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タマちゃん育成記  作者: イムルマ
第1章 新生活開始です。
10/18

47日目~ 天啓、受けました。

【47日目】


 特記なしが冗談抜きで続くなぁ……

 書斎の方の拡張はほぼ終わり、明日ぐらいには内装を弄り始めることになると思う。

 

 相変わらずホネさんは岩を斬っている。

 ゲン爺は木材を何やら加工している。

 アオちゃんとユウちゃんはいつもの通り。

 そしてクーちゃんとクロは食事中。

 

 いつも通りだねぇ……




【48日目】


 予定通り書斎フロアは当初予定していた広さの確保が出来た。

 独断場ということもあってか、ゲン爺が燃え上がっている。


 取り敢えずメインの箇所から、ということで書斎、すべての作業後直ぐに出来るように鍛冶場の順で内装を手がけて行くことになった。

 

 そして作業開始となり――ゲン爺とホネさんは壁を削り穴を掘り、クロは床を転がりまわる。

 クロが何をやっているか聞いてみたら、一言、整地しているとの答えが帰ってきた。


 ――素人が口出しせず、プロに任せておこう……


 女性陣2人とクーちゃんは相変わらず糸を紡いでいる。


 やる事ないし、素直に上の拡張工事でも見に行くか……




【49日目】


 内装工事、拡張工事共に順調に進んでいる。

 

 内装の方は邪魔のできる雰囲気ではない。


 そして、昨日拡張工事を見ていた時に思いついた事があった。相談できそうもないので、独断で【土喰い】数百匹を訓練場に連れてきて、急遽、訓練場の入口の反対側に通路を掘らせ始めた。

 思いつきをしたときの影響を考えると、通路は長くしていたほうがいいと思うので、少しほど時間は掛かるだろうが、それは仕方がないと割り切ろう。

 どうせ内装にはしばらくかかるのだし。




【50日目】


 最近――特に皆と距離を感じるようになってきたタマです――

 それぞれに仕事がある中、オレだけないからな……


 取り敢えず――『眼』を飛ばし、拡張工事をず~と眺めていたけど……

 どれだけ時間が経ってもだ~れも来ませんでした。まる。


 ――泣いていい?




【51日目】


 訓練場の拡張工事、通路の制作から部屋の作成に移ったぐらい。


 後は昨日と同じ。ホント泣きそうなんですが――



 

【52日目】


 拡張工事は順調に進んでる。

 

 それを――実体があったら多分、というか確実に病んだ目で見続けていた。

 いや、ずーと1人で【土喰い】の動きを見ていたら、色々ネガティブな考えばっかり浮かんでくる。

 

 ――前はこんなことなかったハズなのに……

 

 この姿――タマになる前も――

 

 なる前――

 ――そういえば、オレは一体どんなヤツだったんだ?

 高校とか家の記憶はある。しかし、今まで思い出そうとしていたが、人の顔とかは思い出せない。

 それだけだと思っていた。

 でも、それ以外――まったく違う映像――記憶も浮かんでくる。


 ――巨大な男を見上げ、近づき、そして抱き上げられる、オレ。

 ――座りながら、前に立つ男に怒鳴りつけている、オレ。

 ――高級な料理を男と差し向かいで、談笑しなが食べている、オレ。


 その他、色々な違うはずのモノの視点。なのにオレの記憶――

 オカシイ。だけどオカシクナイ。違和感なく全てオレの記憶と断言できる。


 分からない。ワカラナイ――

 オレはイッタイ、ナンなんだ……?


 ・

 ・

 ・


 一体どれだけの時間が経ったのか?

 イマイチ分からないが、突然の痛みが走ったかと思うと、本体に戻っていた。

 そして目の前には、ホネさん、アオちゃん、ゲン爺、ユウちゃん、クーちゃん、クロ――早い話、洞窟の住人全員がいた。

 今までの経験上多分殴られたんだと思う。

 

 直後、怒られました。主に、ドコいっていたんだと――とかで。

 

 言いたいことは良く分かる。ワカルけど――

 それに対してオレは――




【53日目】


 気が付いたら、目の前に洞窟の住人が勢ぞろいしていた。

 

 ――あれ?

 いつの間に本体に戻った? 昨日は確か――色々と考えていて……

 あれぇ? 記憶がかなり曖昧なんだけど……


 混乱していたら、いきなりホネさんに謝れた。

 よく見ると、アオちゃんとゲン爺は何やら気まずそうにしているし、ユウちゃんに至っては大泣きしたアトのように目が腫れている。


 ――えっと……本当に何があったっけ?


