表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

窓の外の希望

作者: 神原猫美
掲載日:2014/12/17

12,17 窓の外の希望 初投稿

12,18 中一編 更新

12,24 中一半分更新

27 1,2 中一編パート2更新 遅くなって申し訳ありません

1,11 中一パート3 中二・中三編 更新

1,19 高一編パート1 少なくて申し訳ありません。

1,31 高一編パート2 更新

2,12 高校編パート3 エピローグ更新

「俺はずっと窓の外の空を眺めていた。」

 

 そう話すのは、現役の大学生・如月 歩 十九歳。未だ将来の事に興味がない男子学生。

 彼は何事にも興味を示さずに学校に通っている。

    それは、昔から  ずっと。

 

 

 

 歩の両親は政治の関係者で財務省に厚生労働省の重要仕事を任されている。

そのため、歩は“自分が大人になったら、親の手伝いをする。”を幼いころからそう決めていた。だが、

 

 数年後、歩はあることに気が付き始めた。

 

 (なんで自分の親はあんまり家にいなのだろう。

  なんで学校の行事とか参加してくれないんだろう。

  ボクのこと嫌いなの?   お父さん、お母さん。)

 

 両親は自分の事が嫌いなのだろうか、それともあまり家にいたくないのだろうか、歩はそう考えていく。

 そして、ある日親戚一同が集まる日に歩の家族も参加した。初めて見る顔や久しぶりに見る顔。そんな中、親戚の小父(おじさん)が歩にこう言った。

 

 “本当にこの子がお前の跡継ぎにするのか?勉強ができなきゃ意味がないんだよ?”

 

 その言葉を聞いたその日から、歩は外に出ることがなくなった。




 『(……あ、また春が来たんだ。そーいえば俺今年で十九なんだっけ………すっかり忘れていた…………)』



あの日から時間が止まってしまった歩。小父さんの言葉で親は一変してしまい、勉強の日々で誰とも遊ばずに部屋でずっと本と文字のにらめっこ。学校にいても家にいてもつまらない日々で、不意に歩は窓の外から何かが入ってくるものを見た。

 

 「……あれ?なんだこれ。葉っぱ?なんでこんなに枯れているんだ?あの時はあんなに……みど……」

 

 そして窓の外を見る歩。そこには葉は枯れ気だけが残っているだけ。

 歩があのとき、親戚一同と会った時は春で桜や花が葉が綺麗に咲き誇っていた、はずなのにいつの間にか花は枯れ、秋の季節に変わっていた。

 それでも歩は、あゆむは自分のやることに集中しながらも時々外の風景を見ていた。

 遊びまわる自分と同い年の声や 蝉の鳴き声や雷鳴、春・夏・秋・冬の季節をずっと家の中から外を眺めていた。

 

 (家の中はこんなにも変わらないのにどうして外の世界は変わっていくんだろう……でもどうして人間って家の中にいるんだろう。動物たちは屋根のないところで生活しているのに……なんでだろう。)

 

 歩はそんな小さな疑問を抱きながらも外の世界の景気を眺めていた。


 それから、小学校を卒業し、歩は私立の中学校に通っている。

 それでも歩のやることは相変わらずで、学校にいても勉強、家にいても勉強している。変わったといえば、親に。

 

 “なんでもいいから、本を読んで知識を身につけなさい。”

 

 そう言われ、現在は学校や市内にある図書館で様々な本を読んでいる。

不意に周りを見回して気付く、自分の周りにはいつも勉強している人や、暇で本を読んでいる人、図書館内で許されている音楽や映像を見てる人がいることに……

 

 (この人たちは自分の好きなことをしているのかな……)

 

 そう思うと歩は自分が一人だということに気が付くが、それでも「自分が今、するべきことをこなしていかなければならない」。それだけしか頭にはなかった……

 図書館が閉館になるまで歩は本を読みそして帰る。

外へ出るとそこは真っ白な粒が降っていた。 「雪」

 この前、中学に入学したばっかりなのに、もう雪が降る季節に変わっていた。

外には人はいない。歩はこいう時・時間が何より嬉しい。自分と比べる人間はいない。自分に何かを言う人間もいない。もしかしたら……

 

