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第十話 高原の駅 -4- ゴルフ場の逆襲
狭い路地から二車線の舗装道路にでた。まわりは野菜畑。なにもなければきれいな高原リゾート。ただ異質なことは、バカっ速い三輪車トゥクトゥクに乗っていること、後ろから黒煙と爆音をたてながらトラクターが追いかけていること。旗をたてた軽トラに先導されてどこかに先導されているところ。
ときおり合図の花火が上がっているところ。
「ねえあの花火、敵にもばれているよね」
「うーん、細かいこと考えない」
前の軽トラが林の中の道に急激に進路を変えた。前の方からタイヤの悲鳴と、エンジンの甲高いおとが聞こえた。
「マクのか、踏ん張ってろお二方」
ゴッガッツと車体から不気味な音と、また、倒れる寸前で力任せにまかった。
ちらっと後ろ見るとトラクター減速したけど路肩壊してこっちにまだ向かっている。
「面白くなってきたな」
「こっちは、面白くない」
隣の伊之助は、無言になってしっかりと前の座席の取っ手を握りしめている。
しばらくすると、入り口が見えてきた。
「ゴルフ場じゃない」
「そうだな」
加えていきます