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砂漠の激戦


公国と帝国のちょうど国境線に二つの軍勢。銀を強調する漆銀の鎧に見に包む帝国とデザードカラーの迷彩服を着飾って砂漠に潜めるフリーデンの兵士達だ。


「敵は誰一人いない。今のうちに前進だ!」


上手いようにカモフラージュされた兵士達が潜んでいるのも気づかずに行進するかのように前進し続ける帝国騎士。


「いいか、よく引き付けろ・・・」


先頭の帝国騎士らに向かって銃口を向けては上官の命令待ちをする。

武器はHK416にグリップやM203グレネードランチャーを装備して各所にはM2重機関銃やM249 MINIMIといった強力な重火器も用意されている。


「来るぞ!」


上官がそう叫ぶと空を切り裂く音とその数秒後に騎士の行進隊の中心で爆発が起こる。


「なんだ!?」


敵の将軍が狼狽え辺りをキョロキョロと見覚める。突然の火柱にほかの騎士も慌て初めて軍全体の編成も乱れつつある。


「この砲撃はどこからだ!」


将軍の疑問には誰も答えられずにその身体は火柱に包まれた。




/※/



「次弾、装填!」


「狙いよし!はなてぇ!」


とてつもない衝撃と轟音が辺りを埋め尽くす。

後衛の砲撃部隊は前衛の個別掃射部隊の援護と敵の主な主力の殲滅を図るためにM777での砲撃を続ける。


第一級の性能を持つ最新の超軽量野戦榴弾砲であるM777は155mm 口径の砲弾を砲撃可能とする榴弾砲だ。迅速な対応を要とする最前線では重宝され、最大発射速度は毎分5発という速さを打ち出す。しかもデジタル式弾道計算コンピュータが搭載され、砲の座標、発射角などを素早く算出し、即座に初弾発射を可能とする。


「まさに今回の砲撃の主翼となる兵器だ。」


「凄いなぁ」


「ええ、わざわざ時間をかけて持ってきた甲斐がありましたね。」


軽量化されてるとはいえ、これだけの砲門を持ってきたのは時間がかかった。一基ずつヘリで運んだからな。


「敵の様子は?」


「前衛の部隊に気づき、交戦中です。敵はあちらが多いため、苦戦しつつもあります。」


「よし、なら増援を送ろう。それとストライカーやHMMMVで負傷者の救出も。」


「はい。」


「あと、万が一に備えて爆撃機を待機させておこう。本部にそう伝えてくれ」


「了解しました。」


「さて、戦力は充分だ。あとは相手の出方次第だな」



/※/




「今だ!混乱してる奴等に弾丸をぶちこんでやれ!」


発泡の合図とともに一斉に銃口から火が吹き出す。

数々の銃器から放たれた無数の弾丸は先導している騎士達を亡き者と化していく。


「うわぁ!」


「どこだ!どこから攻撃を、ゴバァ!」


「助けてくれ!足が撃たれた!」


敵の居場所を掴めないまま、ただその儚い命を散り乱していく。

なかには身を低くして弾から逃れようとするがその直後に砲撃によって骨も残らない屍と化した者もいた。


「弾丸ゼロ!弾を持ってこい!」


「1時の方向に敵複数!」


「敵がこちらに気づいた!弾幕を途切らすな!」


何人かの敵が兵士達の居場所を見つけたのか白兵戦に持ち込もうとする。すでに息を葬ったり対策はしたが、それでもまだ生き残った騎士は仲間の仇をとろうと必死の形相で迫ってくる。


すると退屈なのか、ケリーはM249を手に取り土嚢から身体を覗かせる。


「おい!なにちんたらしてんだ!もう眼前まで来てるぞ!」


「しゃがんでください!敵から丸見えです!」


「もうバレてんだ!いまさら隠れてもしゃーないだろ!」


部下の言葉に耳を貸すことなくM249を乱射しまくる。

攻撃のチャンスかと思ったのか彼女に一太刀浴びせようと剣を携えて向かうが怒濤の銃撃によって蜂の巣にされる。


「おらぁ!もっと骨のある奴はいないかぁ!」


満足しきれてないのか、敵陣に向かって突撃する。


敵とはいくつかすれ違いながら乱射して、鬼人の如く狂乱し、奮闘する。


「女子一人になにやってる!数でカバーしろ!」


一人の騎士の台詞を皮切りにし十数人を越える騎士がケリーを囲む。これにはケリーも苦しいそうな顔を見せる。


「はははー!どうだ!貴様のような女になにができ」


『出来る』と発音する前にその口はグシャグシャに吹き飛ぶ。まるで内部から爆発したようなものだ。


その1秒後、どこからかタァーーン、という発砲音がきた。たしかあの方向は小高い砂山だったな。


「へへ、奴か。」




/※/




「・・・命中。」


「まったく、ケリー伍長には困ったもんですね。単騎で敵陣に入るとは」


「・・・でもあの性格だから」


呆れながらも愛銃のモシン・ナガンM28のボルトをコッキングして薬室へ新しい弾薬を装填する。そして狙いを定めて引き金を引く。


バスッ!


