少年は後悔する
俺は苦境に立たされていた。
男として生まれ、16というこの年に女性の豊満なボディをちんけな二流雑誌で垣間見、己の内から沸き起こる衝動を日々暴発させているだけの侘しい生活を送ることのどれだけ苦痛なことか。
女性とお近づきになりたい。ただそれだけが俺の願いです。
ほんとそれ以上とか望まないからマジで。いやいやホントに。
なのに……なのに俺はなぜ、男子校なるものに入学してしまったのだろう。
俺は男子校にある種の畏怖を抱いていた。中学生の頃、友人に植え付けられた忌まわしき記憶。
それが元で俺はとんでもなく男子校を恐れた。
必死に勉強したんだ。
生来、飲み込みは悪い方だ。どこぞの漫画の少年みたいに、テスト0点とか偶にあったりした。
でも、必死に。がむしゃらに、一年勉強して。
そしてこのざまだ。
「……悪いことはいわん。今すぐにでも志望を変えろ」
高校三年の担任教師からの言葉。
一番聞きたくなかった言葉を受け、その瞬間俺の頭は完全にショートした。
中学で就業はさすがに厳しい。というかただ女のいる場所へ行きたいからといって就学に駄々をこねたらそれこそ自分の人間性が疑われる。こいつ頭おかしーんじゃねーのか的な目で見られかねない。
いやしかし、俺は納得できずにいた。
そうしてそのまま、俺は市内でもそこそこの男子校へと入学したのであった。
むしろ望ましいことだ。
この世には学習したくてもできない子どもだっている訳だ。
自分の身の丈に合わない学校を志望して、撃沈する奴もいるもんだ。
俺には、そういった不幸な巡り合わせはない。幸せなことだ、幸せなことなんだ。
――そう、あの高校に入学するまでは思っていたんだ……
まずはプロローグということで一つ。
まったり更新していくつもりです。