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本部案内

「またか!貴様らは何をしている!」


「ですが旦那、失敗したのはあいつらな訳で・・・」


グランジ帝国で二人の男の討論が交わる。片側は国王のバグラム、もう片側はヤタガラス筆頭のアラン。先月の女王暗殺も失敗とされ、全滅。これでは帝国最強の暗殺組織の面目が潰れるだけだ。


「やはり、小細工は無理か。なら武力でものを云わせるだけだ」


「ならいい奴等がいる。俺が・・・」


「貴様らなどもう知らぬ!さっさと失せろ!」


「・・・はい」


バグラムに言われるがままに退室する。

退室するなり壁に拳を打ち付ける。


「くそ!あのジジイ俺を何様だと思ってるんだ!」


鬱憤をはらすかのように愚痴をこぼす。先程までのヘラヘラした表情は消え失せ、怒りを露にしている。


「見てろ・・・てめぇなんて頼らなくとも俺があの公国を潰してやるぜ。へへへへへ」



/※/



「カオル様、まだ来ませんか?」


「もうすぐだと、思うんだがな」


王城から数百メートル離れた小高い丘で女王、セニア、ラファール、その他の騎士達とともにあるものを待っている。


「私楽しみです!空を飛べるなんて!」


「ラファールも驚くぞ。私が初めて乗ったときはおもわず驚いたほどだ。」


「へぇ~。そんなにすごいんですか?」


「ああ、もちろんだ。私が保証しよう」


「噂をすれば来たぞ」


ババババと断続音が徐々に大きくなっていく。音のする方をみればこの世界の人間には変わった形の存在が飛んでいる。


「あれはなんだ!?」


騎士達が騒ぎだし、女王とラファールも驚いてる。唯一、あの機に乗ったことのあるセニアは待ちわびていたかのうにハキハキとしていた。


その機、V―22オスプレイはローター部分を上向きにしてゆっくりと下降して着地する。


「これで俺らの基地まで行くぞ。」


「陛下、足元にお気をつけを」


え、ええ


俺と武蔵、セニア以外はポカーンと口を開けて呆然としている。こんなキテレツな存在はやはり珍しいのだろう。



/※/



「すごいです!ほんとに空を飛べるなんて!」


機内にラファールの興奮した声がこだまする。オスプレイに乗って目指すはフリーデン基地ではなくその先の海。広く波もない穏やかな海面の大海原だ。


「こんな乗り物があるとは・・・」


「総督、まもなく『エンタープライズ』につく頃かと」


「わかった。そろそろ見えてくるぞ」


機内の窓ガラスを覗けばとてつもない大きさの船が見えてくる。いや、空母というべきか。


波乗りように波を進んで行くはニミッツ級航空母艦『エンタープライズ』。オスプレイやF/A―18Eスーパーホーネットを運搬し主に海上での戦闘時の支援を担当している。


「さて、降りるぞ」


「お、降りるって、あの船にですか?」


「そうだ。そもそもそのために作られたんだからな」


ゆっくりと甲板上に合わせて降下していく。やがて軽い衝撃を受けてドアを開け、出ると敬礼される。


「お待ちしていました。総督閣下、女王陛下。本艦長のイリスです。」


「よ、よろしくイリスさん。」


相変わらずぎこちないアリアとラファール。さすがに緊張し過ぎるのでは?と思うほどだ。


「この船はどれくらいの大きさなのですか?」


本艦は排水量90,000トン以上、全長336メートル、全幅76メートル、最大速力は33,6ノット、乗員は4600人、搭載機数は84機。改良を加えたおかげで現在の装備で数ヶ月は籠城出来ます


「・・・」


アゴが外れたかのようにポカーンと開口している。よほど仰天したのだろう。セニア以外は皆心ここにあらずという状態だ。


「すごい・・・」


思わずといった風に言葉を溢す。


それからは船内を案内してたり、海兵隊の訓練を所見させたりしてアリア達を驚かせてばかりだった。こうして一時間ほどのエンタープライズ案内は終わった。



/※/



「今度はここですか!?」


ラファールが驚きを隠すことのない驚顔を見せる。エンタープライズから次に向かったのはここ、フリーデン基地。東京ドーム数十個分の広さを誇る我が母国は今まさに演習訓練中の真っ最中だ。


「すごい広さですね」


「ええ、おまけにあの乗り物は・・・」


「あれは俺らの主翼兵器だ。右から10式戦車、M1A2だ。あの車はHMMMVだ。どれも遠征などにも使われる。」


「あれが噂の戦車という乗り物ですか」


どうやら戦車のことはどこかで耳にしていたのだろう。

今やってる訓練は砲撃訓練だ。100メートル先の的目掛けて次々と砲撃する。100メートル先の的は周りの土を払い大きなクレーターという爪痕を残していく。さらにキューポラのM2重機関銃もベルトマガジンを勢いよく吸い込んでは弾丸を連発する。訓練とは思えないほどのスケールだ。こんなや富士演習でも見ることのない絶景だ。


「あれは鉄を覆って動いてるのですか?」


「まあ・・・そういうことだ。」


矢継ぎな質問に順序よく答えていく。好奇心旺盛なのか目に留まる兵器のことを一つ一つ疑問を持っては質問をぶつけていく。


それから向かったのはフリーデン基地本部。要塞でもあり司令塔でもある本部はいくつもの重装備の兵士や機関銃を兼ね備えている。

門扉を潜れば最新のシステムがお出迎えだ。


「なっ!こんなにも明るいのですか!」


そりゃLEDだからな。

本部は主に作戦の指示を出す司令塔で兵舎とも渡り廊下ど繋がっているために緊急時でもすぐ準備に取りかかれる。


そしてフリーデンの最深部ともいえる指令室では数々の高度なコンピューターや大型のスクリーンなど、世界大戦にも通ずるハイテク機器が盛りだくさんだ。


「・・・」


LEDの時点で驚いてるのにこんな物を見せられたらやっぱりポカーンとしている。セニアは初見なのだがすでに高度な存在を見てきて耐性がついたのか焦りさえ見られない。


「つ、次はこちらです・・・」


呆然としているまま兵士に連れられ本部内を案内してもらうのであった。




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