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彼らの登らない古塔生活  作者: うめつきおちゃ
少年が、我に帰る
27/50

いつもと違う朝

「5階層…。」


クラマーは思い煩うように眉をひそめノエルの方へ何やら視線を送る。

なんて言って却下しようか、といったところだろう。

せっかくなので気になっていた事を聞いてみる。


「階層を上がっても敵がいきなり強くなったり飛ばされる場所が変わったりはしないんだよな。」


前に確かそんなことをクラマーから聞いた気がするので続けて


「でも、この間ローガン達と行った…たしか28階層だったかな。あそこは雪山だったし、それに適応した様なモンスターがいたんだ。それってなんかおかしくないか。」


「あれ?クラマー、それについてアヤトに説明ってしてなかったっけ。」


「あっ、してなかったかも。」

クラマーがしまった、といった表情で額を叩いた。


「聞いた覚えはないから説明してもらえると助かる。」


と説明を請うとノエルとクラマーが2人で説明してくれた。

大まかに掻い摘むと[所定の階層]を越えると大きく環境が変わるらしい。


そして直近だと6階層がそれにあたり、7階層からは別世界が広がるということだ。


暗く沈んでいたノツダの眼に少し光が戻った。

冒険心がくすぐられたのだろう。


相変わらずわかりやすいヤツだな。


これまでのシイナなら逆に目を伏せていたであろう話題になったのに姿勢を正したままだ。

もしかしたらシイナはそれを望んでいるかもしれない。


「新しい環境か。みんなはそこについて何か知ってたりするの?」


「知らない」


俺の質問に被せる様にクラマーが答えた。

珍しくトゲがある。

シイナが少しだけ怯えたような目をしてる。


「ごめん。とりあえず今日は一旦解散しよう。」


と言ってクラマーは出て行った。


「クラマー‥」


ノエルが小さく呟く。


クラマーとノエルが真剣な顔をして2人だけで深夜、話してるところを何度か見かけたことがある。


その時は多分このパーティにおける引率組としてのミーティングかなにかだろうと思っていたけど、今の様子を見るにきっとクラマーが上層階を目指さない理由や原因についても何か知ってるだろう。


誰かと2人だけで真剣な話をするほどの関係を自分はまだ築けていない。


気まずい雰囲気に耐えかねて部屋に戻るとノックの音が聞こえたので扉を開けるとノエルがいた。


「話がある。」


年少組に聞かれたくないのか外で話そうと誘われたので2人で外出した。

シイナとノツダが何か察したようにこちらを見送っていた。

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