表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼らの登らない古塔生活  作者: うめつきおちゃ
そびえる塔、群がる人たち
6/50

新人ですけど

驚いて声が出た。


自分がルーキーとして紹介された人たちもルーキーってどういう事だ。


雰囲気から熟練でないことはすぐわかったが多少なりの最低限の経験値はあるメンバーなのかと、勝手に考えていた自分がいた。


ローガンとか言ったあのおっさん!アイツ何考えてんだ。


普通こういう時はある程度慣れた奴らのところに初心者をぶち込んで色々と勉強させるもんだろ。


ルーキーの寄せ集めなんてなんかの冗談か。

と不安そうな顔を隠せずにいると。


「いやー実はここのみんなは1ヶ月ほど前に今の君と同じようにここに来たばかりなんだ。先輩ってほどじゃなくてごめんね。」


とクラマーが教えてくれた。

気がきくのはありがたい。


([この場所へ来る]のは時期がある程度決まっていて、尚且つその際は何人かが同時に来るのが通例なのか。)


そう仮定すると時期ハズレと言われたのもかわる。


しかしまぁ

1ヶ月、1ヶ月か。

その差があればわかることわからないことは大きな差があるだろう。

なにせ自分自身のことすらなにもわからないのだから、月とスッポンだ。


(とはいえたった1ヶ月か。あまり頼りにはならなそうだな。)


なんて考えているとノツダとかいう少年の腹が鳴った。


「なんでもいいけど腹減ったぜ。」なんて呟いてる。


ふーっ、と息を吐き気持ちを整理する。


「いや、何もわからない俺からすれば十分に先輩だよ。迷惑かけないよう気をつける。」


なにもわからない暗中模索の現在、彼らに頼ることもないとは言えないだろう。


(シエルとか言う少女とノツダとか言う少年に頼ることはなさそうだけど。)


しかし逆に全員ルーキーなら全員で成長すればいいとも言える。


というかそれしか選択肢はないだろう。


そうじゃなきゃココに連れて来られるわけないんだから。

そうだろ、ローガン。


「迷惑なんてお互い様だし気にしないでよ。みんなで協力して良いパーティになろうね。」


とクラマーが爽やかに言った。そして、


「とりあえずいい時間だしアヤトの歓迎会と親睦会も兼ねて食事でもしようか?」


とクラマーが全員に提案する。いつの間にか外は夕陽が差していた。


「話、おわったー?腹減ったぜ、まったくよぉーアレ残ってたっけアレ、生姜鹿!」とノツダ

「まだいくらかは干したのがあった筈だけど。」とノエルが中庭のような場所に向かいながら答える。そこがキッチンのようなものなのか。


「よろしくおねがいします。」と小さく挨拶をするシイナにコチラこそよろしくお願いしますと返す。


こうして俺はこのルーキーパーティに加入することになったのだ。

それにしてもアキラってなんなんだろう、後で聞いてみるか。


食卓につくとパンとスープと干し肉が出た。

見ただけでそれがなんなのかわかったが干し肉になったであろう生姜鹿とやらがわからない。



俺が覚えてないから、と言うよりもそもそもの記憶にない食材なのかもしれない。


っと気になったのでシエルに尋ねると

「塔で獲れるのをこっちで家畜化してるんだよ。そのうち紹介するね。」


と言っていたので多分ココにしかないものなんだろう。


(塔で獲れる?あの古塔の中に生態系でもあるのか?)


不思議そうにしていて、職の進まない俺にクラマーが教えてくれたが、曰く、


「塔の中のものはほとんどが記憶にないもの」らしい。


さっさと食べ終えたノツダが早々に部屋へ戻り今日は一旦解散となった。


クラマーに連れられ建物の2階へいく。


「ここが君の部屋だよ。」とベッド以外何もない狭い部屋を紹介された。


「狭くてごめんね。嫌だったら僕と替えようか?ノツダと相部屋になるけど。」


狭くても個室なだけありがたいと伝えると笑って隣の部屋に入っていった。クラマーとノツダは隣の部屋のようだ。

することもないので少し窓代わりの板をどかし夜風に当たり物思いに耽る。


(最初は記憶も何もなくどうしたものかと思ったがとんとん拍子に寝床と仲間と食事を手に入れてしまった。)


思ってたよりも夜風が冷たい。


そして夜が更けて、日が昇る。


2024/08/08 加筆修正しました。


もしわざわざ読み直されてる人がいましたらお手間かけて申し訳ありません。

そしてありがとうございます。

PV数を見るたびに元気とやる気をいただいてます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