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大広間の罠

リアは大広間の扉を開き、目の前の景色に息を呑んだ。視覚共有によってその光景はクルスのスマホにも映し出され、二人は一緒に古の書を見据えた。


広間の中心で、何か神秘的なオーラをまとった本がまるで待ち構えているように鎮座している。


「リア、あれが古の書か?」クルスが尋ねる。


リアは少し距離を置きながら古の書を見つめ、確信を持てない様子で答えた。「遠くてわからないけれど、おそらく……」


大広間には不穏な静けさが満ちていた。クルスはリアと古の書が揃うということが、闇の魔女の封印解除の条件が揃った可能性を示唆していると考え、慎重になるべきだとリアに警告した。


「リア、ここで古の書を見つけられたのは良いけど、あまりにも簡単すぎる……警戒を怠るな」


その瞬間、大広間の扉が急に閉じ、巨大な音が響き渡った。リアは剣を構えたが、すでに状況は動き出していた。


古の書が怪しく光り出し、まばゆい光が辺りを包み込む。そして、光が収束すると、その中心から巨大な龍が現れた。


「クルス、これって……」


クルスは急いでスマホでスクショを撮って、異世界ブラウザでその龍の姿を検索する。「これは……リア、気をつけて!これは暗黒龍ディブロスだって。危険度は………SS!」


リアは目を見張った。ディブロスの漆黒の鱗が暗闇を映し出し、その瞳には凶暴な光が宿っている。


体全体がまるで暗黒の力で編み込まれているようで、その圧倒的な存在感がリアの身に重くのしかかってきた。


「エルフの伝承で伝説の……厄災をもたらしたと言われる暗黒龍だわ。私たちが本当に勝てるの?」リアは思わず声を漏らしたが、クルスは彼女を鼓舞した。


「今はリアルタイムで繋がってる。必ず君をサポートする」


その言葉に背中を押され、リアは意を決して剣を構えた。彼女の視界に映るディブロスの動きが、クルスにもリアルタイムで伝わり、二人は完全な連携を取る準備を整えた。


ディブロスが激しい咆哮をあげ、空気が重く揺れ動いた。その瞬間、龍の口から炎のブレスが放たれ、猛烈な勢いでリアに向かって襲いかかってきた。


「リア、十詠唱の防御魔法を発動しよう!」クルスが即座に判断して指示を飛ばす。


リアはその言葉に従い、集中して詠唱に入った。「聖なる力よ、我が身を守れ——聖盾の結界!」


三詠唱で発動した結界が、リアを包み込むように展開される。そして、迫りくる炎のブレスが結界にぶつかり、激しい光と音を発しながら耐え抜いた。しかし、その一撃の凄まじい威力で結界は大きく揺れ、今にも破壊されそうだ。


「リア、耐えろ!俺がすぐに次の魔法を探す!」クルスはスマホに集中し、さらに強力な防御手段を検索し始めた。


リアルタイムで繋がっている事もあり、いつもよりもスピーディに対処できている。


リアは防御を維持しつつ、剣を握りしめて次の一手を待つ。「いける!これが視覚共有の力なのね。」


ディブロスが再び動きを見せ、その巨体を一気に振りかざして広間を揺るがした。リアとクルスは、この戦いが今までのどの戦闘よりも危険であることを実感していたが、二人の心は一つに結びついていた。

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