 「(もしかしたら、自分はこの季節が好きなのかもしれない。)俺がここにいることは誰も知らない、知っているのは自分の心だけ。」

 

 突然、そんな言葉が思いついた。この季節だからか、自分の好きな季節だから思いついたのか、歩はその言葉を胸にしまい込んだ。

 帰り道、まだ誰も踏み入れていない真っ白な公園を見つけた。自分だけの世界、自分だけの外の空間。歩は時間を忘れて公園で外の世界を楽しんでいた。

 

 中学校が冬休みに入り歩は、一日中部屋にこもりきりの時間を過ごしていた。ふと、ある本の事を思い出す歩。

 

 「そういえばあの本、面白かったなー。(俺もあんな風な小説書いてみたいなー。)」

 

 自分のお気に入りの小説。内容が面白くてハマった事があった、歩はそんな風に考えながらも窓の外を眺めていた。いつか自分に自由がくることを待ち望みながら、そして歩はいつの間にかノートにある物語を書きながら始めていた。

 自分の自由と空想の世界を考えながら。

 

 


 『(そうそうあのころは俺も無邪気で可愛かったからなー、あの時は色々思いついたっけ、授業なんて簡単だったし、五教科全部百点だったしなー。)』



 そしてまた、歩は時間は動き始めました。

 だがそれが、自分の人生を変える事とは  知らなかった。




 久しぶりに母親が仕事を終わらせ家に帰ってきた。

 その時歩がやっていたことに、母親は激怒し、

 

 「二度とこんなものやらないで!あなたは私たちの跡継ぎなのよ!!こんなことするなら勉強しなさい!!」

 

 その言葉に歩は何も反論できずに。ただ。

 

 「ごめんなさい。」

 

  そういうしかできなかった………

 

 

 その日の夜、父親にも怒られすっかり落ち込む歩。

 

 それでも歩は部屋に戻り、こっそりとノートを開き親にばれない様にそっと物語を書き字をつづった。

 次の日、歩は少し早目に学校に登校した。

 朝早く学校に行くと、まだ誰も来ていなくて一人で過ごすには丁度過ごしやすい時間。

 

 「(そうだ。今度から雨の日は学校や図書館で書いて、晴れた日には少し遅くてもいいかもしれない。うん。  それがいい!!お母さんにもお父さんにもきっとばれない!!)」

 

 歩は時間を決めると、筆が早くなったことに気づき物語がどんどん進んでいく。

 

 だが、それから二週間たったある日、昼休みにいつものようにノートに物語を書き進めていく歩。

 

 “如月ー。”

 「はい。」

 “すまないが、少し手伝ってくれないか?”

 「はい、わかりました。」

 

 先生から手伝いの声がかかった。歩は急いでノートを片付けて先生の元と向かう。それと入れ違いに高らかな声が教室に響く。

 

 “でさー。あれ?なんだこのノート?”

 “?、あ!これって如月のノートじゃん?”

 “如月?”

 

 床に落ちていたノートに気が付く、生徒達。

 ふと思うが誰のかわからずにそのノートを開かないでほしい。誰も知らない世界を知らない誰かに汚されてしまうから。

 

 “あいつだよ、ほら「如月 歩」”

 “あー、あいつか。つ~かこれって、何のノート?”

 

 その生徒たちは何も気にせずに、ノートの中身を開き  。

 

 五分後、歩が息を切らして、教室へと戻ってきた。

 

 “ぎゃはっはハハハハハハ。ありえねぇーー。こんな話。”

 “あぁ、まったく絵から人が飛び出すかつーの!!”

 “それにさ、よくこんなつまんねのーかけんな。”

 “やっぱりさ、あれなんじゃねーの?勉強が簡単すぎて逆に暇なんですよーてか?”

 “アハはッははそうかもな。いいよなー優等生は!”

