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闇と悪の違い


イシュレッドが黒い剣を振りかざすと、その一撃が空間を裂き、廃墟の床を砕く衝撃波を生み出した。アキラはすかさずトワイライトエクスカリバーを振り上げ、その波動を打ち消す。


「闇の力は、光と共にある時にこそ制御できる!」


アキラが剣を構えた瞬間、トワイライトエクスカリバーから眩い光が放たれる。剣に宿るスキルが解放されたのだ。


「『トワイライト・スラッシュ』!」


アキラが放った一閃が、イシュレッドの黒い霧を切り裂き、その胸元に傷を刻む。黒い血のような霧が流れ出し、イシュレッドの動きが一瞬止まる。


「ほう……その剣、ただの光と闇の調和ではないようだな。だが――!」


イシュレッドが再び黒い剣を振り下ろす。その一撃は、トワイライトエクスカリバーのスキルに匹敵するほどの破壊力を持っていた。


ミキもすかさず防御魔法を発動する。「光よ、盾となりて――『ルミナス・ガーディアン』!」


眩い光の壁がアキラを包み込み、イシュレッドの反撃を防いだ。


「ミキ、助かった!」アキラが振り返って叫ぶ。


しかし、イシュレッドの力は圧倒的で、悪の結晶の力が増幅されたことで、悪の波動はさらに広がり、空間そのものを侵食していく。


「これがこの世界の悪の結晶の力だ!」

イシュレッドは黒い剣を振り下ろし、その衝撃波が廃墟を揺るがせた。瓦礫が舞い上がり、衝撃がアキラとミキに襲いかかる。


アキラは咄嗟にトワイライトエクスカリバーを構えたが、衝撃波を受け切れず、地面に叩きつけられる。彼の体が何度も転がり、砂埃が舞い上がる。


「アキラ!」ミキが叫ぶが、次の瞬間、イシュレッドの攻撃がミキに迫る。

「光よ、盾となりて――『ルミナス・ガーディアン』!」


ミキは必死に防御魔法を展開するが、イシュレッドの闇の剣が光の盾を貫き、衝撃が彼女を吹き飛ばした。


「くっ……」

地面に倒れ込んだミキがストラテゴウスを握りしめながら、震える手で画面を操作する。だが、彼女の目には焦りが滲んでいた。解析速度が追いつかない。それどころか、結晶の力でイシュレッドの攻撃はさらに強化されている。


