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彼らの登らない古塔生活  作者: うめつきおちゃ
そびえる塔、群がる人たち
3/50

古びた塔と広場

ローガンと名乗る大男について歩く。


「今いるここは古塔前広場と呼ばれてる場所だ。そのデカいのが古塔、どちらも見たまんまの名前だからわかりやすいだろ。」


髭を揺らしガハハ、とローガンは笑って言った。

どうやらこの街を、いや集落を紹介してくれるらしい。


「古塔への入り口は一つだけだ。見えるか?あの石碑があるところだ。そこから真っ直ぐに広場を抜けると旧市街と我々の呼ぶ区画があってそこが居住区だ。」


ローガンはこちらの相槌を待たずに案内をしてくれる。まるで優秀なガイドだ。


入り口と呼ばれる方を見ても塔の中に入れるようには見えない。


(なんだアレ?遠くてよく見えないな。)


そこには塔の壁面にアーチ状の大きな凹みがあり、そこに光る石碑のよう石の板があるだけ。


果たしてアレはどうやって光っているのか。

何か書いてあるようだがこちらからは読めない。


「古塔、広場、居住区どれも固有の名前がないんだな。」


(覚えやすいな。)と思い尋ねると


「さっきも言ったろ、俺たちもみんなお前と同じで記憶がないんだ。だから名前も知らない場所で生活してんのさ。」


とローガンは言った。

少しだけもの寂しそうな雰囲気が伝わってきた。


古塔から扇状に広がった広場に屋台のような出店がたくさん出ていて、そこには肉や野菜や魚のようなものから武器や防具のようなものが並んでいる。


(川なんて見当たらないのに魚なんてどこから入手しているのだろう。)


そしてなんと、家具を売ってる出店もあった。

どうやら、この広場は一帯の経済中心地を担っているようだ。


「店はこの広場にしかないからな。何か欲しいもんがあったらここに来ればいい。」


古塔の入り口から正面は店がないので大通りのになっていて歩きやすい。迷うこともなさそうだ。


広場を抜けて旧市街と呼ばれる区画に入る。


旧と言われるだけあってどの建物も相応に古びている。

足元の石畳はほとんどが機能していない。


しかしガレキやゴミや廃棄物が放置されてるような雰囲気や臭いはしないので人の手が入っていることは間違いのだろう。


(本当にみんなここで生活してるのか。)


ローガンが思い出したように、


「そういえばお前、ホログラムは見ただろ?半透明の。アレを神の使いだとか言う奴がいるがアレがなんなのかわかってる奴は誰1人いねぇ。誰1人だ。だから勝手にあーだこーだ決めつけて声高に言ってると嫌われるから気をつけろよ。」と言った。


この大男は見た目のとおり兄貴肌のいい奴そうだ。

ついてきて正解だったかな‥、


見た目‥あれ?俺ってどんな見た目なんだ?それすらもわからない事に今更気づいた。


わかるはずもないのに顔の輪郭や鼻や口に手を当てて確かめていると


「安心しろ、今から行く宿には汚いが鏡もある。そこで自分の顔を確かめてみろ。ハッ懐かしいな。俺もみんなもそうだったよ、来たばかりの頃は自分の顔もわからなかった。」


ローガンが少し懐かしそうにそう言った。



「アンタは‥ここにきて長いのか?」



「っと着いたぞ」


タイミング悪くどこかに着いたようだ‥‥

コレが俺の今夜の寝床になる場所か‥。


「俺の仕事はここまでだ。中途半端で悪いがやらなきゃいけないことがあるんでな。あとわかんない事があったらそこに住んでる奴らに聞きな」



「アンタが案内役じゃないのか?」と尋ねると


「ガハハハ!俺が案内人に見えるか!笑えるな。」


ローガンはそう言ってもと来た道を戻って行った。


さて1人になった、どうしたものか、今の話だとココが紹介したい場所でここにいる人が案内役のようなものなのだろう。

と思案していると。


「‥あの、えっと、どちら様でしょうか‥?」



少女が声をかけてきた。


2024/08/08 加筆/修正しました。


読んでいただきありがとうございます。


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