 

 生とのふざけた発言に歩は頭が真っ白になった。ツカツカと生徒たちにとられてしまったノートを取り返し、ドカッ。

 人を始めて殴った。手が熱くてなのに体は冷静なのか、冷たい。

 

 

 どうでもいい。俺は自由なのに何でこんなこと言われなきゃいけないんだ!!

 

 

 数時間後、歩の両親が呼び出され先生に怒られ歩は一週間停学になった。

 こいう時生徒同士の喧嘩に親は戸惑い・心配するが歩の親は違った。

 

 「歩!!何をやっているんだ!!何があっても、言われても、我慢して人との交流をしておけとあれ程言ったじゃないか!!」

 「お母さん達の顔に泥を塗らないでちょうだい!!」

 

 まるで大きな間違いを犯してしまった子供を叱るように言う両親。今までなら歩はいつも反論をせずに謝るが……

 

 「じゃあ、お父さんたちはずっと、我慢してきたの?」

 

 突然、我が子からの反論に両親は何も言えなかった。

 

 「そんなことはいいだろう!!とにかく今後は!!」

 

 「なんで!!俺が我慢しなきゃならないんだよ!!俺は好きなことをしちゃダメなのかよ!!」

 

 歩は今までの本音を吐き出した。いつの間にか家を

  

 

   飛び出していた。

 

 

 「歩!!」

 

 

 

 自分の名を呼ぶ声が遠くなっていく

 

 歩は星空の下を全力で走っていった。

 

 

 

 

 

 










 ずびっ ヒック ズっ ヒック うっ

 公園で大きな人影がポツンと地面に映り涙を流している。歩は今までの事親の言葉や同級生の言葉を思い出し泣いていた。   そこへ。

 

 「?、きみ、どうしたの??」

 「!!」

 

 突然、声をかけられ、涙が止まる。声をかけた者の顔を確かめようするが、夜のせいか街灯がないせいか、相手の顔が見えない。

 

 「なんか辛いことがあったの?」

 「………」

 「……辛い時にここに来ると気持ちが落ち着くんだ、俺。」

 「………へぇー。(どいうでもいい。俺にはもう……)!!」

 

 相手は自分の事を女だと思っているのか、口説くように言ってくる。それでも歩は関係ない赤の他人のように知らないふりをする。

 相手は夜空を見上げながら自分の事は話してくる、歩は聞き流すように話を聞くが、

 真っ暗な夜空にキラキラを星が輝き瞬く。新月の夜だからか周りの明かりが暗くかすむほどに見える。

 あまりのきれいさに息づきを忘れた。

 

 「きれいだな。」

 「だろ。季節によるけど、夏と秋が一番きれいなんだ。」

 「へぇー。」

 

 二人はしばらくの間、ずっと空を眺めていた。

 

 自分の名を呼ぶ声が聞こえ二人は自分の家へと帰る歩は相手の名前を知った。

 

 (あいつ、「ユウヤ」っていうのか。また会えるのかな?)

 


 停学二日目。歩は変わりなく勉強と学校から出された反省文を書いている。そのあとに歩は「日記と物語」を書いている。あの時「ユウヤ」と一緒に見た空の事を思い出しながら窓の外の景色を眺めながら。

 時々図書館に行くふりをして公園で物語を書いていた。また、「ユウヤ」に会えると信じて……

 

 一週間後、停学が解け、歩は学校に行った。今まで通り誰とも接することなく、何事も我慢しながら。

 

 中学一年がおわり、中学二年。その日から少しばかり変わった日常になった。

 

 “あ、あの好きです!!”

 「……ごめんなさい。君の気持には答えられないから。」

 “   あ。”

 

 「歩!いい知らせだ。お前に許嫁ができたぞ!」

 「まぁ、よかったわね。歩、これで如月家は安泰ね。」

 

 「……うん、そうだね。母さん、父さん。」

 

 

 “如月―!体育祭何やる?”

 

 “如月君、文化祭実行委員頼んでもいいかね?”

