1日目~ 転生しました。
8/5 初投稿
8/7 スキルを中心に一部改訂 しました。
【1日目】
――吾輩はタマである――
違うな。誰もが知っているフレーズが思わず出てきたが、何かしっくりこない。
OK、落ち着こう。冷静さが必要だ。落ち着けオレ。
こんな時は最初から情報をまとめてみよう。うん。
まず、気が付いたらここにいた。
朝はいつもどおりだった。いつもどおりに起きて、朝飯を食って……あれ?
この時、親父とかもいたはず……なのに。何で顔が思い出せない?
生活していた記憶はある。家のこと、学校のこと。読んでいた本の内容とか、その他色々と。なのに、どれだけ思い出そうとしても、人の顔が浮かんでこない。
いや、そもそも――オレの名前はなんだ?
分からない……思い出せない。
それに、こんな場所知らない。
剥き出しの岩肌に、粗末な机にベット。そして扉。見えるのはこれだけだ。
視覚は――視覚だけはきちんとある。それ以外の感覚が一切感じられない。
ただその視界も一方向だけを見ているのではなく、全方向を同時に見る――そんな不思議な感覚となっている。そしてなによりおかしい事に――そんな不思議な感覚に意識するまで不思議とすら思わなかった。何がなんだかさっぱり分からない。
今までそんな自覚はしていなかった。ただ状況を把握しようと扉にまず向かおうとして――視覚だけが飛ぶような感覚を得た。
普通に歩くようなスピードで扉の前まで行き――ぶつかると思ったら止まった。
なんとなく来た方向を――そういえば視点が全方向から一方のみに変わってた――を振り返り――目に入ってきたのは、部屋中央に置かれた台座と、その上に浮かぶ淡い白い光を放つバスケットボール程の大きさの珠。
――吾輩はタマである――
なんとなくそんなフレーズが浮かんだが、もしかしたらマジかもしれない。
視覚以外の感覚ないし。視覚は360°全方向にあるし。
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ちょっとマテや!
転生か? 転生モノか? 何で珠?
何作品か読んだことあるが、普通人間にだろ、なぁ!
冴えない男が死んで、気づいたら赤ん坊。
母親の裸を見て興奮して、オムツ変えられてSan値をゴリゴリと削られるんじゃないのか? そしてイケメン――稀に美少女に――成長していくんじゃないのか?
あとはあったとしても、魔物とか動物とかで!
珠ってなんだ、タマって? 器物に転生か? 誰が喜ぶ、そんなもん!
……なんか疲れた。
どうせこれは夢だ! どこの世界に器物転生なんてある。
とっとと目を覚まそう! 身体が動かない状態で夢から覚めるためには――よし! 寝よう!
【2日目】
――吾輩はタマである。名前はまだない……
うん。状況は変わってない。そして一睡したためか、落ち着いたみたいだ。
――てか、眠れたんだ、この体――からだ? 体でいいか。他に表現方法ないし。
で、だ。寝ても覚めないからこれは現実だと判断しよう。何か表現がおかしい気がするが気にするな! オレは気にしない!
――誰に話しているんだ、オレは?
気にしないでおこう。そんなことより、出来ないことが多いんだ。まずは出来ることを探してみないと。
出来ること――動けない、食欲ない、空腹感ない。何が出来るっていんだ?
え~と……そういえばファンタジー転生モノって、ステイタス~とかいったら見えることが多いんだよな。試しにやってみるか?
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Name:???
Class:???
