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タマちゃん育成記  作者: イムルマ
第1章 新生活開始です。
3/18

6日目~ 異世界でのお友達のつくり方?

8/10 初投稿

8/11 スキルに追加

8/15 一部変更

【6日目】


 とりあえず――おはようございます。


 どうやらあの後、疲労に任せてそのまま力尽きていたらしい。

 ――で、現状は――ものすごく悪化していた。


 女のほうは変化無し。女、女と呼んでいたが、女の子と呼んだ方が良さそうだ、な。濃い茶色の髪をショートカットにした、女の子。昨日は気が動転していたらしく良く見ていなかったらしい。寝顔だけだが、キレイ――といより、カワイイという表現があう容姿をしている。

一方問題は男の方。こっちは――骨。骸骨。それ以外に表現のしようがない状態になっていた。背中から倒れたから、頭が一番遠くにあるが、その頭蓋骨の目のあった場所――眼窩――には闇のみが存在している。肉体で支えられていた鎧――そして服は、その支えが無くなり、力なく広がっている。そしてそんな隙間から除く白い骨――


 いや、まぁ、魔力注入は勢いでやったようなものだから仕方がないのかもしれないが……どうしてこうなった? 悩んでいても仕方がないことなんだろうけど、なんだろうこの気分。めちゃくちゃ後味が悪い。

 

 そういえば何でオレ、眼窩なんて言葉知ってるんだ?

 まぁ学校で雑学知識披露が何故か頻繁にされてたし――その影響か? 分からん。

 

 考えていても仕方がないのでそれは横に置いておくとして……あれ?

 何げに常時開いている『マップ』に反応してないか? 目の前の二人?

 しかもいままで『駒』は赤一色だったのに、今は青になっている。

 死体だから――ではないだろう。上のゴブリン(仮)の亡骸には反応してないし。

 

 じゃあ何で――って今、動いたような……骨が。

 

 ……気のせい……気のせいだよな……

 骨が動くなんてそんなホラーなこと……

 よくホラーではいきなり頭蓋骨の歯が音を立て始めるとかがあるけど――


 ――――――――――――――――っ!


 ――目……が……


 さっきまで闇のみが存在していたはずの、頭蓋骨の眼窩に突然。本当に突然――目が現れた! こう、なんていうか、いきなり眼窩の闇の表面が裂け、目――瞳の部位のみが――ギョロッと現れた! しかも怪しい赤い光を発してるし! こっちを見下すかのような感じで睨みつけてくるし。


 いきなりすぎてビビったわっ! というか怖えぇよ!

 

 マジでビビってたらしく、反射的に『眼』を一番離れた壁際――扉の反対側――に飛ばしていた。

 ないはずの心臓がバクバクいってる気が……イヤ、ないんだけどね、何となく今の心情から、そんな気が……


 そんなオレの反応を無視――気付いていないだけだろうが――して、骸骨は自然な動きで上半身を起こした。


 ――さっき動いたように見えたのは、気のせいじゃなかったのか……


 骸骨は上半身を起こして――そこで止まった。

 理由は不明だが――何となく目が覚めたばかりで完全覚醒してないだけのように見えるのは気のせいだろうか?


 いや、でも――そんなこと関係なしに、怖いんですけど、マジで。


 見えてはいないんだろうけど……こちとら数日前まではどこにでもいる一般ピープルだったんだぞ! 幽霊相手に剣振り回したり、呪文唱えたりなんてしてなかったんだ! 


 いきなり動き出す骨を前にしてみろ! 今みたいな悲鳴――悲鳴?


 あ……女の子もいつの間にやら目を覚ましていた。そして怯えていた。

 無理もない。目を覚ましたら、目の前には動く骨。むしろ怯えない方がどうかしている。


 立ち上がれないままゆっくりと後退し――周りを見渡したかと思うとバッと立ち上がり、勢いよく部屋を出て行った。

 

 ……すごいな……

 逃げるタイミング等を測っていたみたいだ。こっちは無い腰が抜けそうな状態なのに。

 言ってて情けなるが……


 ……って、ちょっと待って! と、いうことは、だ。オレはこのままこの骨と一緒のスペースにいることになるってことだ! それはイヤだ!


 よし、あの子を追いかけよう!


 居場所は『マップ』に表示されているから大丈夫! 骨と本体とが一緒になってしまうが――大丈夫だ! 多分!

