表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
NEO Ragnarok(ネオ ラグナロク)  作者: やみのゆい
3/24

第2章-決意-

「どうも皆さん今日はお元気ですか?」

「・・・・・・へ?」

いきなり挨拶を交わしてきた目の前の人は男の人で、とても紳士的な雰囲気を醸し出している。いわゆるオーラという奴だ。

見た目は全身白のスーツを着ていて、頭には黒のシルクハットを被っている。

「なんだこいつ?」と思っていると「いま、なんだこいつ?って思ったでしょ」と聞いてきた。

人の心を勝手に読まないで欲しい。

「それはいいとして、どちら様で?」

「そうですねぇ・・・」

彼はそう答えるとむむむ・・・とこめかみに人差し指を当てて30秒くらい考えると

「とあるお方からのお使いと言っておきましょう。」

随分怪しげな答えだがこれ以上「お方」と伏せている分追求はできないだろう。仕方ないので

「お、おう」

と曖昧な返事を返す。

「とりあえず上がれ」

「どもども」

外にいさせるのも悪いので取り敢えず中に上げておこう。


・・・あ、妹達がパジャマだったか。

と、考えたのもつかの間「まーいいや」とひとりで納得してしまう。

当たり前のように過ごしていたのですっかり自分達の姿を忘れていたのだ、かっこよく(?)決意したのはいいけど思い返すとパジャマだったため明らかに格好が悪い。

そう考えているうちにリビングにたどり着く。

「どうも皆さん、お元気ですかね?」

その声に反応した2人が声主に気づいたのもつかの間、顔を赤らめながら

「なんで勝手に上がらせてるのよ!」

「なんで勝手に上がらせてるんですか!」

食事は終わってたようで、片付けている最中なのだが怒りと羞恥を俺に飛ばす。そりゃそうだわな

「あー、すまん。俺達まだ寝起きでな?」

「それはそれは随分タイミングが悪くお迎えに来てしまったようで」

「いや、俺達の行動が遅かったんだ。すまない」

「お互い様と言うことで」

彼がフフフと微笑みながら言うので俺も

「それもそうだな」

とクハハと笑い返す。

このやり取りに気づいた麗奈は

「いいからあんたも着替えなさいっ!」

と脳天にゲンコツを食らわせるのであった。


「なにがクハハよっ・・・たく」

「本当、そうですよ。兄さん」

「わかった、悪かったって」

本当あの時まあいっかで流して悪かったって・・・。だからそのまた1発やらせろ!みたいな目をやめろ!

「あぁ、そうそう。こっちの人はとある人のお使いで来たそうだ」

「いやはや、紹介にあたり恐縮の至りです」

思い出したように2人に伝えると、彼は深々と頭を下げた。

おぉ、リアル紳士っぽいぞ

「んまあ、詳しくは俺も聞いてないんだが・・・」

とチラッと妹たちの方を見ると

(んで、結局なんなのよっ!)

(そうですよ、何のために来られたんですか?)

と目で訴えてきている。自分で聞けばいいものを、どうやらパジャマ姿を見られたせいで聞けないらしい。

「そもそも、なんでお使えに?」

「話すと長くなりますが・・・お迎えに参りました。」

え短っ!?それだけ!?

「あの・・・それはどうしてですか?」

俺があまりの短さに同様していると、助け舟を出してきた。

(もう・・・。しっかりしてください!)

わかった、分かったから目で訴えかけてくるのやめろぉ!

