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探偵の助手  作者: 夏目藍
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第一話「捕まったし、とりあえずきっかけを」

探偵と探偵助手。

ずっと書きたかったものです。年の差も少しありまして、自分の「書きたい」に素直にしたがってみました。

連載、開始です。

 まさかこんなことになるとは。


 先生、ごめんなさい。私は失敗してしまいました。例の怪盗の手に落ちてしまいました。先生は呆れるでしょうね。「君はまた失敗して」って。わかっていますよ、先生のことですから。

それでも先生はいつものようにまた助けてくれますか? こんな役に立たない先生の助手、探偵見習いの私を。それとも、もう懲りたと、助けてくれないのでしょうか。だめだめ、そんなんじゃ。私は先生の助手。探偵見習い。

 先生はこんな時、どうするか考えなきゃ。


 

 ことの発端は、とあるお金持ちの家の子供を誘拐するぞと脅迫状が届いたことから始まる。探偵の明石和成先生は、その事件が起きる前に解決しようと出かけたのだ。私は一緒に行きたいといつものように駄々をこねた。

「また君は駄々をこねて。そんなんじゃ連れて行かないぞ」

「そんな! せんせぇー、私も連れて行ってくださいよ! 私、絶対役に立ちますから!」

「まずはその無駄な自信を無くせ」

 ぽんぽんと頭を叩かれる。

「頭を叩かないでください! 脳細胞が死んじゃう!」

「はっ、君の脳細胞なんか既に半分は死んでいるだろう。空っぽだ、空洞だ」

「死んでいたら困りますし、空洞じゃありません! ちゃんと入っていますよーだ」

 結局先生はぐずぐずと言い訳のようなものを言いながらだけれども、一緒に行くことを許してくれた。ちょっと乱暴なところもあるけれど、これでも先生には優しいところがあるのだ。

「それで、先生。今回の事件はどうやって解決するつもりですか?」

「……君には少し難しいかもしれないな」

「それってどういう……」

 答えてはくれなかった。難しい。これはどういう意味ですか。先生、答えてください。

「答えは自分で見つけなさい。それでこそ意味がある」

 いつもそうやって核心からはぐらかす。正しい解答をできないと先生にひやかされちゃう。それは避けたい。避けられないけれど。どうしてって、私の解答は少し足りなくて完璧じゃないから。よくて99点、悪くて0点。決して100点は取れないのだ。取らせてもらえない。先生はいつもミスリードして、私を惑わす。じれったい。


 それでも私はそんな先生が大好きです。



読んでいただき、ありがとうございます。

次回、書け次第投稿です。

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