第1章-運命の歯車-
「お兄ちゃん、起きて。」
「んっ・・・うぅん・・・。」
現在起こされてる俺こと神ヶ峰矛人だが物凄い強い眠気に襲われているのでここは寝たふりという技を使うとしよう。
「おにぃちゃん・・・起きてよ・・・」
妹の第二ウェーブ攻撃、通称揺さぶりが俺の体を襲ってきた。
眠いんだよ・・・察してくれ・・・、実は昨日な・・・ッ!?
その瞬間全身を貫く衝撃がちょうど腹のど真ん中を直撃した
「いい加減起きなさいよ!このクソ兄貴!!!」
どうやら全身の体重を右肘に乗せて飛びエルボをぶつけていたようだ・・・めっちゃいてぇ・・・人生の3番目くらいに痛かった出来事にランクインしたぜ……。え?1位は?この妹に玉蹴られた時だよッ!!!
「わかった、わかったからもう1発かまそうとするのだけは辞めろ!」
「やっと起きたのね、お兄ちゃんっ!」
こんな出来事が無かったらちょっとうっとりしていたかも知れないくらい、曇のない満面の笑みをしながら朝の挨拶を交わしてきた。
「あぁ、おはよう」
この不肖の妹は麗奈といって、我が家の次女である。
髪の毛は銀髪にツーサイドアップでアホ毛がぴょこんと立っているのが特徴だ。
身長は大体155で胸のサイズは・・・!?
説明しようとしたら物凄い寒気が襲ってきたのでこれ以上は辞めておこう・・・。
「お兄ちゃん・・・何を考えていたのかな?」
「い、いや何でもないぞ?うんなんでもない」
性格は見ての通りきっつい性格である。口癖は「死にたいのかしらァ?」で、こんな事口癖になるくらい性格がドキツイ。
この家には俺と麗奈ともう1人の妹の三人で住んでいる。もう1人はもうすぐ出会うだろう。
「お兄ちゃんねぇ、私が朝食のために起こしてきたのに寝たふりなんてどう言うこと?死にたいのかしらァ?」
「物凄い眠かったんだよ・・・だから殺すな。」
「バカ兄貴なんだから」
「るせ」
まあ、百パーセント俺が悪いんだけど。
「あのねぇ、今日はどういう日か覚えてるの?」
「あぁ、もちろん。でも眠気が」
「あ?」
「ごめんなさいでした。」
「今日はあの予言の出来事が始まる大切な日でしょ!」
そう、今日はとある神が我々兄妹に予言を残して消えていったその予言の最初の一つなのである。
第一の予言はこの俺に、第二の予言は次女麗奈に、第三の予言は三女にだ。
その第一の予言、その内容は
〈 狂神が姿を表し始める〉
であった。
狂神というのはその名の通り狂った神である。どう狂っているのかはまだ見たことがないのでわからないが、実は古来この世界でも起きたことがあるそうだ。
なんかウィルスがどうたらかんたら?だっけ?
まぁ、これは実際あった時に話すとしよう。
「そう・・・だな。俺達が未来を変えるんだ。」
「そう来なくっちゃね!」
二人とも目を合わせて強い眼差しで頷き、朝食へと向けて俺の部屋から出る。
そういえば勝手に部屋に入ってくるなよ!
「あら・・・おはよう。兄さん、姉さん」
「毎朝ご苦労ね、聖音」
「あぁ、おはよう」
「はい」
ニッコリとした笑顔で迎えてくれる聖音は毎朝の癒しの一つである。なぜ朝にも癒しが必要かくらい察してもらおう。
聖音はとても妹とは正反対の容姿をしていて、麗奈が可愛らしいのであれば聖音は美しいが似合うという容姿である。
髪色は緑で腰まで伸ばしたそのロングヘアーは手入れがきちんと行き届いてるのか、とても艶やかで妖艶である。
「ささ、食べましょ?」
「そうだな」
「私はお腹ペッコペコなのよねぇ!」
皆と目が合うといつものようにアイコンタクトでいっせーのでと交わす。
手を合わせて目を瞑り
「「「いただきます。」」」
命を食べているのだからこれはきちんとやらなければならないことだと思っている。
挨拶よりもね
実は俺達三つ子で歳は16なのである。似ていないのが謎だ。
「それにしてもいつ出てくるんでしょうね・・・!」
「そうねぇ・・・食べ終わったら警戒はしませんと」
「普通に暮らしたいものだ。」
「まったくだわ」
「まったくですわ」
日にちは教えて貰っているのに時間は分からないのが辛い 。
ある程度でいいから分かるといいのに。
すると玄関からトントンという音が聞こえた、だれかがノックしているようだ。
ちょうど食べ終えた俺は「はいはーい」と大きい声で呼びかけると、食器を型付けすぐさま玄関へと向かう。そして扉を開けると・・・・・・・・・。
その時歯車のような物がカチッと噛み合い動き始めたような感じがした。
「どうも皆さん今日はお元気ですか?」