むしろこのまま書斎に居続けた方が精神的に悪すぎる。


 後での回想時にそう無理矢理理由を後付けし、オレは彼女を追いかけた――できるだけ骨に近づかないよう、壁際を通って――


 ・

 ・

 ・

 

 彼女が飛び出てから少し経ってから追いかけたが、小部屋から入口に繋がる通路で後ろ姿を捉えることができた。

 暗闇の中にも関わらず彼女の移動スピードは早かったが、下の書斎と違ってゴツゴツとした悪路。移動に関しては飛翔しているオレの方に分があったみたいだ――追いついたところで見てることしかできないけどな……


 そうこうしているうちに――もともと大して長いわけでもないが――入口が見えてきた。日光が差し込んでいる。

 『暗視能力』で洞窟内をくっきりと見ることができているが、陽の差し込んでいる箇所、いない箇所も問題なく見える。

 追いかけてきたが――彼女が外に出て、終わり……か。

 

 そう思った。しかし、彼女は、陽の光を前に停止した。

 後ろ姿だけだが、怯えているように見える。必死に、何やら震えながら手を伸ばしているが、陽の差す場所には触れられないでいる。

 

 どういうことだ?


 何故このまま出て行かないのか――さっぱり分からない。分からない――が、どうすることもできない。


 っと、マップを見てみると後ろから骨――もう彼でいいや――が近づいてきている反応があった。さっきは上半身だけだったが、問題なく歩けるらしい。

 見つかることは無いのだろうけど――何となく天井ギリギリまで――ちなみにこの洞窟、書斎へ通じる小道以外通路は2.5m、部屋へ3m位とかなりの高さがある――高度を上げた。


 そしてすぐに彼もこの通路へとやってきた。

 身につけていたはずの服のうち、ズボンは脱げてしまっており、骨の足を晒している。おそらく立ち上がった瞬間に脱げたのだろう。シャツと鎧のみが何とか体に乗っている。そんな格好だ。そして手にはゴブリン(仮)を狩るのに使用していた剣を持っている。


 そして目視範囲まで来たが、彼は彼女から距離をおいて停止した。

 表情は――分からない。骨だけだし、唯一見える目からも感情は読めなかった。


 ――最初はビビったけど……覚悟を決めて距離を置いたら大丈夫みたいだな。


 ・

 ・

 ・

 

 その後、大きな進展は特になかった。

 

 彼女はそのまま陽の光が指す箇所で固まり――しばらく経ってから振り返った。

 始めてその表情が見えたが、恐怖と諦めの色がありありと浮かんでいた。そして振り返ったことで彼女は彼が傍まで来ていたことに気がついたようだ。

 表情が大きく変わることなく、怯えた表情のまま硬直した。


 そんな彼女の姿を見てか、彼はもと来た道を戻って行った。

 その姿に、彼女はその場で崩れ込んだ。恐怖が緩んだ安心感からか、腰が抜けた――そんな感じだ。その瞳には様々な感情と共に涙が浮かんでいた―― 

 

 ・

 ・

 ・

 

 どれくらい時間が経過しただろうか?

 崩れ落ちていた彼女も立ち上がれるまで回復し――恐怖、諦め、羨望――そんな複雑な表情を浮かべて入口に一瞬振り返った。そしてそのまま怪しい足取りで洞窟の奥へと入っていった。そんな状態のためか、顔色も先ほど――振り返った時からものすごく悪い。

 それでもゆっくりとコケることもなく、ゴブリン(仮)の死骸の残る通路、小部屋を抜けて、がらんどうとした大部屋へ。

 そこで彼女は壁際に座り込み、膝を抱えてしまった。

 ここからは見えないが、奥の小道に骨の彼がいる反応がある。そして大部屋前にオレ――


 えっと……滅茶苦茶空気重いんですが! ど~すればいい!?




【7日目】


 今更なのかもしれないが、この体。当然といえば当然だが、食欲や睡眠欲は感じない。

 そしてそれは彼らも同じなのかもしれない。


 ――どうしてそんな事を言うのかって?


 それは――あれから自体が変化しないからだ!

 ホントどうする? この空気!


 解消する手立てが一切ない!

 時間もこの重い空気にアテられたためか、どれくらい経過したか分からなくなっている! 日数経過も結構適当になってきてるような……


 無視して本体に戻っても、状況に変化はないだろう。


 何か状況を打破するものがないか……? ないよなぁ……


 ・

 ・

 ・

 

 状況打破キタ――――ッ!