Lv:1
MP:50/50
Skill:『移動不可』『自己能力確認』『視界飛翔』『????』『?????』
『????』『????』『????』『????』『??????』
『?????』『??(??)』
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本当に見えたよ、オイ。なんだこの精神的な疲労感は? 実際に疲れたわけじゃないけどさぁ。あと『?』多すぎ。
スキルも何か多いけど、ほとんどが分からん。
とりあえず、わかるやつから調べてみるか。
どうやらこの『ステータス』は脳内表示されるだけで、細かい説明はないらしい。
一個ずつ把握しないといけないってことか。
まあ暇つぶしにはなるか。
Nameが『?』――これは多分、名前を思い出せれないからだろう。
Classが『?』――そもそもClassって種族だろ? たしか。器物のオレになくて当然か……? でもゴーレムとかいるしなぁ。もしかしたらこれも自分が分からないからだけかもな。
次にLvにMP。これはそのままだな。MPが多いのか少ないのかが分からんけど。
で、最後にSkill。『?』ばっかりでわかってるのは2個だけ。
『移動不可』――これは多分読んだ通りだろう。動けないし動けようがないし!
次の『自己能力確認』は今確認しているステータスのことだと思う。自己能力だし。一応。
それで最後は『視野飛翔』――これはなんだ? 読んだままに考えれると、視界を飛ばす……もしかして、あれか?
昨日の感覚を思い出して……おおぉ!
視線が飛んだ!
飛ばした視界でぐるりと部屋を一周してみる。お~。視点が変わるだけで何か新鮮だな。
とりあえずいろいろやって分かったのは。イメージとしてはビデオカメラを飛ばしてそこから得られる画像を見ることできるってこと。視野が360°から狭くなるし。あと『眼』からの情報と本体が把握する情報は同時に把握できないらしい。少なくても今は。
で、特に意識しなかったら大体170cmぐらいの高さになるけど、天井付近から地面スレスレまで自由に移動できるらしい。
フム……一通り『眼』の性能を把握したが、やっぱり物足りない。結局は狭いこの書斎一室を見て回っただけだ。しかもこの書斎、本当に何もないし。本棚はあるようだが、中身は朽ちてるし。
結局、問題はあの扉。手があったら何の問題はないのだが。
書斎内のもので試してみたが、『眼』は物には触れられないみたいだし。
……あれ? もしかして……
やってみるか、ダメでもともとだし。うん。よし!
一番。『眼』、行きま~す!
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結論。問題なくすり抜けられました。
よっしゃぁ!
移動範囲が広がった。たった1~2日だけど、変化が全くなかったんだ。思った以上に嬉しい。さっそく冒険だぁ!
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メーデー。メーデー、メーデー、こちら『眼』です。
目の前にいます。魔物、モンスター、バケモノが!
……やっぱファンタジーな世界なんだな~
扉を抜けたら狭い上り階段。十数段登った先には一本道。ただし天然の洞窟らしく、狭く曲がりくねり凹凸激しかった。大人がなんとか一人歩ける程度の広さだ。移動の際には何度か壁にぶつかったし。
どうやら、扉はすり抜けられるけど、壁はダメらしい。ちなみにぶつかっても痛くはなかった――感覚がないから当然か。
そしてそんな狭い道を少し行った所が今いるところ。『眼』の前には開けた空間――部屋があり、そこに、濃い緑色の肌をした醜悪な小人――バケモノが複数いた。
慌てて物陰に隠れたけど、これからどうするかな……
ファンタジーっていうのはより実感できたけど、この先に進めなくなった。
複数いるバケモノの目を掻い潜って先に進むなんてどんな無理ゲーだ?
