表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼らの登らない古塔生活  作者: うめつきおちゃ
少年が、我に帰る
31/50

いつもとちょっと違う朝

昨晩、帰るとノエルは先に帰っていたようでシイナと2人で夕食の準備をしてくれていた。

クラマーはシイナと庭先でトレーニング中のノツダを呼び出し話を始めた。


それを見たノエルに「あれは?」と聞かれたので説明すると驚いていた。


「そっか、話すんだね。」


「子供は子供扱いされるの嫌がるもんだろ。」


「そうだったかも。忘れてた。」


と言って野菜を渡してきたのでノエルを手伝いながら庭の方に意識を向ける。

なんとなく3人の雰囲気が暗くなったのを感じた。


「アヤトがこのパーティに入ってくれて良かったよ。」


「え?ごめん、聞いてなかった。」


「なんでもないよ。」


ノエルがこちらを見て微笑んでる。

庭に意識を向けすぎていた。

目の前で鍋が吹きこぼれる。

ノエルの微笑みが威嚇する獣型モンスターに見えてきた。


夕食の支度が済んだ頃、3人が戻ってくる。

ちょうど話が終わったようだ。

5人全員で食卓を囲む。

クラマーが口を開いた。


「みんな、今朝はごめん。頼りにならないリーダーだけどこれからも宜しくね。」


「そんなことないよ!クラマーはいつだって優しいし頼りなるし。わたしにとってクラマーは最高のリーダーだよ!」


赤い目をしたシイナが吠えた。


ノエルが何かを言いかけた結果ノドに食事を詰まらせたノツダの介抱をする。

そそっかしいやつだ。


「クハッ!フッーフッー‥」


「だからいっつもよく噛んでゆっくり食べなさいって言ってるでしょ!!あと口にモノ入れて喋らないの!」


ノエルのカミナリが落ちる。

クラマーとシイナがそれを見て笑っている。

気づいたら俺の口角も上がっていた。

元通り、いや前より関係は良くなった。


と思ったが人生はそんなに都合良く上手くいかないらしい。


翌日、朝食後のブリーフィングの結果日帰りできそうな範囲で上の階層を目指してみる事になった。


クラマー曰く、今日1日で3階層か運が良ければ4階層辺りまでいけるらしい。


そして知らなかったのだが3階層などの1階層より上から帰る場合、登りは1つづつしか上がれないが下りは1度に外までいけるとのことだ。


「つまり階層登ったあと近くでなら多少の無理が効くのか。」


と言うと、クラマーはピンと来てないようだ。


「いやほら、すぐ帰れるなら大怪我しても安心じゃん。‥いやほら、わざと命を捨てるようなイチバチなのはダメだよね。うん」


クラマーの目がうっすら黒くなってきたので軌道修正した。

良かった怒られずに済んだ。


「ヨシっ!じゃあ出発だ!」


このパーティで初めて[攻略する為]に塔へ向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