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××××王子  (side:黎人)

※渡された鍵 3年A組 朝の光景です。

朝、学校に行くと暗い顔をした男がいた。


「漣?」


「黎人・・・おはよ」


今日は漣が王子キャラになっていない。珍しいこともあるものだ。

可愛がっている妹が家に帰ってきて喜んでいるとばかり思っていたのにこの暗さはなんだ?


取り巻きの女達は元気がない漣を遠巻きに見ている。



取り巻きに聞かれると面倒だから、使っていない教室に漣を連れ出して事情を聴くことにした。


「元気ないな」


「・・・朝、利奈を起こそうと思って部屋に行ったら利奈がいなかった・・・」


あれからまた発作を起こして病院に運ばれたのか?


「それで?」


心配になって先を促すと深くため息をついた。

本当に何だっていうんだ?この落ち込みようは・・・


「・・・兄貴に知らせようと思って兄貴の部屋に行ったら利奈が寝てた・・・熟睡してた」


兄貴って史明さんだよな・・・?


「それって・・・」


「利奈は眠れないといつも兄貴のベッドに潜り込む・・・オレのところにはきてくれない」


マジで落ち込んでいる。

いや、おかしいだろ、落ち込むところじゃないだろ。


「漣・・・シスコン?」


「なんとでも言え・・・」


そう言って大きなため息をついている。学園の王子がシスコン・・・

きっと史明さんもシスコンなんだろうな・・・


「普段はオレが起こしても起きないくせに、兄貴が起こすとすぐに起きるし・・・行先はオレと同じなのに兄貴の車で学校に行ったし・・・」


漣のキャラが崩壊しているような気がするのは気のせいか?


「漣、利奈から見たおまえと史明さんの年の差を考えろよ」


利奈にとって2歳年上のおまえと6歳年上の史明さんじゃどっちが頼りになる兄貴が考えなくても分かるだろ?


「いやだ。わかりたくない」


バカ・・・


「利奈はやらないからな」


思い出したように言う漣の顔は真剣で、返事を返す代わりにニヤリと笑ってやったら物凄くイヤそうな顔でオレを見るから笑ってしまった。


「あんまり束縛すると嫌われるぞ?漣兄様」




昼休みにカフェテラスへ行くと利奈が友達と食事をしているところに漣はつかつかと歩み寄り利奈の正面に座った。


途端に周りの女達から声にならない悲鳴があがる。


顔をひきつらせている利奈と目が合ったが構わずにオレも漣の隣に座った。利奈の目が『なんでここに座るんだ』と言っていた。


「・・・利奈、オレのどこがだめなの?」


利奈の答えにオレは笑わせてもらった。

漣、おまえって・・・可愛い奴だったんだな


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