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開戦

ミルニア王国 - 開戦

陽光が草原に差し込む中、ミルニアの軍隊と冒険者たちは戦列を整え、迫りくるアゼルド帝国の軍勢を待ち受けていた。国王の号令により集結した冒険者たち、そして軍神と呼ばれるレオン・ヴァルハルト率いる精鋭部隊が一堂に会し、国土を守るために一歩も引かぬ覚悟を決めている。


アゼルド帝国の軍勢が姿を現した瞬間、その圧倒的な威圧感と異様な雰囲気が辺りに広がった。


黒と赤の甲冑を身にまとい、鋭利な斧や長剣を構えたヴァルザーク親衛隊が前列に立ち、冷たい眼差しでミルニア軍を睨みつけている。彼らはまるで機械のように恐怖を感じず、規律正しい動きで進軍してくる。


その背後には、呪いによって異形化した「闇の呪兵」たちが控え、まっすぐに進みながら呪符の光を暗く輝かせ、重厚な鎧から瘴気を放っていた。


顔には無表情の仮面を付け、視覚や聴覚に頼らず、冷徹に命令に従う異様な兵士たちが進軍する姿は、まるで悪夢そのものだ。


レオンはアゼルド帝国の軍勢を目にして違和感を覚える。

「これは…まるで魔女の軍勢ではないか」


「これが……アゼルド帝国の闇の力……」

冒険者の一人が息を呑む中、Sランクの冒険者、焔の精霊使いエリス・フォージャーが前に出た。赤い髪を翻しながら、彼女は火の精霊の力を解放し、強烈な炎を呪兵たちに向かって放った。


「守るべきものがあるからこそ、人は強くなるのよ!」


彼女の手から放たれた火炎が呪兵の列を焼き尽くし、闇の力で強化された肉体が炎に包まれ、その場で倒れていく。


しかし、次から次へと呪兵が前進を続け、彼らはほとんど恐怖を感じることなく突撃してくる。焔の精霊使いは表情を引き締め、次の一手に備えるべく炎の力を強化する。


一方、ヴァルハルト部隊は、軍神レオンの指揮のもと、陣形を組んで敵の突撃に備えていた。その隊はまさに少数精鋭。ミルニアが中立を保つ事ができる最大の理由でもあった。


鋼の鎧をまとい、揺るぎない盾壁を形成し、まるで山のようにその場に立ちはだかる。彼らの盾を前に、敵の獣戦兵たちが突進するが、巨大な盾と剣の連携で迎撃され、次々に押し返される。


「ここは、ミルニアの大地だ。我らは一歩たりとも退くつもりはない!」


レオンが叫び、その声が兵士たちの士気を高める。獣戦兵が爪と牙で襲いかかるが、ヴァルハルト部隊の隊員たちは冷静に彼らを迎え撃ち、確実に討ち取っていく。


そして、不動の盾ガイア・バルザックが仲間の冒険者たちを守るべく前に出た。彼の巨大な盾が呪兵の攻撃を防ぎ、瘴気の中でも動じることなく立ち向かっている。呪兵の剣が盾に叩きつけられるが、不動の盾はびくともせず、仲間たちの防御を一手に引き受ける。


「この盾がある限り、仲間に手出しはさせんぞ!」


さらに、影の風刃ルシル・フェンリスが闇の中に溶け込み、シャドウアサシン部隊に立ち向かっていた。彼女は素早い動きで影から影へと移動し、短剣で敵の首を的確に狙い、音もなく仕留めていく。アサシンたちが反撃しようとするが、影の風刃の姿を捉えることができないまま次々と倒れていく。


「影に紛れるつもりなら、私のほうが一枚上手よ」


影の風刃は冷静な表情を浮かべ、次の敵に照準を合わせていた。


しかし、戦いは一進一退を続け、アゼルド帝国の魔法師団が瘴気を放出し、戦場を混沌とさせ始める。闇の宝石から放たれる邪悪な魔力が視界を奪い、ミルニア軍と冒険者たちの体力をじわじわと削り取っていく。王国軍の士気が少しずつ下がりかけたとき、焔の精霊使いエリスが再び炎の力を全開にし、瘴気を吹き飛ばすように火柱を立てる。


「皆、しっかりして!私たちはミルニアを守るためにここにいる!」


その声に呼応するように、不動の盾レオンとヴァルハルト部隊も盾を構え直し、戦線を維持した。瘴気に苦しみながらも彼らは揺るがず、次々と敵を撃退していく。冒険者と兵士が力を合わせ、アゼルド帝国の圧倒的な軍勢に一歩も引かぬ戦いを繰り広げていた。

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