――あ――
ヤベ。バケモノの一体と『眼』があった――
そいつは部屋の中央付近にいたのに、こっちにどんどんと近づいてきた――
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【3日目】
――吾輩はタマである。名前はまだない……
もうやめよう。飽きてきた。
そんなことよりも、昨日のことをとりあえずまとめよう。
昨日あのバケモノと目があったあと、反射的に戻れと念じていた。そうしたら書斎に戻っていた。どうやら『眼』は念じたらすぐに書斎――本体――に戻れるらしい。
階段まで出て何度か試してみたが、戻るのは一瞬らしい。その代わり、『眼』を一瞬でいた場所まで飛ばすことはできないらしい。
あぁそれを試せれたのは少し経ってから。最初に戻った時は、あのバケモノがここまで攻めて来ないかと怯えてたけど、いくら待っても来なかった。で、あの目があった場所まで戻ってみたが特に騒ぎになっていなかった。
どうやら、『眼』は他からは認知されないらしい。
そこまで把握した時点で精神的に疲労困憊。探索終了しました。
――で、今日。
洞窟内探索一通り終了! といっても狭かった。本当に。
広場の先には二本のある程度の広さのある通路。それぞれの先に小部屋があって、またその先には通路。それぞれの小部屋から伸びた通路はすぐに合流。合流後、すぐに光がみえた。多分外なんだろう、多分。
何で多分かというと……出れなかった。勢い良く飛び出そうとして、外と洞窟との境で透明な膜? にぶつかった。痛くはないが、何度やっても無駄だった。どうやら『眼』は洞窟内でしか使えないらしい。チクショウ。
で、外に出るのは諦めて振り返ってみたら、三本の道。どうやら通ってきた道以外にもあったみたいだ。さっそく行ってみたら、そこはまた小部屋。ただしその先に道はない。
といった具合。
バケモノ――特徴から多分ゴブリン――の営み見ててもつまらないし。といか、醜悪な化け物の夜の営み(今昼だけど)なんぞ見たくねぇ! 十人に聞きいたら九人は間違いなく同感してもらえるだろう。特殊な趣味な奴がいるかもしれないから一応九人にしといたけど――
まぁそんなわけで、書斎に戻ってきた。
今回の探検での収穫は以上。洞窟の大きさとかしか分からなかった。
しかし不思議なことがあった。というか自覚した。
まず一点。洞窟内に光とかないはずなのに、くっきりと色までもが見えた。
二点目。なぜか分からないが、洞窟内マップがくっきりと脳内に浮かんできて、さらに洞窟内のゴブリン(仮)16体の居場所もマップに表示されている。あ、ちなみにゴブリン(仮)の個体数はさっきの探検時に数えました。
理由は分からん。分からないが……
こんな時は――出でよ、『ステータス』!
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Name:???
Class:???
Lv:1
MP:50/50
Skill:『移動不可』『自己能力確認』『視界飛翔』『暗視能力』『生命体把握』
『????』『????』『????』『????』『??????』
『?????』『??(??)』
New『脳内迷宮地図作成』
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はい、スキル増えてました~。
しかもNewの文字も。しかし『脳内迷宮地図作成』って、早い話がマッピングだよな? RPGとかだと作成専門職すらあるという、ダンジョン攻略に必要不可欠な能力。本当にいいのか? 結構重要なスキルを簡単に習得できて?
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気にしても仕方がないな。
増えた二つ――『暗視能力』『生命体把握』が暗闇で見えた理由とゴブリン(仮)の居場所がわかった原因だろう。
しかし……なんだかんだでこの状況に慣れている自分も嫌だな……
【4日目】
緊急事態発生! 緊急事態発生!
昨日と同じように、広くない洞窟内をうろうろとしている時に、この事態が発生した。
――ゴブリン(仮)が一体、書斎に向かってる――
うぉい! ど~すればいいんだよ、この事態!
自衛手段なんぞないぞ! そもそも動けないし!
そうこうしているうちに、ゴブリン(仮)が階段を下り始める。俺にできる事はそれについて行く事のみ――ほんとど~しよ?
短い階段を降り終え、そのままゴブリン(仮)は扉を開けた。まあ、開けるまで首をかしげ、ノブを弄り、最後は蹴破ってたから、大した知性はないのなろう。
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――なんら安心出来る要素じゃない。
むしろ、本体が叩き壊される可能性がある。あぁ、転生4日目で早くも死亡の危機かぁ~
そんなオレの不安を微塵も感じていないだろうゴブリン(仮)は部屋の中へと入っていく。きょろきょろと周りを物珍しそうに眺めながら、それでも台座――そしてオレの本体の前へ。
――おいコラ、どうするつもりだ!
壊すな、壊すなよ!
分かってるよ! 聞こえないよ! でもだからって黙ってられるかっ!
ってコラ、汚い手で触るな! 気色悪いんだよ! 感触ないけど、気分的に!
