物を噴出した。


彼が目を覚ましたときには、すでにサキの姿はなかった。朝の7時にもなっていないため、忙しい仕事人のようだ。

ヒリヒリと痛む尻の穴をさすって、昨夜は風呂に入っていないことに気がついた。着替えは、サキの部屋の服を着ようかと迷ったが、一応、念のため、もしかしたら彼女の恋人の服がある可能性を否定できないという言い訳をして二階に行った。

彼女の部屋を開けると、ドンという大きな音がした。

部屋にチェーンが取り付けられていた。

この状態でどうやって外出したのかと疑問に思ったが、チェーンをしたあと窓から外に出る方法を考え付いた。そして、それ以外を考えるには、秀太は頭の出来が良くない。彼には一つの解に固執してしまう癖があった。


冷凍食品やカップラーメンなど、とりあえず食事には困らないことを確認した。

秀太は、老婆の確認と朝食のどちらを先にするかなやんだ上で、老婆の確認は極力しないことに決めた。このまま明日までいれば、問題は無いのだと自分に言い聞かせた。

行動できる範囲だけ散策した。二階はサキの部屋の他は物置小屋然としている。ダイエット器具やらアマゾンのAからZにかけての笑顔の箱が未開封のままであったりと、雑然としていた。他は衣装部屋だろうかと、タンスをみただけで結論した。一階は、玄関入ってすぐのリビングと、トイレと風呂と、ベッドと化粧机だけの部屋、そして突き当たりの部屋。

玄関には、ペット用の監視カメラが置いていた。おそらく老婆の徘徊を防ぐためだろう。そして自分も監視対象なのだろう。ここにしかないとは考えられない。


それに、逃げようにも住所や大学は既に特定されているため報復が恐ろしい。秀太は祖母の猫をはじめ、あらゆる猫に詫びた。

すまなかったと。自分の人生がうまく行かない八つ当たりを企んで、これほど後悔するとは。

秀太は豚骨ラーメンを食べて、缶ビールを飲み、下痢をした。上質なトイレットペーパーの拭き心地に感謝した。

体内の下痢のウンコをこの家で全て排出してから、自宅に帰ることに決めた。



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