ディブロスとリアの最終決着
リアの体には大地の精霊が生み出した守護がまとわりつき、ディブロスの猛攻を受け流していた。しかし、その代償として彼女の身体も限界に近づきつつあった。
クルスの支援で高位の魔法を次々と駆使してきたものの、暗黒龍ディブロスの力は圧倒的だった。
視覚共有をしながらの戦いはリアにも負担がかかっていた。
「リア、このままじゃ消耗しきってしまう……最後の一撃にかけるしかない!」クルスの声が焦りを帯びて響く。
リアは深くうなずき、手にした精霊の剣を見つめた。「……クルス、もう一度、君の力を借りるわ」
魔法翻訳アプリであらゆる攻撃魔法を検索した。すると一つの魔法が目に留まる。
「リア、これだ!十二詠唱の『天雷の降臨』。だけど……詠唱数が四つも超えてしまう……」
「……四詠唱か……」リアは息を整えながらその詠唱数に躊躇した。だが、クルスと視覚共有で繋がる今の共鳴の強さが、いつも以上の力を引き出しているのを感じていた。
「リア、君ならできる。共鳴が今まで以上に強まっている今、君なら四詠唱を超えて放てるはずだ」
リアは決意を固め、静かに深呼吸をし、天を仰ぐように剣を掲げた。視覚共有による精神的な負荷がじわりと押し寄せるのを感じながらも、彼女はクルスと共に戦っていることを胸に詠唱を始めた。
「雷鳴の力よ、我が剣に宿り、暗黒の災いを討て――天雷の降臨!」
あたりに静寂が訪れる。リアの詠唱を大地が聞いている感覚に包まれる。自由自在に魔力をコントロールできる感覚がリアにはあった。
その瞬間、強大な魔力がリアの体に流れ込み、その負荷が彼女の精神をさらに圧迫する。
共鳴を維持しながら長い詠唱を続けることがいかに難しいかを、リアは肌で感じていた。
視覚共有でディブロスの猛威を目の当たりにするたびに、恐怖と集中を同時に維持することが困難になっていく。
「リア、あと少しだ!魔力のコントロールに集中して……君ならできる!」クルスの励ましが届き、リアは歯を食いしばり、全力で魔力を制御した。
やがて剣先が青白く輝き、リアは最後の一撃を放つための詠唱を続ける。「降臨せよ、雷の裁きよ!」
彼女が全力を込めて振り下ろすと、剣から放たれた雷光がディブロスに一直線に飛び、広間を閃光が包み込んだ。暗黒龍ディブロスは雷に飲まれ、全身が焼き尽くされていく。
光が消え去ると、ディブロスは巨体を崩し、静かにその場から消え去った。リアは安堵の息をつき、膝をついて深い呼吸を整えた。「……終わった……」
クルスの声が優しく響いた。「リア、よくやった。本当にすごいよ……」
リアは彼に向かって微笑みながら、深い疲労の中で「ありがとう、クルス。君がいなければここまで来られなかったわ」と静かに答えた。
二人は深い共鳴の中で、勝利に安堵した。
「さあ目的のものを回収して戻ろうか。」
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