表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/37

第5話The truth of past(真実の過去)

どうぞ、楽しんでいってください!


えーと、俺は望美と別れて自分の寮にきたはずだ。なのに、なぜ。


「なんで、静香先輩が俺の寮にいるんだよっ!?」


静香先輩は部屋の真ん中に堂々と正座をして、お茶を飲んでいた。


「お茶は貰っときました」


店員の営業スマイルのような、作った笑顔をしてくる。


「勝手に人のお茶っ葉を使うな!そして、どうやって入ってきた!?」


静香先輩はお茶を一口飲んだ。


「前にあったことについて、話を聞こうと思ってきたの」

「人の話を聞けっ!」

「はいはい、分かりました。生徒会長には色々特権を貰えるの、その特権の1つに学校全ての鍵の合鍵を

使ってもよいという特権があるの」

「はああぁぁ!?ふざけんなよっ!」


この高校に2年間通っているが、こんなことを聞いたのは始めてだ。


「一応言っときますけど、このことは他言無用ですからね」

「いやに決まってんだろ!」

「そうそう、生徒会長の特権の1つで生徒を謹慎処分以下の罰を与えられるというものがありましたね。如月君、貴方大変らしいわね成績、それに謹慎処分がはいったらどうなるんでしょうね?」


次の笑顔は恐い笑顔だった。


「あぁ!もうわかったよ!誰にも言わねぇよ!」

「良かった。それでは、話を聞かせてください」


すると、いきなり部屋の空気がはりつめた。静香先輩の真剣な表情からだろうか。


その、空気に押され俺は屋上であったこと、頭の中で聞こえた声について話した。


「なるほど………前に如月君と生徒会室にいたとき話そうとしていたのはなんなの?」

「実は昔、なぜか知らないけど悪魔と契約したんだ」

「契約?」


静香先輩は首をかしげていた。


「契約では何を条件にしたの?」

「小さい時の記憶なんだ。だから、覚えてない」

「分かりました、ありがとうございます」


そう言って静香先輩が立った。


「なんで、こんなに俺について調べるんですか?」


俺が言うと、静香先輩は本当の笑顔のように、少しだけ唇の両端をあげた。


「生徒会長だから、生徒の悩みは解決しないといけないの」


その言葉は、何かの束縛のもとで言ったような言葉に聞こえた。


そのまま、静香先輩はでていった。


時刻はもう8時を過ぎていた。


台所にいき夕食を作り始める。


綺麗な無数の星を眺めながら…



○●○●○



陰君のことが好き、でも恐い。


好きで近づきたいのに、恐い。


私は忘れられている、恐い。


好きなのに恐い。


記憶から忘れようとしているのに、体が覚えている、どうして、どうして、どうして、どうして!


陰君は好きな人であり、恐れている人。


………私はただ鏡にうつった自分の背中の火傷のあとをみていた。



○●○●○



「よっす、秀に望美」


俺は片手を上げながら言った。


「おっす、イン」


秀は俺と同じように片手を上げながら言った。


「おはよー、陰君」


望美は大きく手を振りながら言った。


「おはよう、如月君」


静香先輩が頭を軽く下げながら言った。


「よう……って!なんでいるんだよ!」

「如月君、少し時間をくださいませんか?」


静香先輩が妙に真剣な顔で言ってきた。


「もう、HR始まるのにいいのかよ」

「大丈夫です、生徒会長ですから」


また、あの生徒会長の特権ですか。


「分かった。んで、どこにいくんだ?」

「生徒会室にでも行きましょうか。」


静香先輩は真っ直ぐな姿勢で後ろを向いて扉に向かって歩いていった。


それに、俺はついていった。



∇▲∇▲∇



生徒会室にくると、静香先輩はお茶をだした。


長机の端に俺が座り、反対に静香先輩が座った。


「それで、なんのようだ?」

「如月君、貴方の過去を調べさせて貰いました。」

「はぁ?俺の過去なんて、何でもない普通の過去だぜ?」


すると、静香先輩は笑いもせず、驚きもせず、ただ俺の目をひたと見ていた。


「如月君、貴方は過去をすりかえているわ。」


静香先輩は真剣な顔つきなので、ふざけてはいないと思う。


「ど、どういことだよ?」


俺は、少しだが嫌な予感がした。


「人というのは、思い出したくない過去があると、その過去を脳の中で勝手に消すか違う思い出にすり替えるの。小さい頃の記憶だったらなおさらよ」


な、何を言ってるんだ?


俺は普通に生きてきた………


「それじゃあね、如月君。なんで、悪魔と契約したのに何も起きてないの?」


静香先輩は立ち上がり、俺の隣まで歩いてきた。


そして、続ける。


「貴方の通っていた小学校は昔、火災が起きたわね?火災の理由は何か分かる?」

「そ、それは、家庭科の授業の不注意で…」


俺の声は少しずつ小さくなっていった。


「それが、如月君の作った過去なのね。」

「作ってねぇよ!それが真実の過去なんだ!」


ついカッとなってしまって怒鳴ってしまった。


「ふざけないでよっ!!」


静香先輩の怒りに満ちた声で言った。さっきだした俺の声より数段大きかった。


「貴方が真実から、逃げてれば貴方も傷ついて、周りの人も傷つくのよ」


落ち着いた声になっていたが怒りが満ちているのが分かった。


「そして、貴方の一番近くにいる望美ちゃんが一番傷ついているわ」

「な、なんで望美が一番傷ついてるんだよ!」


静香先輩はため息を1つ、ついた。


「そのぐらい、自分で考えなさい」

「ダメなんだ!俺のいつも近くにいる望美が傷ついているなんて考えたくもない!しかも、俺が傷つけてるなんて、ほっとけねえよ!時間がたてばたつほど望美が傷つくならなおさらなんだよ!」


静香先輩が微笑んだ。


「…いいわ、今の貴方なら過去を受け入れられそうだわ」


静香先輩は一呼吸おいて話始めた。


「小学校の火災は貴方が原因なの。そして、最後まで貴方を信じて止めようとしたのが、望美ちゃんでね。でも、貴方は望美ちゃんを傷つけた。幸い火災での死者はいなかったけど、望美ちゃんは死の淵をさまよったらしいわよ。まぁ、途中で逃げ出した先生も悪いと思いますけど。」


初めて知った。


いや、思い出さないようにしていたのか。


今まで俺は、望美のことなんて気にせず生きていたのか。


みっともねぇ。へどがでる。


今なら、許してもらえるだろうか?


違う、許してもらえる、もらえないじゃない。


とにかく、謝るんだ!


「静香先輩!俺―――」

「いってきなさい。」


ニッコリ笑って俺をみてくれた。


店員の営業スマイルではない、本当の笑顔に見えた。


「いってきます!」



なんだ、この話?

と、思われてるかもしれません。

でも!少しずつ、少しずつ変わっていくのがすきなのでこれでいいんです!

と、思うカラミです!


実神先生の魔術授業は休みです。


もう少しで陰の話が終わります。

さて、次の話は静香を中心とした、話になります。

お楽しみに待っていてくださいませんか?

お願いします!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