とっとと離さないと、食い殺すぞ、コラ――……って、あれ?
変化は唐突だった。ゴブリン(仮)が本体表面を遠慮なく触っていると――その触り方から結構硬度がありそうなのに――いきなり本体表面が波打ったかと思うと、ゴブリン(仮)の手が飲み込まれた。そしてゆっくりと残りの部位も飲み込まれていっている。
当然ながらゴブリン(仮)は暴れるが――もう一方の手をオレの本体触れてしまい、そこからも徐々に飲み込まれていく。
逃れるすべはもうない。傍から見ている――そして訳がわからないがこの状況を起こしているオレがいうのも何だが、なんとも残酷な光景だ。
遂には首から下が完全に飲み込まれ――そしてゆっくりと顔も沈んでいく。その絶望に染まった顔が脳裏に――脳があるのか、というツッコミはなしで――刻み込まれたような気がする。そして最後には完全にオレの本体に飲み込まれた――
残ったのは静寂な空間。先ほどの光景を見ていなければ、何も起こっていないように思うだろう。
そしてオレ自身は――特に何も感じていなかった。先ほど脳裏に刻まれたと思った光景は忘れていないが……終わった瞬間に恐怖や罪悪感――感じていた負の感情全てがなくなっていた。転生前ならこんなことはない――はずだ。多分。
混乱しているはずの反面、どこか冷めているオレの意識が『ステータス』を呼び出していた。
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Name:???
Class:???
Lv:1
MP:50/51
Skill:『移動不可』『自己能力確認』『視界飛翔』『暗視能力』
『生命体把握』『脳内迷宮地図作成』『魔物捕食』『????』
『????』『????』『??????』『?????』
『??(??)』
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【5日目】
昨日は凄惨な場面を見たせいか、かなり混乱していた。今が正確に5日目か不明だけど……
とりあえず、混乱していた意識と冷静な意識の統合はできたみたいだ。
凄惨な光景を見ても落ち着いていられるのにも――とりあえずは転生したからと理由付けをした。それしか納得できないし、納得させることもできない。
放置していたら、病んでしまいそうだし……
とりあえず昨日のことは新しく『?』が取れた『魔物捕食』というスキルの効果だろう。状況等から見ると、効果は本体の珠に触れた魔物を捕食し、最大MPが上昇する。といったところだろうか。
そして、昨日ゴブリン(仮)の一体が行方不明になったのだが――洞窟内の集落はそのことでは混乱していない。むしろ――他の事で今、大騒動になっている。
突然の乱入者があった。
『マップ』に突然新たな『生命体(駒)』が発生した。
慌てて『眼』を飛ばしてみたら――人間が二人、洞窟に入り込んできていた。
……良かった~。ちゃんと人間がいた。この世界にも。
安心したはしたが――入り込んできた人間二人は、ゴブリン(仮)相手に無双状態を繰り広げていた。男女の組み合わせ。二人とも革製の鎧を着込んでおり、男は幅の広い剣、女は細身の剣を振るっている。
――やっぱファンタジーな世界らしく、冒険者か?
まぁそれはともかくとして――
ゴブリン(仮)15体。あっという間に切り捨てられました。
で、この二人組は書斎に通じる一番大きな部屋にいる。なにやら話しているようだけど、聞き取れない。
――いや、『眼』を近くにやってるから音は拾えるんだけど――言語が違うらしくてさっぱりわかりません!
ランプの明かり――さすがに人間様は明かりなしでは見えませんよね――を頼りに何やら探し回っているご様子。
――このまま帰ってくれますように~!
マジで! お願いします! 見つかったら面倒な事が起こりそうだし! 昨日みたいに!
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結論! 願いは届きませんでした!
神様――絶対にオレの事きらいだろぉ! 今時の日本人らしく、基本無神論者だったけどさぁ!