 

 「はい、ありがとうございます。」

 

 歩は学校に行くとロボットのようになり家に帰ってもロボットのような人格だが……本人は何一つ関心を持つことはなかった。

 それでも自分の部屋にいる時が何より幸福の時間。そして、窓の外の景色を眺められるから。学校にいても家にいても勉強の日々それが終わったら自分の好きなこと・物語を書くことができる。

 

 (「ユウヤ」はどうしているんだろう。早くまた会いたいな。そしたらあいつに見せてやりたいんだ。俺が書いた、あいつがくれた「希望」を)

 

 いつか自由な日が訪れることを信じて、歩は自由と幸せの日々を手にした物語をつづって夢を見た。

 

 中学三年に進級。それでも二年生のころと変わらずの日常生活。

 変わった事というと「許嫁」の件が白紙に戻ったことと自分の書いている物語が十冊になった事と自分の部屋が本でほとんど埋め尽くされたことぐらいだ。

 そして大学とか高校の進路をどーするかとういう事だけ。

 

 (俺としてはどーでもいいけど。早く大人になりてぇーな。)

 

 歩は先生の話も親の話も聞き流しようにそんなことを考えながら将来の暮らしの事を考えながら窓の外を眺めていた。

 

 

 私立高校受験日。五教科の内三教科を終え、残り二教科の所であることに気が付いた。受験の席で隣の名前を見てふと思った。 「斎藤 悠也」

 相手も気付いているのだろうか……二人の人生を変える季節まであともう少し……………

 

 高校受験を受けた二週間後。「合格」

 四月から高校生活が始まる。その日の夜歩はあの公園に来ていた。

 

 アノトキハアリガトウ  キサラギ  アユム

 

 そう書いて公園を後にした。

 

 高校に入学して二週間後。学校にようやく慣れ、授業の内容を理解した歩。

中学生の時のように変わらずの生活を送ると思っていたが……彼と出会う。

 

 「なぁー、お前って勉強得意?」

 「?、得意だけど?」

 「あー、よかった。悪いけどさ、数学教えてくんね?」

 「………いいけど。」

 

 その日から彼に数学・国語を教えるのと教え合う形で友人になった。

 

 「そーいえば、お前名前は?」

 「え、あぁ。俺 如月 歩。 歩くって書いて「あゆむ」っていうんだ。」

 「へー、俺、斎藤 悠也。悠然の「悠」に也は池のサンズイの隣の漢字。」

 「…………………ユウヤか。」

 「へ?」

 

 歩は相手の名前を聞いて中学の頃を思い出す。あの日、停学をくらい両親に自分の本音をぶつけ家を飛び出しあの公園に逃げ込んだ。そこで初めて星空を見せてくれた「ユウヤ」。

  

同じ名前を持つ者はこの世に何人もいる、だが、同一人物などいるわけないと考える歩。

 

 「いや、なんでもない。それよりどこが………」

 

 歩は気にすることなく悠也に勉強を教え始めた。

 

 

 それから数日後、クラスメイト達になじめた頃

 

 「歩ー。カラオケ行こうぜー。」

 「え?カラオケ?」

 

 悠也・歩を含むクラスメイト数人でカラオケに行くことになりました。

 

 “ウルトラソウル!!”

 

 カラオケに来て三十分。周りは盛り上がっている中。歩は少しばかり呆然としていた。

 

 「?、歩ってこいう所にはあんまり来ない?」

 「え?、あぁ、親があんまり、俺も勉強で忙しかったから……」

 「へー、そいう言えば歩の親って何の仕事してんの?」

 「え?」

 

 突然クラスメイトからの質問に戸惑う歩。普通に答えればいいのかわからない。

 

 「(あれ?どう答えればいいんだっけ?)えっと……お母さんは財務省に勤めていて、父さんは厚生労働省に。」

 “““「へー、すげーーー!」”””

 “じゃあ歩って坊ちゃん育ち?”

