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タマちゃん育成記  作者: イムルマ
第1章 新生活開始です。
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5/18

9日目~ 家の改築、始めました。

8/14 初投稿

8/16 スキル1個付け加え

【9日目】


 最初に言っておく。大きな変化はありませんでした!


 ――というか、こんな洞窟に侵入者が立て続けに入ってきたほうがおかしいんだ!

 そんな事、そうそうあってたまるかっ!


 ・


 昨夜出かけて行った二人は、明け方前に戻ってきた。

 まぁそれはいいんだけど……。


 ――アオさん。あんたが持っているのは一体ナニ?


 持っていたのは、彼女の掌よりも大きなクモと白いアリ。

 仮にも女の子でしょ! 頼むから平然と持たないで!

 

 というか、ナニいい笑顔になってこっちに迫ってきてるの!?


 えっとホネさん!? 木材持ってないで助けて! ――え、これ魔物なの? もしかして――


 ・


 ……初めてだったのにぃ……アオちゃんに汚されたよぉ……


 殴られました。しかも二人に。

酷くない? 蟲を無理やり人に押し付けて来たのに――

 それに、器物だから痛くないと思ってるだろ!? そんなことないぞ!

 殴られる度に結構な痛みを感じている。おそらく最初この二人に引っ張られた時に生じた痛みと同じ理由だろう。殴られるたびに本体が動いていると認識されてしまっていて、痛みが発生している。

ちなみにその根本的な原因は『移動不可』のスキル。本当にスキルというより呪いだよな、これ。まぁホネさんの話だと、役に立つ技能系以外にも、呪いや負担になるようなものもスキルに登録されるらしい。

 

 それはともかく――

 とりあえず押し付けられた魔物は『魔物捕食』しました。感覚はないのだが、気持ちいいものじゃないな……。というか、人が死ぬ光景にそんなにショックを受けてなかったのに、蟲を食うことに忌避感がものすごく強いというのはどうゆうことなんだろう。もっとも、その忌避感も一体目を捕食したら次はそこまで感じなかったけど。自棄になったともいう。

捕食後に、【ゴブリン】を捕食してMPが成長したと聞いたらか、お土産にしてみた、とアオちゃんに満面の笑顔で言われました。その笑顔に裏があるように感じるのはオレの気のせいでしょうか?


 ちなみに今回捕食した魔物は、クモがそのまんま【大蜘蛛】、白いアリは【土喰い】と言うらしい。

 【大蜘蛛】は魔物ではあるが、人を襲うような魔物ではないらしい。その見た目から街とかでは嫌われているが、害虫や時にはネズミも捕食する為、村では益虫としており、村中で見つけたとしても駆除はしないらしい。

 【土喰い】は見た目のとおりのアリ――むしろ白アリだが――の魔物で、基本地面に巣を作るらしい。普通のアリと異なり、一つの巣に30体程しか生息しないらしい。ただし畑に巣が出来た際には最悪その畑がダメになるほど根をを荒らし、また地面だけでなく岩に穴を開け巣を作成することもあるらしく防壁が喰われてボロボロになったという話もあるらしい。


 以上、ホネさんからの情報でした!

 しっかし色々と詳しいね、ホネさん。趣味が読書と言っていたのはダテじゃないよ。


 ――で、お二人は何やってるの?


 蟲を無理やり食わされ黄昏ていた間に、二人は何やら始めていた。

 ホネさんは小さなナイフで木材の皮を削り、アオちゃんは発生した削りカスを集め、壁の一角、立ち上がりに生じている四角い穴に入れていってる。

 結構な大きさなのだが、今まで気が付かなかった。

 

 何をしているのか――聞いてみたら、ある意味本当に必要なことをしていた。


 食欲がなく、睡眠欲も感じない。夜には外に出ることができるが、昼間はできて二人で試合をする程度。それもずっとしていることはできないので、他に何かやること――つまりは趣味を作っていく、とのことだ。

