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枕の下に 希望の上に(8)

媒体バイタリティ

気温の上昇と体温

柔らかさを探して

人に突き刺す

自意識の矛

欲望は誰しも

持っているが

ゴミを投げたが入らなかった

ゴミ箱周りみたいに

散らかっている




いつしか

それを普通だと

認識し始める人間が

社会のゴミとか

自覚して

他人にまで言われ始める

ぐるぐる回って

思考が飛び散り

最後は森に消える




春の音鳴らしても

出て来やしない

夏の音鳴らしても

出て来やしない

とうとう

鳴らす側が疲れ切って

居なかった事になった

メモリー消去

合法的メモリー消去




暗がりに纏わり付く

静かな空気は

何も気にしなくて

構わないという楽園

このまま眠ってしまえたら

昨日を気にしなくても

良いのだと

明日から

思えるようになるんだ




いつしか

それを普通だと

認識し始める人間が

社会のゴミらしくと

自覚して

居場所を探し始める

ぐるぐる回って

片隅に座り転け

最後は森に消える




春の音鳴らしても

出て来やしない

夏の音鳴らしても

出て来やしない

とうとう

鳴らす側が呆れ切って

存在を細切れにした

メモリー消去

合法的メモリー消去




人間らしくを

忘れた当人

獣らしくを

認識し始め

獣らしくを

覚えた当人

獣らしさを

追求し始め

獣になって

暴れる当人

銃に撃たれ

時間が終わり

獣であった

哀れな当人

記録に残り

活字になった

活字にあった

静かな当人

百年経って

数字になった




春の音鳴らしても

出て来やしない

夏の音鳴らしても

出て来やしない

汗だけ落ちる

時間も落ちる

秋の音鳴らしても

出て来やしない

冬の音鳴らしても

出て来やしない

とうとう

鳴らす側が居なくなり

忘れ物になった

後は廃棄処分される

メモリー消去

合法的メモリー消去

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