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大和で魅せるは撫子達 ~Micelles in Yamato Nadeshiko us~

「オールクリア」


「次に行くぞ!」


無人な部屋へと突入して安全を確認する。いないと分かればすぐさま次の部屋へと忍び足で壁沿いを進み、少し賑やかな部屋に辿り着く。

扉の側に二人を着かせて合図を送る


「海兵隊だ!手をあげろ!」


広々とした部屋に突入する。どうやら武器庫のようだ。すでに室内には何人かの騎士が装備を整えている途中で皆が無力な状態だ。制圧することぐらい簡単な作業だ


「な、なんだ!?」


「そこ、動くな!頭に風穴開けられたいか!」


狼狽え、動揺する騎士をホールドアップさせる。膝を屈させ、頭に手を置くように指示を与え、無力化させていった。


「全員で5人か。」


これでこの部屋にいたのは確保させた。しかしこのペースでは夜を迎え、撃退にも支障を致す。この船を沈めるのが我々第4艦隊の任務だ。少しでも有利な位置に立つために、この船の弱点を聞き出そうとする。


「おい、貴様。この船のバリアはどうやって解除する?」


ヘレン少佐の近くに偶々いた一人の騎士にこの軍艦の弱点を問う。

その騎士は自国では決して見られない銃の銃口を頭に付けられておもわず話してしまう。


「バ、バリアを解除するのは無理だ。だが・・・」


解除方法を否定したのち、一息吐いて話を続けた


「この艦の中心に火薬庫がある。それに引火すればこの船は沈むさ。」


なんと簡単に話してしまった。こいつに愛国心はないのか?と疑問に思った。たがこれはいい情報を手に入れた。


「そうか、利口な奴だ。殺せ。」


「お、おい!まてよ!」


突然の殺人宣言にこの男に加え後ろの男たちにも動揺が走る。信じられないという表情で命乞いしてきた。


「助けてくれるんじゃないのかよ!?この船の弱点を教えたんたぞ!」


「確かにな。だが私はお前達を助ける約束など結んでない。お前の勝手な解釈だ」


「ま、まて!まってく」


額に撃ち込まれた銃弾によって台詞は遮られる。その他の男たちも同じだ。必死の命乞いも彼女らの前では無意味な作法でしかない。

そもそもこれはドレークの命令だ。私掠船を保持していた彼女は略奪を好む。悪魔の名に等しい彼女は自分へ害をなした者を徹底的に潰し、奪うのが彼女の性分だ。そして愛するカオルへ危害を加えようとした罰でもある。


「次だ。」


冷徹な声で部下を引き連れる。ヘレンもそうだがその他の隊員も残酷で極わりない性格だとわかる。


なぜだか知らないがフリーデンの海軍は残虐性を兼ね備えた野蛮な奴等の集団だ。海軍というよりも海賊。その方が的確な表現だ。

なんでこうなったのだろうとはだはだ疑問に思うことが多々あった。でも今はそんなところではない。


「この船の火薬庫を目指す。敵は皆殺しだ。何かあったら連絡しろ、いいな。」


「「「はっ!」」」


「では行くぞ」


海兵隊内特殊作戦部隊『ガイオス部隊』はSWATのようなBDUに防弾と防刃対策を施したタクティカルベストにライオットシールド付きの防弾ヘルメットを装備して

いる。


武器はドットサイト、グリップ、レーザーサイト、フラッシュなどが装着されたストック折り畳み式の89式小銃とG18グロックを。

まさに室内戦に有利なセットだ。さらにありとあらゆる状況にも対応できる順応装備である。


「部隊を二つに分ける。アルファーは私に、ブラボーはジェイドに着いていけ」


ここで二手に別れる案を指示する。その方が効率的に火薬庫を探しだせる上に敵の殲滅にも適している。


「よし、行くぞ!」


ヘレンは別れ道である道を左側に曲がる。かえってジェイドは右側の通路だ。


反対側のブラボー隊が角に曲がって見えなくなる頃に対照して敵が次々とやって来た。サプレッサーを装着していないために発砲音は防げない。故に、バレたのだろう。


「撃て!」


ヘレンの一声を皮切りに7人の部下が火蓋を切る。

怒濤たる銃弾の弾幕は襲いかかる騎士たちを完膚なき者に代えていく。


「よし!」


アルファー隊は編隊を組み、奥のほうへと進んでいく。それに伴い、89式小銃の発砲音が艦内へと高々とこだましていった、




/※/



「はなてぇー!」


45口径46cm3連装砲塔『紫電』が砲門から轟音と衝撃を生み出し、艦内へ伝わっていく。

砲弾は弧を描くかのようにして小型軍艦へぶち当たり、倒壊させる破因となった。


「次弾装填!」


「了解!2時の方向に敵船3!右舷45、距離1200、砲角10!」


砲塔が左舷から右舷へと回転を始める。亀が歩くように緩やかなスピードだが敵を払うには充分な速さだ。


ドォン!ドォン!ドォン!