 “悠也と同じじゃん。”

 「「え??」」

 

 「悠也と歩が同じ」「坊ちゃん育ち」その言葉に理解できなかったが、悠也の言葉で理解する。

 

 「俺の親、財務省と防衛省に勤めているんだ。」

 「へー。」

 

 意外な一面だった。私立に通う人たちは大抵頭のいい子の一般家庭だと思っていたが、自分のようなお金持ちの子も通っているなんて、知らなかった。

 

 次の曲に裕也がマイクを持つ。

 

 「世界で君を愛してるー。だから見ていてね。」

 “でたー、悠也の十八番「鈴木舞の曲」!!”

 “でも相変わらずうまいなー。”


数時間後、友達と別れ家へと帰る。

 

 (みんなスゲーよな、自分の好きなことやれるなんて。悠也も俺と同じででもなんで勉強しないんだ?やっぱり俺とは少し違うのかな……なんか、物語早く書きたいな。俺だけの世界。……)

 

 羨ましい気持ちと自分のやってきたことに後悔しながら、夕方からよろへと変わる時間を歩きながら、歩は、歩は家へと足を速めた。

 

 それから数日後。歩が帰ってくるのが時々遅い時があり親は心配そうに話しかける。

 

 「歩」

 「ん?何母さん。」

 「最近、帰ってくるのが遅いけど学校で勉強してるの?」

 「え、えっと。」

 

 親の問いかけに言葉が詰まる。本当のことを言えばまた親に怒られ、多分‘友達と引き離されてしまう’そう考えた歩は嘘をついた。

 

 「友達と一緒に勉強してるんだ、それで熱中し過ぎて時間忘れちゃって。」

 「そう、ならいいんだけど……」

 「あ!ヤバッ、遅刻するから行ってきまーす!!」

 「え?!歩、まだ六時半よー!」

 

 いつものように歩は早めに逃げるように学校へと向かった。

 一人の時間を唯一の希望を、夢を見る時間として。

 

 「なー、歩。」

 「?、何悠也。」

 「いや、お前っていつも何書いてるんだ?」

 

 いつものように歩は裕也に勉強を教えながら物語を書いている。いつの間にか物語を書いているノートが十という二桁になっていることは知らずに……

 

 「別になんでもいいじゃん。俺の勝手だし。」

 「……まぁ、そうだけど。そういえば歩って本読むの早いよな。」

 「へ?、そんなに早い?」

 「あぁ、早い。」

 

 またしても悠也から“速い”という指摘され歩は少しばかり考える。今まで言われたことないため、自分でも気が付かなかった。改めて思う、「悠也はよく人の事を見ている他の人でも知らないこと・癖を見破る。それでも自分の癖は知らない。」

何とも面白い人だと思った。

 

 「俺、昔から親に言われて本を読むようになっただけで、多分知らないうちに身に付いたんだと思う。」

 「……どーしたんだ?突然。」

 「いやなんとなく話したくなったから。」

 「……ふーん、そっか。」

 

 誰かに自分の事を話したのは初めてだと今更思う、だが「自分の事を知ってもらいたい、相手の事も知りたい。」そう心の中で思った。

 

 それから、一週間。

 

 「しばらくの間、家を空けることになった。」

 

 突然、父の単身赴任が決まった。

それでも歩は相変わらず日々だが。

 

 「へぇー、歩って小説書いてるんだー。」

 「    っ。」

 

 学校での昼休み、教室でいつものように過ごしていた。机の上には数十冊のノートを積み上げ、それを偶然にも倒してしまい友人(仮)の悠也に見られてしまった。

 

 「へぇー、すげー!字も読みやすいし、ないようわかりやすい!。」

 「やめてくれ!悠也!」

 「なぁ、歩、これ借りてもいいか?スゲー面白い!おれ、こんな小説読んだことねぇんだ。いいだろう?」

 

 「ダメだ!悪いが返してくれ!!」

 

 はっと我に返る。悠也の驚いた顔。歩はノートを持ってその場を去った。

 

 歩は家に帰ってから少しばかり自分の事を振り返っていた。

 

 俺はいつも誰ともいなかったから誰とも触れ合う事すらできなかったから……せっかく友達ができたのに……

 

 思い悩む歩、心の中で窓の外の希望を夢見ていたが、そっとカーテンを閉めた。

 

 そのあと、誰とも口を聞かずに、友達との付き合いをやめた。

 

 “え~では、次の所を。橘。”

 “げっ、えーと、xの2?”