「これが、お前たちの限界か?」

イシュレッドは冷たい声で言い放ち、二人を見下ろす。その瞳には圧倒的な自信と冷酷さが宿っていた。


「何もできないなら、ここで終わりにしてやろう。」

彼は闇の剣を掲げ、結晶の力をさらに注ぎ込む。その剣が黒い雷を纏い、巨大な刃となって二人を圧倒する。


「くそ……どうすれば……!」

アキラは汗を流しながら剣を構え直したが、動きが鈍くなっているのを感じていた。


一方で、ミキも限界が近づいていた。ストラテゴウスの解析もイシュレッドの動きに追いつかず、光魔法を発動してもすぐに押し返される。


「もう無理なの……?」

ミキの心に一瞬、諦めの気持ちがよぎる。だが、その瞬間、セルスの声がイヤホン越しに響いた。


「ミキ、あなたはまだやれる!ここで諦めたら、クルスを助けることなんてできないわ!」


セルスの力強い言葉が、ミキの心を再び奮い立たせた。


「アキラ!」ミキが決意を込めて声を上げた。

「イシュレッドの動きは予測不能だけど、一瞬の隙なら作れるかもしれない!」


「どうやって……?」アキラが剣を握りしめながら問い返す。


「トワイライトエクスカリバーの力よ。それにはまだ解放されていないスキルがあるはず!私がタイミングを指示するから、信じて動いて!」


ミキの言葉にアキラは深く息を吸い込み、覚悟を決めた。「分かった……ミキ、頼む!」


ミキはストラテゴウスを使い、イシュレッドの攻撃パターンを解析し始める。「次に奴が剣を振り下ろす瞬間、左にステップして剣を掲げて!」


アキラはミキの指示通りに動き、トワイライトエクスカリバーを高く掲げた。その刹那、剣が眩い光を放ち始めた。


「来た……!」ミキが叫ぶ。



「スキル解放――『トワイライト・ラグナロク』!」

剣が解放された力を纏い、光と闇のエネルギーが融合して激しく輝く。


イシュレッドがその光を見て目を細めた。「その剣……!」

彼は即座に攻撃態勢を取るが、アキラが放った一撃が彼の黒い剣を弾き飛ばした。


「これで終わらせる……!」アキラが叫びながら剣を振り下ろすと、光と闇の刃がイシュレッドの体に直撃する。


「ぐああああ!」

イシュレッドの体が大きく揺れ、黒い霧が吹き飛んだ。


イシュレッドの体は傷つき、黒い霧がその周囲を漂っていたが、なおも彼は立ち上がり、両手を掲げた。

「まだだ……まだ終わりではない!」

その声には、執念と狂気が入り混じっていた。


イシュレッドの手から放たれた闇の波動が渦を巻きながら広がり、廃墟全体を覆い尽くそうとする。その力はこれまでのどの攻撃よりも激しく、地面が割れ、空気が震えた。


「俺はこの世界の悪意そのもの。だからこそ、この悪の力は消えることがない!」

イシュレッドの瞳が赤く輝き、その悪の力は限界を超えて膨れ上がった。


アキラはトワイライトエクスカリバーを構え、目の前の巨悪を見据えた。その瞳には、強い決意が宿っていた。


「お前の力は、単なる悪意だ。今まで戦ってきた闇の力はもっと強大だった。その悪意に染まった力なら――光で打ち消せる!」


イシュレッドの瞳が一瞬揺らぐ。その言葉に、微かに動揺を見せたのだ。


「この悪の力が闇より劣る……だと?」

イシュレッドは低く呟くが、すぐにその表情を険しくする。


「そんな言葉で俺を侮辱するか!ならば、その光とやらで俺を超えてみろ!」

イシュレッドの怒声が轟き、さらに闇の波動が強まる。


アキラの言葉を聞いたミキが、静かに目を閉じて深呼吸をした。その胸には、セルスの魔力が流れ込む感覚が広がっていく。


「セルス……頼むわね」

ミキの声には迷いがなかった。


「ええ、全ての魔力を注ぎ込むわ。ミキ、あなたなら絶対にやれる!」

セルスが魔力を送り込み、二人の共鳴がさらに深まる。


ミキは両手を掲げ、魔法の詠唱を始めた。その声は震えることなく、まっすぐに響いていた。

「光と闇の力よ、相交わりて闇を打ち払え――『ルクス・ノクティス』!」


ミキの魔法が発動した瞬間、彼女の前に光と闇が渦を巻きながら現れた。それはまるで二つの相反する力が一つに調和しようとするかのようだった。


「アキラ!」ミキが叫ぶ。「この力を、あなたの剣に託すわ!」


アキラは頷き、トワイライトエクスカリバーを高く掲げた。その剣がミキの魔法に反応し、さらに眩い光を放ち始める。剣から放たれる光と闇のエネルギーが融合し、一つの巨大な波動となっていく。


「これが俺たちの力だ――!」アキラが叫ぶと同時に、剣を振り下ろした。


剣から放たれた光と闇の波動が、イシュレッドの放つ悪の波動と激突する。激しい衝突音と共に、廃墟全体が揺れ動いた。


「ぐあああああ!」

イシュレッドの絶叫が響く。彼の体を包んでいた悪意が次第に剥がれ落ち、黒い霧が四方に散っていく。


ミキはその光景を見つめながら、力強く言葉を放った。

「闇は憎悪や悪意だけじゃない。静寂や秩序、安らぎもある。そして光は、希望や愛、勇気の象徴。だからこそ、光と闇は共存できるのよ!単なる悪に堕ちたあなたの負けだわ。」


その言葉がイシュレッドに届いたのか、彼の動きが止まり、表情が崩れ始めた。


「これが……調和の力……か……」

イシュレッドの体は崩れ落ちるように闇へと還り、その声も次第に消えていった。


廃墟を覆っていた闇が完全に消え去り、空が晴れ渡った。眩しい日差しが二人の疲れ切った体を温かく包み込む。


アキラは剣を地面に突き立て、荒い息を吐いた。「終わった……本当に終わったんだな……」


ミキも膝をつき、セルスに微笑んだ。「セルス、ありがとう……あなたがいなかったら、絶対に無理だった」


セルスの声が優しく響く。「いいえ、ミキ、これはあなた自身の力よ。それがアキラと共鳴したから、勝てたの。」


アキラはふと剣を見下ろし、呟いた。「トワイライトエクスカリバー……ありがとうな。お前もよく頑張ってくれた」


二人は互いに視線を交わし、疲労の中にも笑みを浮かべる。廃墟を吹き抜ける風が、戦いの終わりと新たな希望を告げていた。

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