 ちなみに壁の穴は暖炉らしい。スキルもあるし、オレ(本体)も淡い光を発しているから特に必要はないけども、使えるかの確認も兼ねて点けてみるらしい。


 どうやら、アンデットにありがちな火に対する忌避感はないらしい――


 二人は削りカスと火打石を使い素早く火種を作り、手際良く組んだ薪に火を移す。いつぶりかは分からないが、暖炉は再びその仕事をさせた。排気も問題はないらしく、煙が書斎に充満することはないみたいだ。


 ・


 暖炉点灯後、二人はまた何やら作業を始めた。

 それを眺めていているが、手持ち無沙汰感がハンパない。今更ながら、身動きが取れず『眼』を飛ばす程度しかできないのが恨めしい。はぁ~。




【10日目】


 書斎に関しては精々六畳間位の広さ。大して広い訳ではないのだが、二人がいないだけなのに、物凄く広くなったような気がする。


 ちなみに二人に何かがあったわけではなく、夜中のデートに出かけているだけ。


 ……また蟲を土産と称して持ってくるのだろうか……?


 何となく、食べさせられた【大蜘蛛】と【土喰い】の姿が鮮明に浮かんでくる。


 ――ん?


 今、何かが引っかかった。えっと……


 ――【大蜘蛛】と【土喰い】の鮮明な姿を単体で思い出させる。

 ――昨日捕食した二体は始終アオちゃんが持っていた。

 ――【大蜘蛛】と【土喰い】の全体像は見ていない。見れるはずがない。

 ――それなのに全体像が……

 ――試してみたら、【ゴブリン】も鮮明に見えた。

 ――ホネさんとアオちゃんの姿は思い出せるが、捕食したモノとは違うように感じる。

 ――つまりは、捕食した魔物のデータはオレに保管されている?

 ――データが保管されるということは、出すこともできる?

 ――そういえば、ファンタジーのダンジョンの多くに核となる宝玉があることが多い。

 ――そんなダンジョンに生息するモンスターは、自然に住み着くかダンジョンの核から生み出される。

 ――この世界もファンタジー。

 ――核となる宝玉……

 ――どう考えてもオレ。

 ――つまりは……


 結論。オレは捕食した魔物を生み出すことができる! ――かもしれない。


 そうと分かれば、やってみよう! そうしよう!


 まずは生み出す魔物。危険度は低いほうがいい。

 となると、【ゴブリン】よりかは【大蜘蛛】か【土喰い】――蟻かな。

 

 ――ど・ち・ら・に・し・よ・う・か……なっと、よし! クモにしておこう!

 どちらでも良かったけど、なんとなく。単体で生活しているイメージと、集団のイメージの差があったのかもしれない。あと人を襲わないというのも。


 けどどうしたらいいのだろうか?


 ・

 

 ダメで元々! 色々とやってやる!


 真っ先に思い浮かぶ方法が、ホネさん、アオちゃんにやった方法。

 思い浮かぶ【大蜘蛛】の姿。そこにMPを注ぎ込む!

 どれくらい必要なのか分からないし、MPを扱う感覚もイマイチ分からないが……


 ――ヨシ!


 何が? と、どこか冷めた部分がツッこんできた。

 理由は不明だが、何故かテンションが跳ね上がっていたらしい。


 若干の疲労感を感じたので、MPを流し込むのを止める。


 少し待って……変化はない――


 そう思った瞬間、オレ(本体)から光の珠が飛び出てきた。大きさはハンドボール程。

 ゆっくりと地面に降り、徐々に姿を変えていく。

 そして直ぐに、クモの姿――【大蜘蛛】になった!


 ――おお!

 思いつきでやったのに、出来た!

 ノリで結構できるものだな~

 もしかしたら最後に未表示のまま残っていたスキルがこれだったのかも?

 確認しておこ……

 

――――・――――・――――・――――・――――・――――・――――・


Name:タマ

Class:???

