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彼らの登らない古塔生活  作者: うめつきおちゃ
少年が、我に帰る
29/50

登らない理由[後]

「どこまで話したっけ?」


飲み物を持って戻ってきたノエルが尋ねて来る。


「クラマーの他に5人、併せて6人が同時にここへ来たって。」


「ありゃ、まだそんな序盤だったっけ。脱線しちゃったね。」


「いや、脱線した部分の話も知らない話だったから有り難いよ。」


「わかるわ。知らない事が多すぎて、ていうか何にも知らないから話すだけで勉強になるよね。」


ノエルは俺より早くここへ来たとはいえ、実際はほんの一月とかその程度の差しか無いのだ。

交友関係の広いノエルは自分と1ヶ月しか差がないとは思えないくらいこの世界を熟知しているから忘れそうになる。


「おっと、また横道に逸れちゃうトコだった。えっとね、クラマー達は6人だけどパーティは基本5人までだから、1人余っちゃうでしょ。」


塔へ入る上限が1度に5人までというのはこの世界での基本だ。

それ以上だと塔の入り口の石板が反応してくれないらしい。

試したことはないが先人たち誰もが5人まででパーティを組むところ見ると試す必要もないだろう。


「だけど6人の中に1人幼い子がいてね、今のシイナより幼かったみたい、だから基本、その子はお留守番って事にして6人で生活を始めたんだって。」


幼かった[みたい]と言う表現が引っかかる。

引っかかるというか、多分そうなんだろう。

ノエルも表情が暗くなり、語気も弱くなる。


「ルーキーだけのパーティって最初はカツカツでその日暮らしになりがち、らしいんだけどクラマー達は凄く強くて最初から順調だったんだって。

半年くらいそんな感じでやってたらある日、その幼かった子がワタシも行きたいって言い出して、みんなは止めたけど本人の意思が固かったのと当時のリーダー兼エースが[俺が守るから平気だ]みたいになっちゃったんだって。」


「つまり、その子を塔の中へ連れて行ってしまったって事か」


「うん。この話を聞いた時、クラマーは何度も止めるべきだった。って後悔してたよ。結局そのパーティはリーダーとその子の2人を戦闘で亡くしちゃってね。」


やっぱりか。

言い方から途中で予測はついたが、


「辛いな。」


と呟くと、うん。とだけノエルも呟く。

太陽が真上に昇り昼食を買いに来たのか人が少し出てきたようだ。

辺りが騒がしくなり始める。


「場所変えよっか。」

と言ってノエルは歩き出し俺もそれに続いた。


広場の大通りではなくさらに裏へ進むと塔の中から持ち帰った植物や小型モンスターを育てている区画に出る。


そちらへ歩きながらノエルは口を開く


「5階層まで登るのに丸2日かかったらしいよ。そこで仲間2人を失って、しかも急いで登るから収穫物もほとんどなくて。だったら上に行くより下で稼いだ方がみんな幸せになれるって。」


「なるほどな、それでクラマーは登らない生き方を選んだのか。」


「聞いただけだからわからないけど、そのあとも色々あったみたい。結局そのパーティは解散してみんなバラバラになったわけだし。」


「そして今、俺たちのリーダーをやってる、って繋がるわけだな。」


そう言うこと。とノエルは行って木陰に座った。

高原には生えていない種類の木が大きな影を作ってくれていて比較的過ごしやすい。

木の横に看板があり[樹海の木]と書いてある。


「でもこうやって木陰で涼めるのも上層階を目指してくれた人たちのおかげなんだよな。」


と俺が呟くとノエルが、そうなんだよね、と少し気まずそうに笑っていた。

友人に相談して読んでもらいアドバイスと感想を頂きました。

なんとなくわかってる気になってた部分を指摘してもらったのでわかってなかったという事を知れました。


勢いと自身の気持ちよさで書いていました事を反省しこれからはできる限り読みやすく理解しやすいものを書いていこうと思います。

これからもどうぞ宜しくお願いします。

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