 『マップ』に反応がありました! 入口に三つの反応が現れた!


 タイミング良すぎ? ご都合主義? そんなの関係ぇねえぇ! この空気にさらされ続けてるのが解決するんだ! ご都合主義ありがとう!


 ここから離れる口実もできた! ――誰に対する? 

 ツッコミが入った気がするが、気にしない! よし! 見に行こう、そうしよう!


 ・

 ・

 ・

 

 入口付近では、三人の男女が、残ったままになっているゴブリン(仮)の死骸を確認していた。

 男二人に女一人。金属製の鎧に幅の広い剣を背負った筋肉隆々の巨漢に、革のジャケットと軽装な格好をした妖艶な女、そしてローブ姿の優男。

 

 来たけどやる事ないです。というか、優男がこっちを睨んだような……? 気のせい……とは思うが、何やら寒気を感じてしまった。

 

 その瞬間、本体――書斎に戻っていた。

 おそらく、寒気を感じてしまった瞬間、反射的に念じてしまったらしい。

 

 ――なんだったんだ? 今の寒気?


 ゴブリン(仮)には気づかれなかったが、もしかしたら人間には見えるのかも? ――いや、それなら残りの二人はこっちに一切反応しなかった。

 どうなってるんだ?


 分からないが――どうやら向こうでは動きがあったみたいだ。

 『駒』からして、新しく入ってきた人達――面倒なので次からは侵入者――と女の子が接触したみたいだ。

 骨の彼はまだ小道にいるみたいだが。


 とりあえず、見に行ってみよ。  


 ・

 ・

 ・

 

 何度目になるかもう分からないけど……


 どうしてこうなった? というかどうゆう事態だ?


 とりあえず目の前の状況を報告すると――


 女の子に斬りかかる筋肉隆々の巨漢。剣が振り下ろされるその瞬間! 骨の彼が横から、剣を持つその腕を叩き切っていた!

 

 誰もが驚愕の反応を示す中、彼はそのまま返す剣を金属鎧の側面に突き刺した。鎧の固定用の革ベルトを突き抜けていくのが何故かよく見えた――


 剣を抜くとともに血を撒き散らしながら倒れる男。

 その光景が信じられないのだろう。驚愕の表情のまま固まってしまった侵入者の女に、骨の彼は間髪いれずに斬りかかる! 傍目から見ていても疾いその一撃に反応することはできずに、彼女は袈裟斬りにされ、倒れ込んだ。

 

 残るはローブ姿の優男一人!

 

 女が倒れた瞬間。腕を突き出すと共に何やら叫んだかと思うと、優男の前に巨大な火の玉が現れた。


 魔法!?


 現れた火の玉は勢いよく彼に襲いかかる。それを突撃しながらも骨の彼は紙一重で交わし――火の玉が倒れた女に着弾した。それに動揺したのか――もしくは必殺の一撃を避けられたことに動揺したのか――驚愕に見開らかれた彼の瞳に迫り来る刃が映る。そしてそのままその刃は彼の喉を貫いた――


 ・

 ・

 ・

 

 一体どこの映画ですか!?

 配役が骨でなかったら、どこぞのアクション映画といっても信じそうな動きだった。

 

 ――たった今目の前で起こった惨劇に対する感想がそれだけ、というのが嫌になる。

 ゴブリン(仮)の時もそうだったが、やはりどこか変わってしまったみたいだ……


 そんなオレの葛藤を無視して、目の前では今度は愛の告白? イベントが発生していたりする。


 どうして――と涙を浮かべる女の子を抱きしめ、頭を撫でながら、お前の為なら~といったことを語る骸骨。告白です。


 うん。マジで配役が骨じゃなかったらどこぞの映画にできそうだね。


 ……あれ? そういえば……何で言葉が分かるんだ、オレ?

 目の前の二人が入ってきた時とか、今回の侵入者の声は聞いてたけど、言葉の内容は一斉認識できなかった。それが今二人の言葉はキチンと理解できる。何故だ?


 あ、あと――もう一つ。

 どうやら話は終わったみたいだけど……骨の彼がこっちを睨んでいるのは何故でしょうか――?


 ・

 ・

 ・

 


【8日目】


――――・――――・――――・――――・――――・――――・――――・


Name:タマ

Class:???