   Lv:12

   MP:75/110 

Skill:『移動不可』『自己能力確認』『視界飛翔』『暗視能力』

      『生命体把握』『脳内迷宮地図作成』『魔物捕食』

      『理不尽な搾取』『生命吸収』『穢れた復活』『魔力吸収』

      『念話(特殊)』『友軍能力把握』『????』

      New『魔物図鑑』『魔物再誕』

     

――――・――――・――――・――――・――――・――――・――――・


 どうやら未表示のものじゃなかったみたいだ。

 今回の新しいスキル二個は魔物が鮮明に思い浮かべれたことと、魔物を生み出せたことで生じたんだろう。名前がそのまんまだし。

 でも、ホントノリと勢いでなんとでもなるもんだ。

 

 足元? では生まれたばかりの【大蜘蛛】がジッとしている。

 『駒』はきちんと表示されている。『ステータス』も確認、確認、と。


――――・――――・――――・――――・――――・――――・――――・


Name:???

Class:【大蜘蛛】

   Lv:1

   MP:20/20

Skill:『魔糸生成』

     

――――・――――・――――・――――・――――・――――・――――・


 ――とりあえず、戻ってきたら二人に教えよ~

 驚くだろうなぁ~


 ・

 ・

 ・

 

 殴られました。

 

 毎度ながら酷くない!?


 今回殴ってきたのはホネさんだけ。アホか、と叫びながら何度も殴ってきたので、何発目かのあとにようやくアオちゃんが止めてくれた。

 痛かった。痛かったけど、ホネさんはまだ殴りたらなそうにしている。

 何でだよ?

 ちなみにアオちゃんも何でホネさんがここまで荒れるのか分からないらしい。

 

 ・

 ・

 ・

 

 ――納得しました。


 落ち着いたホネさんが理由を説明してくれた。


 まず第一に。ファンタジーの定番と思っていたダンジョンの核。よくある設定だし、当然あるものと思っていた。

 ――無いそうです!

 少なくともホネさんは聞いたこともないとのこと。

 しかも、生み出された【大蜘蛛】は俺の言うことを聞いている。いや、なんだか面白くて、二人が戻ってきたとき、右、左、おまわり、とかやってたもので……

普通なら知性等がなくて命令を聞くはずのない【大蜘蛛】が命令を聞いている。やってはいないが、他の魔物も生み出したものならそうだろう。つまりはやろうと思えば様々な魔物の混在軍が作成可能ということ。

 

 この洞窟があるアルグフルの森はリグレリシア王国の外れに存在している。周辺国との戦争は現在行われていないが、強力な戦力になりうるものを放っておくはずがない。また、周辺各国がこのことを知ったら何を置いても手に入れようとするだろう。

 つまりは、オレの存在が知られてしまったら、国の騎士団が攻めてきて――良くて魔物発生装置化。次点で調べ尽くされて量産化。最悪問答無用で破壊される可能性もある。しかもこれはあくまでオレだけであって、ホネさんとアオちゃん――低級の魔物に過ぎない二人は問答無用で――となるだろうとのこと。


 ――マズイじゃん!


 だからそう言っているだろうが! と、もう一撃いただきました。


 ドギツイツッコミがデフォと化してきている気がするが、今はそれを置いておくとして――

 マジでどうしよう――?

 

 


【11日目】


 ――疲れた……


 色々試したりとかした、とかあるけどMPを一桁になるまで使うのは本当に疲れる。

 ちなみにMPを使い切ってしまうと最悪死んでしまうこともあるのだとか。前に二人を蘇生? する時なんとなく使い切らなかったのは大正解だったらしい――下手したらあの時点で人生終わってたかもしれなかったのか……危なかった。

 

 それはともかく。

 色々試してみて分かった事は、まず最初に生み出した【大蜘蛛】――情が写ったので名前を付けました。クモなのでクーちゃん。二人からは微妙な目で見られたけど、いいんだ! 命名はこの路線で行くんだ! ――は、通常の【大蜘蛛】よりもかなり強くなっていた。