 ・


 取り敢えず聞いた話では――

 主にホネさんが語ってくれたのだが、昨日書斎の家具以外の内装工事は終了した。それを皆で確認しようとしたのだが、オレだけ一切反応しなかった。いくら呼びかけても、反応がないので黙ってどこかに行っていると判断し、最も早い方法――本体を殴って呼び出したらしい。痛みあるの知ってるはずなのだが、この時は叱咤の意味も込めていたらしい。

 

 ――そういえば、そんな気も……するような、しないような――

 ホントに記憶、朧げなんだけど……


 話を戻して。

 そしたらオレが――まあ、なんだ。キレたらしい。

 話聞いてたらどちらかというと幼児の癇癪みたいだけど……


 で、気持ち泣け叫んでいたオレを、ユウちゃんが抱きしめ宥めたんだとか。

 

 ――何で、宥めたってところで顔を外らすんだよ、ユウちゃん!

 そういえば、何か滅茶苦茶痛かったような気も……


 まあそんなことよりも……

 幼児の様に泣き叫んだ……って。いや、記憶にはないんだけど……。本当なんだろうけど。

 マジで恥かしいんですが!


 オレの様子を見ながら話していたホネさんが、ふと視線を外し――


 オレが泣き疲れた――この表現があってるかどうかは兎も角として――後、皆で反省しあったらしい。

 その反省が――幼児を放置しすぎていた――ってコラマテ!

 誰が幼児だ、誰が!


 ――え、いや確かにまだ一ヶ月程度だけど……

 赤ん坊扱いじゃないだけって――いや、幼児扱いだけでも――

 なんでそんなにイイ笑顔なんだよ、ゲン爺!

 って、何でお姉ちゃんなんて呼ばないといけなくなってるんだよ!

 ユウちゃん、アオちゃんを止めて――って、何でユウちゃん、目輝かせてるの?

 いやいや、いい響きじゃないから! 妙なのに憧れるな! トリップしないで! 

 ホネさん、いい加減に止め――目で諦めろって語らないで! 

 てか便乗しないで! ナニいきなり兄って呼べって!?

 ゲン爺は――無理か。

 何、仲良きことは素晴らしい――とか言ってんの!?


 ・


 取り敢えず――後になって振り返っていうことだが――いきなり発生したこのグダグダ感は終息することなくかなりの時間続くのだった――


 ・




【54日目】


 燃えたよ――。燃え尽きたよ――。


 この先のセリフは言わないでおこう――言ったけどね、実際は。


 取り敢えず――あの後落ち着いてから外を見行ってみたら、完全に陽が昇りきっていた。

 口論? は、完全に押し切られた。

 うん。勝てるわけないって。あんなのに。


 で、結局オレとゲン爺以外の3人は今力尽きている。

 アンデットでも、精神的等での疲労が蓄積すると寝てしまうって言うのがこれで完全に証明された――かな?


 各々、書斎の好きな場所で眠っている。ついでにクーちゃんはオレの上。なんだか久々だなぁ~


 そして起きているゲン爺とクロは鍛冶場の内装工事中。


 肝心の内装の方は、上の作業場と同じように壁と天井は暖か味のある白で塗られている。床には石畳に代わり、元から合った暖炉の周辺にはレンガが積まれ今までなかった存在感を醸し出している。

 

 今までと全く雰囲気が違う。今までの暗い印象から、色彩も相まってすごく明るく、暖かく感じる。

 

 何となく感じていた距離感はなくなった――と思うが、この作業に参加できないというのが、正直悔しい。

 ――【土喰い】がいたからこそ――と言ってはくれたが、正直慰めにはなってない。

 オレはただ【土喰い】を出しただけで直接作業はしていないから――


 ――ホント、どうにかならないかなぁ~




【55日目】


 天啓を受けた!


 ――ないのなら持ってくればいい!

 手のあるヤツを乗っ取って!


 ゲン爺! ステキな助言、ありがと~!


 万が一の事があるから、念のため実験に立会いをしてもらおう。

 ホネさんとゲン爺は内装をイジってるから無理だろうし――

 ユウちゃんだと万が一のことがあるし、アオちゃんかな~。戦闘能力と……か……


 いつの間にやら側に、丁度考えていた2人――女性コンビ――がやってきていた。


 ――えっと……

 何故に睨んでられるんでしょうか?

 何故に目に涙浮かべてるんでしょうか?

 え、いや、別に、って、いや、他人行儀なって……

 別にそんなつもりは……え……だったらって……

 単純に恥ずかしいだけで――

 ちょっ! 泣くのは反則――

 あ~、もう! 分かったよ、分かりましたよ!

 ユウ姉にアオ姉! これでいいんだろ!

 だからアオ姉は睨まないで!

 ユウ姉も泣かない――でって、一瞬で満面の笑み!? ウソ泣きだったの!?