『紫電』が3連発の砲幕を繰り出す。

ほぼ水平に撃ち出された砲弾は全弾とも小型船を貫通して後方の船もろとも破壊した。

鉄船では不可能な芸当だが小型で木製の船と大型弾頭なら可能なことだ。ぽっかりと空いた穴には風が吹き込み、散々とした木片を吹き上げる。


「井上!部隊は?」


「今連絡しましたがまだ船内です」


船内に捜索させているガイオス部隊の安否を気遣う。敵の弱点を見つけ、あの大型軍艦を沈ませるのが最大の任務だ


「あの大型軍艦が沈めば我々の勝利は確実だ。それまで持ちこたえるぞ」


「はっ!」


「総員、全勢力で迎え撃つ!すべての砲門を開け!」


「了解!艦橋後部『桜花』を作動!『風雪』『火焔』『神威』もだ!全部の砲門構えろ!」


大和 改の後方に位置する45口径46cm3連装砲塔『桜花』は時雨と紫電の弾幕を脱け出した小型軍艦の追撃にかかる。両砲門に負けず劣らずの砲弾の雨は容赦なく小型軍艦へと襲いかかる。


さらに艦橋周囲にある60口径15,5cm3連装砲『風雪』、右舷と左舷に搭載されている45口径12,7cm連装高角砲『火焔』と25mm3連装機銃『神威』もベルグを撃ち落とすために火を吹く。


怒濤たる銃撃は空を滑空するベルグや戦艦を亡き者へと代えていく。あっという間に蜂の巣の変わり果ててしまった。


ドォン!


ガガガガガガガガガガガガガ!!


大和に搭載されている全ての兵器が一斉に刃を向けた。まさしく砲門のオンパレードだ。様々な発砲音が混じりあってオーケストラのような音楽を奏でている。



「こちらの砲門も全部開け!そうだ、全部だ!」


大和の砲門オンパレードに釣られたのか、イージス護衛艦もありとあらゆる砲門を構える。イージス艦もあの大和のような弾幕を魅せようとしてるのだ。


54口径127mm単装連射砲オート・メラーラと高性能20mm機関砲ファランクスに加えて、Mk41mod,6 VLSとハープーンSSM4連装発射機も参戦した。


VLSのハッチが開き、スタンダードSM―2が空行くベルグ目掛けて飛行する。ベルグの背に乗る騎士は突然追跡してくる謎の飛行物体に驚き、なんとか逃げきようとするがミサイルに勝てるわけもなく、爆死した。


ハープーンから放たれた中型対艦ミサイルは水面ギリギリを滑空し、敵軍艦の右舷で爆発を起こして火災を引き起こす。

あまりの強い熱気と火の手ですぐに木甲は焼けすだれ、高き火柱を歌舞するかのようだ。


大和 改とイージス艦は全ての砲門をもってして敵艦隊を潰していった。




/※/



「ぐわぁ!」


「ゴフッ!」


盾や槍を携えた重装備の騎士二人を射殺した。いくら重装備してもその鎧ではこの89式小銃の弾丸は防ぐことは出来ない。

黙々と進み、やがて船の中心部に到達した。


「ここが火薬庫か?」


「隊長、ここにC4を仕掛けましょう。例え一つでも爆薬に招じてこの艦は崩れるはずです。」


「それはいい考えだ。爆薬をセットする。お前らはここの見張り、後は中で爆薬をセットするぞ。」


「はっ!」


扉を開けると広々とした部屋に大量の樽が置かれていた。この中に火薬があるのだろう。それにしても凄い数だ。


「至るところに仕掛けろ。全部にに行き渡るようにな」


全員が銃の安全装置をオンにしてC4爆弾を仕掛けていく。樽が密集している部分にペタッと貼り、タイマーをセットする。タイマーは脱出時間も考えておよそ15分。



「終わったか?」


「はい」


少し時間はかかったが訓練のおかげで手慣れた作業ピッチだった。

あちこちに貼られたC4は爆発すればひとたまりもないだろう。そこから逃げるようにして部屋を離れていった。



/※/



「艦長!ガイオス部隊が艦から脱出しました!」


よし、全艦に伝えろ!暫く砲撃するなとな!


部隊が脱出したのを確認したドレークは砲撃を一時停止させる。これは部隊が乗るボートへ流れ弾が当たるのを防ぐためだ。

だが、砲撃を止めるということは相手に進行と攻撃のチャンスを与えたことになってしまう。いつ砲撃を食らい、被害が拡大するかわからない。頼みの綱はガイオス部隊の帰還だ。



「現在、部隊は帝国の領海を抜け、公国の領海へと入りました!」


ここでガイオス部隊が安全地帯に入ったという連絡が艦橋に届いた。これを待ってました!と言わんばかりな笑顔を見せたドレークはすぐに命を発する。


「よし、第1護衛艦は部隊の回収を!残りの艦はすぐに砲撃だ!」


「了解!」


部隊の回収を行っている第1イージス護衛艦以外の艦は先ほどと同様に全ての砲門が火を吹く。


54口径127mm単装連射砲オート・メラーラ、高性能20mm機関砲ファランクス、Mk41mod,6 VLS、ハープーンSSM4連装発射機、60口径15,5cm3連装砲『風雪』、45口径12,7cm連装高角砲『火焔』、20mm3連装機銃『神威』は小型軍艦とベルグの討伐を任された。


一斉射撃で小型軍艦は木っ端微塵に、ベルグは蜂の巣のような無惨な屍と化した。どれもこれも惨い物へと変わり果てる。



すると、大型軍艦が突如を爆発した。おそらくC4爆薬のおかげだろう。火薬に引火してビッグバンのような爆発は船の内部から破壊し、そこへ乗っていた人間もろとも吹き飛んだ。

船の大半は大破し、後は浸水がすべてを解決してくれる。そんな沈もうとしている大型軍艦を尻目に追い討ちがかけられた。


ドォン!ドォン!ドォン!


大和 改の45口径46cm3連装砲塔『紫電』『時雨』『桜花』の砲撃をプレゼントする。3連装の砲身が全部で9本。立て続けに9連射させた。


あのミサイルも防ぐバリアは内部からの爆発により、機能しなくなり、砲撃を許してしまった。


世界最大の砲塔とも云われた45口径46cm3連装砲塔の餌食となり、艦隊は乱れていった。





開戦からおよそ6時間。長らくの艦隊戦は苦しながらも戦ったフリーデン海軍が勝利したのだった。




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