第15話Christmas(クリスマス)
今、駅前に来ている。そして隣にはバッチリお洒落してきたっぽい望美がいる。
「陰君、最初どこいく?」
「いつも通り遊ぼうぜ。そんじゃ、最初はゲームセンターに行こう!」
「せっかくのクリスマスなんだよ、他の事やろうよ~」
「クリスマスだからこそ普通の遊びをするんだ!周りにはカップルカップルばっかりでいらつくんだよ」
「あはははは、そうだね。いつも通り行こう」
望美が手をつないできた。
「ななな、なにすんだよ!?望美!」
「な、なんかさ~私も周り見てたらむかついてきて、なら私たちもカップルみたいに。とか思っちゃって」
なんという、ナイスアイディア!望美は高校で可愛いと言われており、その彼氏に見られるのも悪くないかもしれない。というか一人寂しく歩いてる奴等より上に立てるんじゃないか?
しかし、緊張はするな。
「い、いいんじゃねぇ」
「うん、分かった」
はははははは、一人寂しく歩いてる奴らよ。俺はもうお前らの仲間ではないわ!
……………望美さんそれはちょっとやりすぎではないですか?
おかしいから、俺がそこまで譲歩したつもりは無いよ!?なんで、なんで…腕に抱きついてるんですか!
?そこまでカップルのふりはしなくていいよ!
落ち着け、まず落ち着け………ってできるかあぁぁぁぁ!!
そんで、なんで望美は顔を赤くしてんの!?そこまで演技上手かったっけ!?
だめだ、手と足が一緒にでてしまう。やばいって!
もしかするとだよ、実は望美は俺の事が………
「ど、ど、どうかしたの?陰君?」
ほらぁ!望美だって動揺してんじゃん!いままでの変な妄想は却下!これはあくまで演技!望美が頑張っ
てんなら俺だってやんねえと!
「寒くねぇか?」
望美の手から一旦脱出をして、俺は自分の着ていたコートの中に望美を入れ望美の肩を持ち俺の方に寄せ
た。半分、半分で使ってる状態だ。
はっっっっっっずかしいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!
死ぬ、俺もう死ぬ!穴があったら入りたい!
「あ、ありがとう」
望美!もう止めようって言ってくれ!どこまでいくか分からん!早く止めてくれ!
「………インと…望美ちゃんじゃない…か」
ぎゃああぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!
今絶対会いたくない秀と会ってしまった。秀の隣には唯もいた。
「如月先輩と清流先輩ってそうゆう関係だったんですか。おめでとうございます」
話が一方的に進んでやがる、止めなければ。
「こ、これは違うんだ!付き合ってるとかじゃなくて」
「如月先輩、彼女の前でそんなこと言うのは最低でクズの男が言う言葉ですよ」
唯!お前はもう考えを曲げないつもりか!?
「お、お、お幸せに…」
なんでこんな時に限って秀はつっかかってこねぇんだよ!
「頼む!間違いなんだ!これは……その…」
「私と陰君は付き合ってます」
うえぇぇぇぇぇっっっっ!?なんで!?ここまで演技しなくてもいいんだよ!?
望美の顔は真っ赤になっており、正気じゃなさそうだ。
「陰君と………」
望美はそのまま倒れてしまった。
▽▲▽▲▽
望美を近くの病院に運び、今は検査中だ。
「検査結果がでました」
白衣に身を包んだ医者が来た。
「ただの熱なんですが……ぞくに言う知恵熱みたいなものです」
「やっぱりですか…」
「そりゃあそうだ」
唯と秀が頷く。俺はまったく意味が分からなかった。
そのあと、望美が寝ている病室まで医者が案内してくれた。
「陰君は入ってこないでっ!!」
俺が入ろうとしたとき、望美が言ってきた。
「な、なんでだよ…」
「いいから…」
なぜか嫌われたみたいだ。もうなんなんだよ、望美の事が分からなくなってきた。
秀が俺の肩に手をおいた。
「気にすんなよ、お前が入ってきたらまた病気が発祥するからよ」
「そうです。如月先輩はおとなしく待っててください」
ということは、俺のせいで望美は倒れたのか…
「謝らせてくれ」
「謝る事はねぇよ」
秀が肩を叩く。
その手を払いのける。
「望美が傷つくとこなんて見たくないんだ!だからちゃんと話をしないと!」
俺は秀と唯の間を無理やり通って、病室に入る。
「い、い、陰君!」
一瞬にして望美の顔が赤くなった。なんでだ?俺のせいなんだよな。
「まずは、悪かった。それと、俺のどこが悪いか教えてくれ」
俺は望美の手を握りながら真剣に望美のことを見る。
「いいい、陰君のわわわ悪いとこここころは無いよ」
望美は顔を赤くして焦りながら話した。
「心配しなくてもいい」
俺は前に森の中でしたことと同じことをした。
俺は望美に抱きついた。
一気に望美の力が抜けた。
「おい!大丈夫か!?望美!」
俺は望みの両肩を持ち、激しく振った。
「いい加減に離せっっっ!」
秀が俺を突き飛ばした。唯も望美を守るかのようにして前に立ち塞がった。
「これは、いったい何なんだよっ!望美はなんの病気なんだよ!」
すると秀は一つため息をした。
「……望美ちゃんの病名は………恋の病だ」
「………え?」
「だから如月先輩、清流先輩は恋の病にかかってるんです」
…まて話が追いつかないぞ、いったいどこでその病気が発祥したんだ?というより、病気なのかそれは?まず大前提になんで恋の病にかかるんだ?俺はまったくしらねぇぞ。
「秀先輩、如月先輩の頭ってどうなってるんですか?」
「唯ちゃん、俺もまったく分かんない。教えてほしいくらいだ」