 “でたらめに答えるな。如月。”

 「はい、x√2です。」

 “正解。お前らも如月を見習え。私立大学に受かなるなかったら高校卒業はできないぞー。”

 “えー、げー”

 

 いつものように普通に質問と言ったことは普通に答えていく普通の生活を過ごしていた。

 友人だった悠也も普通に過ごしていた。

 

 それから一週間たったある日の事。

 

 “「あぁ、そういう事だからすまない。」”

 「いいのよ、貴方も無理しないでね。」

 

 歩の父からの電話。その内容は公務が、片付かず長期戦になってるということでしばらく戻れないという電話。

 

 「父さんまだ帰れないの?」

 「えぇ、でも仕方ないこと。私達は国に仕えている者なんだから。」

 「うん、そうだね。」

 「国民のために誠心誠意仕えなければいけないのよ。」

 

 如月家の家訓ともいえるこの言葉は代々受け継がれている。それでも変わりない日常を送る。

 

 悠也と離れてから時が止まったみたいに静かな日々。

 それでもいや、何かが消えてしまったような何かが抜け落ちたような、わからないこの気持ち。

 

 「あれ?(変だな、この前までスラスラとかけていたのに……)書けなくなっちまったな。」

 

 思い通りに筆が進まず、一か月、二か月過ぎたある日。

 

 「ただいま。」

 「お帰り、父さん。」

 「あぁ、あ、そうだ。歩、少し資料借りてきたから読んでおけ。」

 「うん、わかった。」

 「!、あぁ、貴方。お帰りなさい。ちょっと聞いてよ!!」

 「なんだ、現場の事か?」

 「えぇ、そうなのよ!また、あの斎藤に!!」

 「はいはい、ちゃんと話を聞くから。」

 「……斎藤?」

 「そうよ!歩も覚えておいて!!」

 

 久しぶりに両親がそろったが、母親は仕事の事で不機嫌であり、会話に出た“斎藤”に耳を傾ける歩。

 

 「へ?」

 「私の同期で「斎藤美代子」って人があまりにもできて私とよく比べられるのよ!全くもひどいわー!!それにその人、子供がいて確か歩と同じ年で、名前は確か「悠也」だったかしら。」

 「へー。」


 母親の話を聞いて歩はあの時の話を雑音を共に思い出す。

 

 “「俺の親、財務省と防衛省に勤めているんだ」”

 

 あの時、言葉を今更ながら認識する。

  

 「歩もその人の子供には気を付けてね。友達になんてならないでね。」

 

 そんな母の言葉が鋭い歯が刺さった気がした。

 

 

 それから三か月がたった。変わりなく過ごしている。

 

 「歩ー!」

 「!」

 「歩!まだあの時の事気にしてんのか?あの時は本当にごめん!だけどあの小説面白くて続き読みたくてずっと頭の中でずっと考えていたんだ!」

 「……(やめてくれ。そんな事聞きたくない!)」

 

 校舎の廊下で出会うが歩は悠也に背を向け。

 

 「なぁ、なんで!目を合わせてくれないんだよ!歩!」

 「っ!うるさい!お前には関係ない!俺の事はほおっておいてくれ!親同士が敵だといっているのに俺達の事がわかったら   」

 

 口喧嘩をしていたため、足を踏み外してしまった。グラッと後ろへと倒れるのがわかり目をつぶった。

 

 ばさばさ  その音が遠くに聞こえた。

 

 「つっ。あぶねぇー。」

 「え?」

 

 階段から落ちたと思った歩、だが耳に入ってきたのは悠也の声。

 