   Lv:12

   MP:108/108

Skill:『移動不可』『自己能力確認』『視界飛翔』『暗視能力』『生命体把握』

      『脳内迷宮地図作成』『魔物捕食』『理不尽な搾取』『生命吸収』

      『穢れた復活』『魔力吸収』『念話(特殊)』『????』

     

――――・――――・――――・――――・――――・――――・――――・


 ――はぁ。


昨日から何度も確認した『ステータス』を見て――なんだか久々に見る気がするのは気のせいか?――同じく何度目かになるため息をついた。


何度見ても、変わることはない。いや――まあ、何度か吾輩はタマである――とか言ってたけど……本当に名前に設定されるとは……


 まぁこっちも悪いとこはあったのは認めよう。


 あの時、骨の彼に睨まれた理由。まぁ理由は簡単で『眼』を普通に認識できたからだ。もっとも見れるようになったのは骨になってから――とのことらしい。ちなみにこれは女の子の方も同じ。


 意思疎通も可能と判明したため、とりあえず書斎に戻り、お互いの情報を交換した。まぁオレが知っていることなど無いに等しいので、ほとんどが彼らの話を聞くことになったのだが。


 まず分かったことは、この洞窟はアルグフルの森という広大な森の表層部に存在しているらしい。彼らはここから一番近い街を拠点にしている冒険者とのこと。

 名前は骨の彼がアレク・ローレン、女の子がティナ・ローレンと言うらしい。姓が同じなのは同じ村出身なだけで、幼馴染とのこと。あれだけのラブシーンを演出していて何を今更な気もするが……

 ちなみに‘らしい’といった理由は、自分の名前が思い出せないから――

 自分の名前、お互いの名前、同じ冒険者で顔を合わせることも何度もあったはずの侵入者三名等。会話の記憶等はあるのに、名前だけがゴッソリと抜け落ちているらしい。

 ちなみに名前は持っていた冒険者ギルド登録カードから判断したものだが、何度読んでも自分の名前と認識できないらしい。

 

 理由は――彼の話では、死んだ為だろう、とのこと。

 何かの神話で読んだらしいのだが、名前は親を通じて《神》が命名するものらしい。そして生き物が死んだとき、一度名前を《神》に返上し、またかかわり合いのあった人間の名前を提出し《冥府へ導く者》の審判を受けることになる―― 

 だから一度死んで、おそらく【スケルトン】と【ゾンビ】になった為、名前を返上したのではないか――というのが、彼の推察だった。

 まあそれだったら、オレに名前がないのも分かる――何故か顔の記憶も無くなってるが――し、他に説明のしようもない。まぁ理屈が分かっても現状は変わらないためこの理由で納得ということにした。


 名前のほうもなんだかしっくりこないと言っていたので――だったらそのまんまだけどホネさんと、女の子は顔色青白いからアオちゃんでいいんじゃね?

 その瞬間、ブーイングが発生しました。

 まあ、そのままこの名前に落ち着いてしまい――精神的疲れによって思ったよりハイになってたみたいで押し切った――、それならお前の名前はタマちゃんだ! ――という流れになった。そしてどうやらそれが命名になっていたらしく『ステータス』に反映されていた。


 他にもいろいろと話していて、気づいたら相当な時間が経過していた。

 ちなみに当然ながら、何故アンデットとなって復活したのか?――そもそも何で死んだのか?――という話題になってしまったので、平謝りしておきました。動く体があったら土下座する勢いで! ホネさんは何故か納得し、アオちゃんには思いっきり殴られ、それで許してあげる、と言われました。結構あっさりと終わってしまったので――痛かったけど――聞いてみたら、冒険者稼業についた時から、大怪我や死ぬ覚悟は出来ているから――と返された。世界観の違いか、職業意識の違いらしい。

 

 ――で、今に至る。

 ちなみに二人は只今遺体の埋葬中。あ、ちなみにゴブリン(仮)は【ゴブリン】で間違いなかったらしいです。

殺したとはいえ、知り合いをあのままにして置きたくない。それと、これからここに住む身として、腐敗していく【ゴブリン】の死骸と一緒の空間に住みたくないとのこと。

 もっともだ。ちなみに洞窟から出て行くこともできないので、二人がここに住むことは自然と決定した。

 

 そんなことを考えていたら二人が戻ってきた。思ってたより早かったな~


 ――え? 何をしているのかって? ……『ステータス』を見ているだけだけど――って何故にそんな微妙な顔をするの?