 ――なんかもう、いいです。いいですよ。はぁ……

 

 なんか、何も始めていないのに物凄く疲れた……


 ・

 ・

 ・


 ハイ! というわけで! ――何が――というのは無しの方向で。

 ゲン爺にこっちにつくように言われたらしいお二人に事情――というか、実験内容を説明し、上の訓練場に場所を移した。


 手のあるモノに乗っ取って――

 今生み出せる魔物で手があるのは2種のみ。

 何が起こるか――起こらない可能性の方が高い気がするが、念には念を入れて雑魚の方を使うことにする。

 そんな理由で新しく【ゴブリン】を産みだして、連れている。

 

 ――それじゃあイッチョやってみますか!


 苦笑しているアオちゃ――アオ姉とユウ姉。退屈そうに立っている【ゴブリン】を前に、ない腕を振り上げて宣言する。

 と言ってもやる事は単純。

 訳も分からず――考える脳みそがないだけの様な気もするし、多分それが正解なんだろうけど――ボケーと立っている【ゴブリン】に『眼』を潜り込ませ――


 ――乗っ取る!


 そう念じた瞬間、【ゴブリン】は滅茶苦茶に暴れだした。

 暴れだして、そして狂ったようにいきなり頭を床にぶつけ始めた。


 2度3度と打ち付けて――そのまま動かなくなった。


 オレはというと――いきなりのこと、そして襲って来た頭を打ち付けた際の激痛に悶えていた。

 動かなくなった【ゴブリン】をアオ姉が慌てて揺さぶったら、オレが転がり落ちてきたらしい。痛みで悶えていてその辺りはよき覚えていないが。


 取り敢えず今回の事で分かったことは憑依? すると宿主に激痛――もしくはそれに類するモノが生じてしまう。そして宿主が受けた傷の痛みはオレにも帰ってくるが、宿主が死んでもオレには影響がない――と言うこと。

 

 ――下手すればこれで死んでたかもしれないんだよなぁ~

 危なかった……


 ついでに、実験を続けようかと思ったが、2人に止められました。


 ――大丈夫だと思うんだけどなぁ……




【56日目】


 .実験2日目!


 痛いのは嫌だが、体が得られるためなら多少は耐えないと!


 ・

 ・

 ・


 結果としては軒並み失敗。

 【ゴブリン】【ゴブリン・ロード】で試してみているが、全て死亡という結果になった。

 

 痛いのが嫌だからアオ姉に押さえてもらって試してみたが、憑依の痛みに耐え切れないらしい。

 

 さて――どうするかなぁ……


 ちなみに、生じた死体はクーちゃんとクロが美味しくいただきました。まる。


 


 あとちょっと失敗だったこととしては、【ゴブリン・ロード】を2体実験につれてきてしまってたことかな~


 1体をアオ姉に押さえてもらって憑依してみたら、当然ながら苦しみだし、悲鳴を上げ出す。

 それを見ていたもう1体が怯えだしパニックを起こした。

 まあここまではまだいいんだけど――


 あろうことかそいつはユウ姉に襲いかかった。

 

 襲いかかる【ゴブリン・ロード】! 悲鳴を上げるユウ姉!

 反射的にユウ姉が体の前に手を出し――

 

 【ゴブリン・ロード】は全身から血を吹いて絶命した。


 ――あれぇ……?


 あまりのことに全員呆然としてしまった。

 一体何が起こった?


 ホネ兄も同席して検証となった。

 

 結論として――

 ユウ姉は【ゴースト】の為実体はない――そういえば『物理無効』もあったような……

 で、襲って来た【ゴブリン・ロード】から身を守ろうとして咄嗟に体の前に手を出した。けれども実 体が無いので【ゴブリン・ロード】はすり抜けた。で、その時手のひらが完全に体の中にある時に『念動力(弱)』が発動!

 体の中から強力な衝撃を受け、【ゴブリン・ロード】は絶命した――と。


 うん。何げにエグくない?

 そう聞いたら、ホネ兄、アオ姉共に頷いてくれた。ひどいです~――とか言いながらユウ姉は泣いているけど。


 ――あれ?

 オレもそうだけど、非戦闘員のはずの2人が何げに一番エグい殺傷方法を持っているってことか、これ?







47日目~ を投稿いたします。

まず言い訳を・・・

タマの設定ですが、初期設定だったりします。単純な憑依ではないのですが、TSではないですがみたいに特殊に分類されるかと思います。苦手な方はスミマセン。

あと兄、姉発言。こちらは書いていたらいつの間にやら発生していました。

最初は寮みたいな――を考えていたのに、いつの間にやら一家になってました。


キャラの暴走は多分続くかと思いますが、ご了承をお願いいたします。

そろそろ拡張工事終了――次はどうしようかな・・・


では、次回は57日目~となります。またよろしくお願いします。

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