そんなオレの罵倒は当然ながら音にならず、冒険者達は大広間の奥の細道――そして階段へと到達した。
それからの流れは昨日と同じだった。短い階段を降りて書斎の中へ。
迷わず部屋中央――オレの本体の前までやってくる。で、何か話したかと思うと、男のほうが本体を触り始めた。まぁゴブリン(仮)みたいに壊される危険性は――って! いきなり両手でつかんで引っ張り出した! やめろ! 何故かは分からんがやめろ!
なんかミシミシと言ってる。そんな気がする! そして何よりも痛え! 気のせいじゃなく、痛い! やめろ! マジで!
そんなオレの悲鳴を無視して――聞こえてないだけだろうが――オレを力いっぱい引っ張る。
いつの間にやら本体に戻っている。戻るように念じた覚えはないが――今はそんなこと関係ぇない!
引っ張られるたびにめちゃくちゃな痛みが襲ってくる。
男が何やら呟き、女がはやし立てている。なんとなく状況は分かるが、今は痛みに耐えるのに精一杯だ――って! イテェって言ってるだろうが!
限界でした。頭のどこか冷静な部分が何やらツッコミを入れているが、そんなのは無視して――男を引っ張った。もちろん体は動かない。ただ気分的に――
瞬間――
男が短い唸り声と共に、目を見開いた。
女が――反射的にだろう――男に触れ――男と同じ反応を起こした。そして二人共力なく倒れた。その瞬間にあれほどあった痛みは綺麗さっぱり消えた。
……………………あれぇ?
二人ともピクリとも動かない。この角度からだと、それだけしか分からない。
『眼』を飛ばして見る角度を変えて――
男女共に見開かれたまま動かない目蓋。開ききった動向。薄く開いた口からは呼吸音がしない。導き出される答えはただ一つ!
――って――医者ぁ! いないか、119、119! 救急車ぁ!
いるわけない、落ち着け! 先ほどと同じくどこか冷静な部分が何やらツッコミを入れて来る。
今度は無視せず――深呼吸。深呼吸……よし!
医者はいない。助けを呼ぶ手段もない。できることは――とりあえずステータス!
――――・――――・――――・――――・――――・――――・――――・
Name:???
Class:???
Lv:5
MP:73/73
Skill:『移動不可』『自己能力確認』『視界飛翔』『暗視能力』
『生命体把握』『脳内迷宮地図作成』『魔物捕食』『理不尽な搾取』
『生命吸収』『????』『????』『?????』『??(??)』
――――・――――・――――・――――・――――・――――・――――・
おぉ、レベル、MP増えてる! スキルも増えてる! どんな効果が……って、そんなことしてる場合じゃないよな。
パッと見た感じ、今の状況にあったスキルはないな。
今の状況でMPが増えたところで何も――ん?
そういえばどこかで魔力を注ぎ込んで傷を治すとかいう設定の物語あったような……
ダメ元だし。やってみるか!
魔力――MPの注ぎ方。そんなのはわからんが、適当に。直感で。
体の中に力があると思い込んで、それを注ぎ込むつもりで。最初は近くにいる男から。
そうしたら、MPがゆっくりとだが減っていた。1秒毎に1減るようなスピードで。
何となくMPを使い切ったらマズそうな気がするので、1は残るようにして――
半分――36をそれぞれに注ぎ込んだ。
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疲れた。今までないほどに疲れた。
でもそのかいあってか、二人ともに変化があった。
MPを注ぎ終わると、今まで見開いていた目蓋がゆっくりと閉じた。
疲れてて『眼』を出す気にはなれないが、うまくいったのだろう。うん、行ったいった。
疲れたし……今日はこのまま――ん?
寝てしまおうか――と思ったが、気づいてしまった。
仲良く眠る? 男女。女の方には変化はないが、男の方。なんか肌が垂れていっているような……って!
溶けたぁ!?
中途半端な気がしますが、以上で第1話終了です。
拙い文を読んで下さり、ありがとうございました。
ご意見・ご指摘はご遠慮なくお願いいたします。いろいろと気になる場所があとになって発見しているため、随時訂正しています。
遅筆ですが、第2話:6日目~ を書いて行きたいと思っております。
では、またのご機会によろしくお願いいたします。