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待ち遠しい

作者: あさなか


夏の暑さは寂しさを助長する。

じりじりと無遠慮に肌を焼かれるために、別の温かさを求められなくなるからだ。


冬はいい。

吐く息が白く濁るのもいい。

顔や指先がやたらと冷たくなるのもいい。

何よりマフラーに顔を埋め、ジャケットのポケットに手を突っ込んで歩くのがいい。

体を覆われて、寂しさを拭えるような寒い冬の日の温かさが私は好きなのだ。


きっと私は寂しがり屋なのだ。

人肌が恋しくなるように、私は身を守る温かさを求める。

だから夏は厚かましい熱が襲うので好きではない。

もう少し遠慮というか、慎ましさを覚えて欲しいものだ。


そうしてこれから秋が来る。

秋は程度を知っている。

けれど私の寂しさを拭ってはくれない。

ただただ、待ち焦がれる哀愁を引き寄せる。


私は寂しがり屋なのである。

一年はあまりに長い。

春が希望とともに招いた別れによって訪れた日々を過ごすのもあともう少し。

ようやく、温かい冬がやってくる。



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