彼の話にもどうやら続きがあったようで

「そうですねぇ、実は予言の事についてなんです」

「予言って・・・狂神のことか?」

「はい、実は狂神が現れるのはこの世界ではないんです。」

はいはい違う世界ねぇ・・・って

「「「えぇぇえ!?」」」

てっきりこの世界のどこかだと思っていた俺達はまるで天変地異が起きたかのように驚いた。

「この世界じゃないならなんだって言うのよ!まさか別世界があるって言うんじゃ無いでしょうねぇ!!」

まあ、そう食ってかかるな妹よ。実質思っていたことだったけれども。

「そう、実は私・・・」

真剣な顔で彼はそう言うと少しの間を開け

「神々の住む世界、言わば楽園(Eden)にご招待参ったのです。」

すると立て続けに彼は答える。

「あなた方は楽園に認められ、楽園に来る資格が与えられたのです。何故ならば、あなた方には神同等の力をお持ちなのですから。」

「・・・・・・なぜ力の事を知っている?あと楽園とはなんだ」

実は、俺達はとある力を持っている。予言はその力か?と言われるとそれは俺達の力ではない。俺達は一人2つずつ違う力を持っている。

次女、麗奈は物質創作(マテリアルメイク)物質開放(マテリアルバースト)の力を持っている。

物質創作は一度見たことがある物質ならば何でも作れる訳だ。そして物質開放というのはそのもの性質を極限にまで上げるという力だ。例を上げるならそこら辺に転がってる石に物質開放を発動すると有り得ないほど硬くなるという訳だ。

三女の力は(ラブ)幸運(ラック)だ。実は三女の能力は特殊で、いや次女も特殊なんだが。実は愛という能力は動物などに好かれるという意味を示している。つまり生物使役の能力だ。そして幸運はラッキー!とかの幸運ではなく、巡り会う幸運を指している。ラッキーも含まれるが。

例えばめったに会えない動物と出会えるとかな。するとその動物を使役できるという訳だ。本人に聞くと「愛」という能力は動物とも話せるらしい。いや、もう愛じゃないだろ!

そんで俺の能力は氷と炎。

・・・。

・・・・・・。

・・・・・・・・・。

それだけだよ!悪いかよ!

まあ、シンプルイズベストだしね?

正直妹たちが羨ましい・・・

のだが実際俺は戦闘という面に他しては長けているということだ。

狂神とあったら真っ先に戦わ無くてはならないのは俺だろう。

そう、これが俺達兄妹の「力」なのだ。

旗から見れば俗に言う超能力な訳で、人からも視線を浴びないように外部には一切公開していないはずだ。

「あらら、その反応だと現れる場所の事は言われて無いのですねぇ。」

「いいから、質問に答えろ。」

「おぉ、こわいこわい」

真剣な眼差しで聞いたのに怖いとは失礼な奴だ

「あなたの質問は後できっちりお答えしましょう」

微笑みながら彼はそう言った。すると彼は思い出したっ!と言わんばかりの勢いで「はっ!?」とするので頭の上にはまるでびっくりマークが出たんではないかと錯覚した。

「なにか思い出したのですか?」

「何かあるんならさっさと言いなさいよ」

「そうですそうです。今日は何年何月何日ですか?」

妹達の問に答えると彼はすぐさま俺達に質問をしてきた。何日だっけ?と考えていると視界の右の壁にカレンダーが貼ってあったのでそれを見る。

「2020年5月12日だな」

俺はカレンダーを確認しながらそう言った。

するとそれを聞いた彼は少しニヤッとした顔で俺達に問う。

「貴方方は予言の元世界を救う決意がありますか?あなたにはこの世界を、そしてこの存在を捨てる決意がありますか?」

そう告げた。

俺達にはこの世界に未練などない。このために生きてきたのだから。学校も真面目に行ってはいたが深くは友好関係など気づいてはいない。

この妹2人もそうだ。

俺達3人は目線を合わせ決意の眼差しを彼に向けると

「「「上等っ!!!」」」

それだけを伝えた。

「ならば宜しい!!貴方方を我々の世界。そう!楽園をへとお連れしよう!!!!!」


世界が真っ白になった。

この日この兄妹の存在はこの地球上から消え、この兄妹の記憶も全て人々から消え去った。

2020年5月12日

神ヶ峰家兄妹、雲散霧消


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