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閃光の審判

戦いも終盤を迎え、ミルニアとエルスフィアの兵士たちは疲弊しつつもクルスの効率的な指示によって必死に戦場に踏みとどまっていた。


アゼルド帝国の軍勢もまた、闇の魔力に支えられ、勢いは弱まったものの襲ってきている。


クルスは《ストラタジア》と魔法構成アプリ《アルケウス》を駆使し、戦況を冷静に分析し続けていた。


画面に映る敵の配置を細かく把握し、次なる一手を素早く計算する。戦場全体を俯瞰した視点での戦術指示は、もはや秒単位で兵士たちの動きをコントロールしていた。


「セルスそろそろ決め切りたい。」


セルスもまた、クルスからの指示を受けつつ、前線で敵を迎え撃っていた。その剣捌きには一切の無駄がなく、鋭い動きで次々と敵を討ち取っていく。


しかし、彼女もまた感じていた。この戦いに終止符を打たなければ、いずれは味方の力が尽きてしまうと。


「クルス、最後の一撃を放つ準備はできている?」


セルスが短く問いかけると、クルスの声が即座に返ってきた。「ああ、ストラテジアの解析が完了した。最後の防御陣形を破るために、強力な魔法を発動させる。そのための詠唱を、最適化して転送する」


クルスは《アルケウス》を起動し、十二詠唱が必要な「閃光の審判」をわずか三詠唱にまで短縮する再構築を行った。これは、敵の最後の防御陣形を突破するための特別な魔法で、詠唱時間が短縮されたことでセルスの負担が大きく軽減される。


「セルス、三つの詠唱を完了すれば、敵陣を一撃で貫ける力が君に宿る。構築した魔法を転送する!」


脳裏に浮かび上がった呪文を目にし、セルスは力強くうなずいた。「これで決着をつける!」


セルスは両手を天に掲げ、クルスから転送された三詠唱を心の中で唱え始めた。「光よ、闇を貫き、真理の閃光となれ…閃光の審判!」


その瞬間、セルスの全身が眩い光に包まれ、彼女の剣が純白の光を帯びて輝き始めた。その圧倒的なエネルギーは、周囲の空気さえも震わせ、アゼルド帝国の兵たちを一瞬怯ませた。


セルスは、敵の最後の防御陣形を睨みつけると、全身の力を込めて前方へと駆け出した。光の刃が闇を裂き、彼女の剣から放たれた閃光が敵の隊列を一気に貫く。


その威力は圧倒的で、アゼルド帝国の精鋭部隊でさえも立ち向かうことができず、次々と倒れていった。


後方で戦況を見守っていたクルスは、全軍へ最後の指示を送った。「今だ、全軍突撃!セルスが切り開いた道を駆け抜けろ!」


エルスフィアとミルニアの兵士と冒険者達は、クルスの号令に応じて士気を奮い立たせ、一斉に敵陣へと突撃を開始した。彼らはセルスの放つ閃光に導かれ、クルスの指示を受けて寸分の狂いもなく敵陣を突破し、アゼルド帝国の最後の部隊を包囲し始めた。


セルスの一撃によって形成が崩れたアゼルド軍は、反撃の余地もなく追い詰められ、ついに撤退を余儀なくされた。圧倒的な力の前に、闇の兵たちは退散し、ミルニアの地から去っていった。


セルスは剣を納め、勝利の息を整えながら、通信越しにクルスへと微笑みかけた。「クルス、ありがとう。君の力があってこそ、この勝利が掴めたわ」


クルスもまた、スマホの画面越しに微笑みを返し、安堵の声を漏らした。「全ては君の力だよセルス。これでミルニアを守ることができた。目標達成だ。」


セルスとクルスの完璧な連携によって成し遂げられた勝利は、ただの戦術的なものではなく、互いの信頼と絆がもたらした結果であった。



ミルニアの戦場が静けさを取り戻したころ、セルスは王宮の謁見の間でミルニア国王レオフォルドと面会していた。


戦いの疲労が体に残ってはいたが、彼女の顔には確固たる決意が宿っていた。エルスフィア王国もまたアゼルド帝国の脅威にさらされており、一刻も早く帰国しなければならないと感じていたからだ。


「セルス殿、まずは感謝を申し上げねばなりません。エルスフィアからの援軍がなければ、我が国は今頃……」


国王レオフォルドは感謝の意を込め、深々と頭を下げた。


セルスは静かに頭を振り、「ミルニアを救うことは私たちにとっても義務でした。私たちの協力で、この地が守られたことを嬉しく思います」と答えた。


そして言葉を続けた。「ですが、私たちのエルスフィアもまたアゼルド帝国の脅威に晒されています。一刻も早く帰国し、王国を守る準備をしなければなりません」


レオフォルドはしばし考え込み、やがて頷いた。「それならば、我がヴァルハルト部隊を共に連れて行くとよい。レオンが君たちと共にあれば、きっと大きな助けとなるだろう」


この申し出に、セルスは少し驚きの表情を見せたが、すぐにその意図を理解した。「国王陛下、そのようなご厚意をいただけるとは……」


「セルス殿、この大陸が今、闇の脅威に覆われつつあることは明らかだ。ミルニアを守っただけでは、真の平和は訪れない。我らもまた、エルスフィアを守るためにできる限りのことをしたい」


その言葉に、セルスは深く頷いた。国王の言葉には誇りと覚悟が込められていた。


謁見の間を出ようとしたとき、背後から力強い声が響いた。「俺たちも、エルスフィアに力を貸すぜ」


振り返ると、S級冒険者のエリス、ガイア、そしてルシルがそこに立っていた。彼らはすでに戦いの準備を整え、力強い眼差しでセルスを見つめていた。


エリスが微笑んで言った。「あなたたちの国も、この大陸を守るために重要な場所だわ。ここで終わらせるわけにはいかないからね」


ガイアも静かに頷き、厚い胸板を叩いて続けた。「エルスフィアが危機に瀕しているなら、この盾が役に立つはずだ。俺は仲間を守るためにいるんだ」


最後に、ルシルが口元に微かな微笑を浮かべ、低い声で言葉を続けた。「大陸を守るためなら、どんな場所だって影のように駆けつける。それが私の仕事さ」


彼らの申し出に、セルスの胸には温かい感謝の念が湧き上がった。「ありがとう、皆さん。本当に、これほど頼もしい味方がいるとは……エルスフィアは、必ず守り抜くことができるでしょう」


そしてセルス、レオン、そしてS級冒険者たちは、エルスフィアを目指し進軍を開始した。





見て頂きありがとうございました!


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