「おお~。見てください、敵の頭が吹き飛びましたよ」


「・・・アホ言ってないでさっさと観測して」


双眼鏡で覗きながら敵を見定める。すると、


タタタタタタタタタタッ


隣で断続的な発砲音が砂漠に響き渡る。

ベレー帽に白い羽根を着けてスコープを覗く赤毛のボーイッシュな少女。カルロスだ。


「そんな一発一発撃っても効率悪いよ。ここはこうしてM2で撃つのが一番だね!」


モシン・ナガンM28で狙撃するシモをからかうカルロス。M2重機関銃にスコープを着けて狙撃する離れ業を披露してる。


「君もそんな古い銃なんてやめて新しい武器でも使いなよ」


カルロスなりの気遣いなのか、新品に変えたほうがいいと指摘したのだろう。だがシモは自信の愛銃をバカにされたように聞こえたのだ


「・・・スコープ着けても当たったのはほんの数発。それじゃせっかくのスコープがもったいない」


「ははは。でもこっちのほうが連射できるし、再装填も少なくてすむな。」


「・・・そんなの無意味。どれだけ多く殺れるかが大切」


「へ~。ボクにケンカ売ってるの?」


「・・・やる気?」


同じスナイパーとして仲良くするべきなのに犬猿の仲といわんばかりに彼女らの間に火花が弾ける。


「待った!待った!ダメですよケンカは」


ミルフィが仲裁に入るが二人は頑として耳を貸さない。それどころが悪化してる。


「・・・ならどちらが功績をたてるか勝負。それで総督に誉めてもらう」


「ふふん。総督に誉めてもらうのはボクだ!」


「・・・貧乳には負けない。」


「君も貧乳だろ!」


「まあまあ、落ち着いて二人とも」


「「巨乳は黙れ」」


「隊長!バルテズの大群が!」


「・・・こうしちゃられない。すぐに勝敗を決する。」


「ボクにケンカを売ったことを後悔させてやる!」


互いに武器の引き金に指をかけて狙撃する。穏和な二人から黒いオーラが漂っていたのは後のミルフィの証言だった。




/※/




「バルテズか・・・」


バルテズはインドネシアのコモドドラゴンを巨大化

したかのような風格の竜だ。その大きさは軽自動車くらいだが毒の牙と火炎放射が得意で帝国の新たな戦力として今回投入された。


「ケリー伍長!ひとまず撤退を!あのバケモノには戦力不足かと!」


「だな、あたしのM249の弾薬も尽きたしな」


フリーデン初めての撤退。悔しさはいくらかあるが戦力的撤退ともいえる。


撤退するフリーデンらを見ては安堵と活気が溢れだす。


「見ろ!さすがの敵もバルテズには勝てばしない!今こそ好機だ!」


敵が逃げて行く様を高笑いしては味方の士気を上げる。それに釣られたか、騎士の顔にも交歓が見られ始める。


「進め!あの蛮族らにイーゲル神の裁きを!」


国教の熱心な信者なのか加護を信じて突き進む。仲間の遺体を避けて砂山を越えようとすると奇妙な金属音がした。


「なんだ!?」


するとその小高い砂山から鉄の塊、戦車が横一列になって土砂を掻き分けていく。

10式戦車、M1A2、ストライカーなど重戦車が砂ほこりをあげてキューポラの機銃を撃ちまくる


「て、撤退だ!撤退しろ!」


先程の有利な戦況はどうなったのか、帝国軍は尻尾を巻いて逃げていく。しかし、それを許さんとばかりに砲撃、機銃乱射して追い討ちをかけていく。


「逃がすな!我々の底力を見せてやれ!」


バルテズで応戦するものもいるが特殊な装甲に毒の牙も火炎放射も効かずにキャタピラの下敷きとなるか、砲弾で無惨に風穴を空けられるだけだった。


そこから1時間後。第一帝国軍は壊滅的な損害を負い、一日目はフリーデンの圧勝となった。



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