 

 ・


 どうやら、普通『ステータス』を見ようと思ったら協会に依頼して《成長と習得を祝福する者》に拝聴しないといけないらしい。もちろん、有料。

だから滅多には見ないらしい。


『自己能力確認』なんてスキルがあるから普通に見ていた。

けど、他人のスキルも見えるものなんだ。ダメ元だし、やってみるか!

出でよ、二人の『ステータス』!


――――・――――・――――・――――・――――・――――・――――・


Name:ホネ

Class:【ハイ・スケルトン】

   Lv:6

   MP:55/55

Skill:『陽光恐怖』『陽光虚弱』『魔鎧膜』『思考能力発生』『暗視能力』

      『打撃耐性』『念話(特殊)』『魔力吸収』

     

――――・――――・――――・――――・――――・――――・――――・


――――・――――・――――・――――・――――・――――・――――・


Name:アオ

Class:【フレッシュ・ゾンビ】

   Lv:1

   MP:41/41

Skill:『陽光恐怖』『陽光虚弱』『腐敗化』『思考能力低下』『発声不可』

      『腐敗防止』『思考維持』『運動能力強化』『暗視能力』

      『念話(特殊)』『魔力吸収』

     

――――・――――・――――・――――・――――・――――・――――・

 

 出たね、やっぱり。

 いくつか気になることはあるけど……『腐敗化』とかまずそうなスキルがあるな……。無効化できるスキルも同時に出ているけど。

 後、名前はホネさん、アオちゃんで固定されたみたい。何だかスミマセン。


 ――ん? 何やら二人の様子がおかしいような?


 何かを確認し、ホネさんがアオ、と声を掛けたかと思うと、いきなり書斎から出て行った。


 え? 何? 何か怒らせることした?


 いきなりだったので、ワンテンポ遅れたが、『眼』を飛ばして追いかけた。

 

 ・

 ・

 ・

 

 追いついて、歩きながら聞いてみると、『ステータス』画面はオレ(本体)の前の空間に表示されたらしい。いろいろと確認すべきことはあるのだが、特にスキルの中の『陽光恐怖』『陽光虚弱』というのが気になった、とのこと。

 どうやら、外に出れなくなったのはこのスキルのせい。陽の光が差し込んでいたからではないか、と。

埋葬時も陽の光を見たら恐怖を感じてしまっていたらしい。しかし今。先ほど戻って来た時は夕暮れ時。陽光がない――夜に外に出れるか試してみたい! いてもたってもいられなくなって、飛び出すように書斎を出て行ったらしい。


 それなら仕方がない。そして関係ないけど、やっぱり時間の感覚おかしくなっているみたいだ。

 

 ・

 ・

 ・

 

 とりあえず結果だけ。

 洞窟外の暗闇。まったく問題なく二人は外に出て行きました。

 

 オレ? オレのほうは、出れない。理由が違うからな……


 二人――特にアオちゃんははしゃいでいる。まぁ当然か。

 洞窟からずっと出れないと覚悟していたのに、夜だけとはいえ出れるようになったのだから。しかも『暗視能力』があるから活動には問題はない。


 ここに二人が住み理由は、他に行きようがないから――それが時間制限があるとはいえ出れるようになったんだ。また一人か……


〈それじゃあタマちゃん。私たちだけで悪いんだけどちょっと見て回ってくるね〉


 ――え?


〈行ってくる〉


 てっきりもう戻ってこないのかと思っていた。それなのに二人からはまた戻ってくるという言葉。

 一人に戻るかと思っていた。たった数日だが、思った以上に孤独感等を抱え込んでいたみたいだ。

 

 お土産取ってくるね~、と手を振るアオちゃんとその横を歩くホネさんに、


 いってらっしゃい!


 涙腺なんかないはずなのに、掛けた声は何故か震えていた。

 


第2話 6日目~を投稿いたします。

読み返してみて、自分の文才のなさに落ち込んでしまいそうです。


1話もそうですが、間違い等多数あると思いますので、随時変更していきます。


あとここで聞いていいのかわからないのですが――

小説のPRとかどうすればいいのでしょうか?

こんな方法でと書かれていたのですがよくわからなかったもので…

いい方法があったら教えていただけないでしょうか。お願いいたします。




では、第3話9日目~を書き始めたいと思いますので、これからもよろしくお願いします。

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