 「悠也」

 「!、大丈夫か?歩。」

 「  っ、悪かった。ごめん、ごめん。悠也。」

 「あぁ、俺も悪かった。  これでお相子だな!歩。」

 

 それから歩は悠也に色々なことを話した、自分の事・親の事、そして自分が思っていた気持ちを話していた。

 

 「だから俺、どうすればいいのかわからなくて。」

 「……そっか、何か俺ら似てるかもな。」

 「え?」

 「俺も昔は一人でいることが多かったから、中学生から頑張って友達作って……一所懸命頑張って……」

 「……………」

 

 悠也の意外な過去まるで、自分と同じ人生を一緒に歩んできたように思えた。

 

 あぁ、人ってのはやっぱり不思議だな。家の中にいたんじゃ何も知ることはできないし、口に出して言わなきゃ何も伝わらない。あれ?今、何の季節だっけ?あぁでもここが窓の外の希望だったんだ。友人と誰かと一緒にいることが希望だったのかもしれない。

 

 「ありがとう、悠也。」

 

 

 
















 そのあと、歩は悠也と共に一から歩き始めた。

 

 「じゃあ。これって歩が全部書いたんだ!?」

 「あぁ、小学校からずっと書いていたんだ。」

 「じゃあ、応募したら?○×出版社とか?」

 「うーん、難しいな~。」


 普通に一歩 一歩ずつ。

 

 “それで歩。大学はどうするの?”

 “この成績だとT大学じゃないのか?”

 

 「どっちにしても政治学部とか、法律学部ならどこ」

 “ダメ!一流の大学よ!”

 “そうだ!学部よりも大学が問題よ!”

 

 「……(俺よりも外かよ?)」

 

 戸惑い困惑しながらも歩は前に進めない。 

 

 「へぇーじゃあどこに行くのか、迷ってるんだ。」

 「あぁ、親もうるさくて、大学よりも専門学校がいいなーと思って。」

 「ふーん、専門だとデザイン科とか?」

 「ヴーん?あ!悠也は?悠也はどこ行くんだ?それとも。」

 「いや、俺はM大学かT大学行く予定だ。」

 「え!?TとМ。どっちも受けるなんて。」

 「いやTを受けてからMにしようかななんて考えてるんだ。」

 

 「M大か。」

 「おう、歩はT大受けるんだろう?だったら。」

 「……俺もM大志望大学に入れておこうかな。」

 「……え!!?」

 

 

 最終進路相談日。

  

 “え?志望大学にm大も?”

 「はい。」

 “でも歩!”

 「すべり止めだよ。」

 “………そ、そう?”

 「あぁ。」

 

 

 

 「え、じゃあ。m大もt大も受けるのか?」

 「あぁ」

 「よっしゃー!t大がんばんぞー!」

 「……アハはは(本当  


 

   楽しい。彼といるととっても楽しい。

 

 

 それから、それから

 悠也とたくさん勉強して  大学受験日。

 寒いような暖かいような気候に恵まれて試験は順々に進んでいった。

 

 『えーとどう書こうかな?というよりも接続詞が多いような。ここは副詞か連体詞を」

 「歩ー!そろそろ帰ろうぜー。」

 「あぁ」

 「大変だなー。小説家も。」

 「全くまさかこの小説が新人賞をとれるとは思わなかったし……」:

 「で?、エッセイはどれぐらい進んだ?」

 「アハはは、少し詰まっててまだあんまり。」

 「だろうな、まぁ、あんまり無理すんなー市原先生。」

 「はーい!悠也様!」

 

 

 


 











 「俺はずっと窓の外の空を眺めていた」

 そう話すのは現役大学生・如月 歩 十九歳。

 今だ将来の事に興味がない男子大学生。

 

 それでも小さな光と共に友人・悠也と一緒に前へ前へと進んでいく。

 

 君と出逢えた。ただ、それだけで俺にとっても大切な大切な事。

 

 本当に    ありがとう。


 

短編で長い文章になりましたがお付き合いありがとうございました。

 次の短編長編作品お楽しみに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