 『ステータス』を見ながらやってみたら、【大蜘蛛】はMP2で生み出せた。――ちなみにクーちゃんは35ポイント使用――

 実際に新しく生み出した【大蜘蛛】とクーちゃんと戦わせてみたら、ほぼ瞬殺に近い形で終わった。

どうやら込めるMPの量に比例して強くなるみたいだ。


 ――それはそうと……同族喰いはやっていいのか? クーちゃん……。

 いや、美味そうに喰ってるからいいんだけどね……、うん。

 

 話を戻して。次に本日も昨日と同じ獲物をお土産として持って帰ってくれたが、捕食してもMPは成長しなかった。どうやら、成長するのはモンスター一種につき一回のみらしい。ついでに生み出した魔物でも試してみたが、こちらは捕食自体出来なかった。


 あとは『魔物再誕』で生み出した魔物は基本オレの命令に従うのは間違いないらしい。蟲でしかためしてないから断言しきれないけど。


 そしてそれらが分かったところで、今後の方針も話し合った。

 まずは、侵入者対策としてホネさんとアオちゃんのレベル上げ。

 侵入者対策に魔物数を増やす、というのも検討したが食料の問題もあるし、【ゴブリン】の群れは冒険者を呼び寄せる原因となるので却下となった。


 次に洞窟の複雑化。今のほぼ一本道――分岐はあるけどすぐに合流――では守りきれない可能性が高い為、拡張するし、間違ったルートに誘導するようにする。オレが移動する、という手段が取れないための苦肉の策だが――

 完成するまで入口を塞ごうかとも考えたが、レベルアップに支障をきたすため、そのままにすることにした。書斎への小道も見にくい――二人が見つけることができたのは、本当に偶然――為、洞窟拡張が済むまでは自然な洞窟を呈しておくことにした。


 最後にオレ。万が一侵入者に書斎までたどり着かれたら、問答無用で『生命吸収』――二人を殺したスキル――と『穢れた復活』――二人をアンデットとして蘇らせたスキル――を使用するようにする。

 ――けっこうエグいコンボだよね……何気に。


 ・


 方針が決定したことで、まずは洞窟の拡張設計。まぁほぼホネさんの独壇場で幕を閉じたのだが。

 次に拡張するための道具を準備。普通ならホネさんとアオちゃんで掘るしかないのだが――運がいいのか悪いのか。

【土喰い】という穴を掘る魔物は既に登録済み。生み出すのに最低限必要なMPは【大蜘蛛】と同じだった為、限界ギリギリ――MPもだいぶ回復していた為、52体生み出した。ホネさんとアオちゃんの指示に従うようにも命令した。


そして最初に戻る。

ある程度したら回復するのだろうが、一気にMPを消費したときの疲労感はかなりのものがある。

生み出した【土喰い】はホネさんとアオちゃんそれぞれの指示の下、洞窟拡張に勤しんでいる。

うん。『マップ』に青い『駒』が多数蠢いている。


取り敢えず今日はこれまで。

回復したらしばらくは【土喰い】を生み出し続けるように言われているし、回復に努めよう。そうしよう!

 


今回少し短めですが、キリが良かったのでこれで投稿いたします。


と、いうわけでダンジョンの拡張始めました。最初はスキルで――とも思ったのですが、消費MPとかの問題や、直ぐに拡張が終わるということもあり、本文のような方法に落ち着きました。まぁ今後拡張用のスキルも出すかもしれません。


あと、考えてなんですが、お宝発見 → 触れたら死亡 → アンデットとして復活し守り手に。 思った以上にエグい手になってしまったの思うのは気のせいでしょうか? 気のせいだといいなあ……


それでは、これで。本文の一日分を書き終えるのに数日かかってしまう程の遅筆ですが、次回12日目~ もよろしくお願いいたします。

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