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彼らの登らない古塔生活  作者: うめつきおちゃ
そびえる塔、群がる人たち
12/50

今度こそ家に帰る

落下時に棍棒を落としたらしく相対するゴブリンは素手だ。

川に浸かったままゴブリンが飛び出してくる。


バシャッッ!!、


ゆうに3メートルは跳んだように思える。


ガードの姿勢をとる、フリをする。


コイツはこのまま飛びつき押し倒して顔を噛みつき嫌がって外そうとする手や指も噛み千切る。

そういう獣のような戦法なんだろう。となんとなく読めた。


読めたのでガードのフリをして腕を前に出したらゴブリンはソレを狙ってきた。


上半身を狙って跳んできているので上半身を先に倒し捻りその反動で足を思い切り振った。


カウンターが決まった!

振った足がゴブリンの側頭部を捉えて吹き飛ばす。


「どーだバケモン!!これが人の知恵だ!!」


ハイキックが完璧に入ったゴブリンは何が起きたかわかっていないようで放心している。


ダメージそのものより、どこから攻撃されたのかがわかってないようだ。


(そらそうだ、モンスター同士じゃフェイントなんかほぼないだろうしな。)


先ほどまでとは打って変わって怯えた臭いがする。


目を逸らさず睨みつけたまま体勢を立て直すとゴブリンは脱兎の如く逃げ出した。


倒せなかった、が負けを認めさせる程度には戦えたらしい。

ふと隣の戦場へ目をやると中央のゴブリンも倒れていて喜んではしゃいでいるノツダが見えた。


(そうかアイツはコレを見て逃げたのか。)


ほんの少し悔しかった。

自分の強さに怯えて逃げたと思っていたからだ。


幸い誰も目につく範囲では怪我をしてないらしい。


ふーっ!と、クラマーが彼らしくないため息を吐いていたので笑ってしまった。

そんなコチラに気づいたのかバツの悪そうな顔をした後、

「よし!魔法石だけすぐに剥ぎ取って帰ろう!」と見知った姿に戻り号令をかけた。


二の轍は踏まない。

すぐ全員で連携して解体を済まして魔法石を2体分取り出すと急いでしまって、そそくさとその場を去った。



今度こそ帰ろう。あの家に。


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