表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
探偵の助手  作者: 夏目藍
3/6

第三話「助手の出口探し」

謎を作ることは解くことよりも難しいのです。

 さて、怪盗に誘拐されました。助手です。現在、出口探しに奮闘しております。いつもなら先生から与えられるヒントを頼りにして謎解きをしているのに、今回はヒントなしです。でも、先生からのそれは遠回りをする言い方で伏線もありわかりにくい。注意して聞いていないと「また君は話を聞いてないのだな」と言われてしまうくらいだ。それだったら自分で考えて、見つけるほうがいいのだけれども、私の能力ではそれはできない。先生とは完全に実力の差があるのだ。

「と、とりあえず壁のほうにスイッチでもあればいいのだけれども……」

 鈴ちゃんのお屋敷にも壁にスイッチがあった。冒険小説お決まりの隠し通路だ。あのお屋敷のスイッチは壁の下のほうに窪みがあった。ならば下のほうを、と探してみる。あった。

「やっぱりあった! 私、冴えてる!」

 うきうき気分で窪みを押した。カチッ。ゴゴゴゴゴ。

「ふふふ、これで隠し通路が出てくるはず! すごいぞ私!」

 カーーーン。

 天井からたらいが降ってきて、見事に頭に着地した。

「いったたたたた……え、たらい」

 これは、もしかしなくてもトラップだ。

「うわー……引っかかった。命にかかわらなくてよかったけど、この部屋もしかしてトラップだらけだったりするの? だとしたら命が何個あっても足りないよ! うわーんせんせぇ、助けて! 私の頭じゃここから出られない……」


 彩くん、君はまず考えたまえ。君の脳細胞は生きているのだろう? ならばなぜ考えない。考えることを放棄した脳ではないのだろう? 考えたまえ。

ふと以前先生に言われたことを思い出しました。考える、考える。

 ポシェットには確かメモ用紙と三色ボールペンを入れていたはず。今までに起こったことを整理してみよう。トラップのこともしっかりと。

行動の中にヒントはあるのか。

私がいるのはどこなのか。どこ? ここはどこ? 窓はない。方角はわからない。音はどうだろか。耳を澄まして周囲の音を聞き取ろうとする。すると微かに電車の音が聞こえた。電車の音がするということは、電車の時刻表を見ればおおよその位置がわかるかもしれないということ。幸い電車の時刻表もポシェットに入っているのだった。時計を見れば、時刻もわかる。時計はいつも腕にしている。現在時刻はと確認する。秒針が動いていない。この時計、止まっています。なんということでしょう。なんということでしょう! 現在位置は諦め、改めて出口を探すことにした。

「別に壁じゃなくて床だってスイッチがあるはず、まあそんな単純にあるわけがないけど」

 そうつぶやきながら絨毯をぺらっとめくる。なんということでしょう。

「あ、あった」

 そう、あってしまったのです。しかも確認してみると四隅すべてにスイッチらしきものが。明らかにトラップです。どれか一つが正解のはず。何かヒントは……。ふと目に着いたのは絨毯の上にメモが置いてあった。

 単純な計算式で、答えは1。右上から時計回りに数字がふってあるから、右上のスイッチを押してみる。床が割れて、階段が現れた。

「ふっふっふー、私の計算能力をなめてはならぬー!」

 計算式は1+1+1×0-1=? 四則計算の法則を守ればすぐです。


 まずは第一関門を突破。


次回は先生サイドのお話になります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