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第六話 丁字路 - 5 -

 二本のライトの光が暗引き裂いている。背後から黒い車体のスポーツカー。よく見えないが、そうだろう。猛然と速度を上げ、こちらを潰しにかからうと、迫っている。


 後ろの車との間隔がじりじりとせばぱまってくる。もう一つ橋を渡ると前方に反射板が見えてきた。

「なんですか、あれ」

伊之助が叫んだ

「見ての通り反射板。丁字路の信号」

後ろからは追撃。チラと振り返ってみると、いかにも速いんでしょという形の黒い車。二つのライトがパカッと飛び出ていて飛び出して、まぶしいライトでこちらをてらしている。


「こちら、カワセミ指令、中継点で応援確保、このまま市街地方面へ」

「手が離せないんだよ、されどこじゃない」

時折、コキコキとシフトレバーを操りね足は、タップダンスのように忙しく三つのペダル…どれがあくせるだか ブレーキだか私はわからない。そして、ハンドルも忙しく動いているるエンジンの音は豪快な音を奏でている。


「信号、間に合え、間に合えっ」

今目の前の丁字路の信号は青。まもなく黄色。

「それっ」


<<<<キャァィィィーー>>>>


タイヤが悲鳴を上げ、体がもっていかれた。


「なぬぅ」

後ろの黒い車は、しつこくついてきている。


「まっ、まじですかっ」


星海さんは、さらにそういうと車を加速させた。


<<<バァァッン、バン、バン。バァァァァーー>>>


凄みのあるエンジン音になってきた。

「持てよもエンジン。到着地まで」

そんなこと声にだそうかとしたが、やめておいた。


「こちら金紋(キンモン)、遊撃手聞こえるか」

「っと、なんだ忙しいぞ、ようやく来たか」

「前にいる。入れ替わるぞ」


前にいるって。どこ。


「生け捕りにするからな」

「わかった」


と、その瞬間だった。前方に一台の青い車が急ブレーキをした。星海さんは、すぐに反対車線の右側にハンドルを切った。


<<<ギャァァァイィィィ>>>


横を青色に黄色い三日月みたいなマークと三桁の黄色い数字が紋章のように貼ってある車が後方に飛んで行った。


[[[[[キャイーーー ズァァァァー]]]]]


タイヤがこすれて止まる音


<<<<ボォーーーッ>>>

特徴のある野太い低音の排気音。

「仕留めたか」


 一瞬後方からのライトが消えた。


 その着後。


<<<<フォン フォン フォォォン オォォォォォーー>>>>


「こちら金紋、ダメぁ」


「ダメェだとぉ」

そうしていているうちに、また背後から片方だけのライトをギラつかせながら近づいている。


「いいか金紋、あきらめるな、崖側によせて仕留めろ」

なんと物騒なこと言っているのだろう。


トンネルのオレンジ色の光、橋、トンネル、橋と道は変化した。


≪≪キッ≫≫

≪≪キッ≫≫

≪≪キコ≫≫

≪≪キッ≫≫


「何の音」

前方から何か音がする

「大丈夫気にしない」


 バッスン、バスンと道のつなぎ目で車体が小刻みに揺れる。


「すこし、壊れるかもな」

「えっ」


道を照らすライトが一瞬どこを照らしているかわからなくなった。そのあと車体は、グンと下向きのカーブになり、遠心力で体がもっていかれた。本当だみみがツントとするる。


<<<<キャャァァァイィィィ>>>>


 さっきから伊之助は固まっている。


 少しだけ黒い車との車間距離が遠ざかったかに思えた。本当にわずかな時間だけだった。



<<<<ヴォォォォォォッ>>>>

怒り狂ったようなエンジン音がすぐ背後まで近づいてきた。


「構えろ、頭と体守れ」


すぐに

【【【ガシっ ガシッッ】】】

と体当たりをしてきた。


「ちょっ、まてっ、退避場所。」

か細い田舎道の中で星海さんは逃げ場を探していた。

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