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evil tale  作者: 明間アキラ
第三章 「順応」 ー第三地区編ー
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第十九話「第三地区へ」

早朝の朝5時、

特別遊撃隊の三人はテオの前に来ていた。


(出立じゃないのか?)



「それじゃあ、サラ」


サラが何か薄く小さいリモコンのようなものを渡されていた。


サラにたたき起こされた

ルーカスは眠い目をしながら

その光景に疑問を持っていた。



「いいか、今からお前ら三人には、第三地区に行ってもらう。

 目的はウチの勢力と海守組の現状把握だ。

 まずは君らをある人物の元まで送る。

 サラは現地状況を確認したらこっちに逐一報告をしろ

 以上、じゃあお前ら三人、手をつなげ」


そんな疑問に答えてくれるわけはなくテオは司令を下す。


(手?)


言われた通り、三人は並んで手をつなぐ。

すると、テオが真ん中にいた更に近づき、肩に手を置いた。


「それじゃあ、ご武運を」


たったそれだけの言葉

(えっとこれって、)

それだけが発された時、

何もわからないまま手をつないでいたルーカスの視界は一瞬で切り替わった。


(アイツなんでもありだな)


目の前の光景は机に上に書類や黒い機械が並ぶその空間が広がっていはずだが、

次の瞬間、目の前には、2m越えのおじさんがいた。


茶髪で大柄の顎鬚の目立つその中年は

床でいびきをかきながら寝ている。


一気に鼻には男たちの汗や土の匂いが突き抜けてきて、

周りを見渡すと同じような格好で眠る人々

大きなフロアであるようだが、

その一面には床でタオルケットが敷かれ、

リリーは誰かの上に立ってしまっていた。


寝苦しそうにしている彼らからどいてあげて

三人は小声で話し始める


(ここなんなんだ?)

(ここは第三地区にいるウチの味方っす。)

(どうしてればいい)

(ちょっと外へ出てください)


そうして二人は、抜き足差し足で

そっとその部屋を出た。


「ある人物ってのは、目の前にいた人の事か?」

「多分、そう。ゴーギャンっていう人」


リリーとルーカスが喋っていると

サラが眠そうなその半巨人の男を連れて

二人の方へと出てきた。


「いやあ、すまねえ。

 普通に寝とったわ、

 えっと、リリーさんと」


「あっちは新入りのルーカスさんっす」


「おお、そうか

 よろしくお願いします」


そう言ってぺこりと頭を下げる大男

いかつい体格や武骨で大きな手、低く響くような声

とは対称的に彼の声色や態度は柔和そうになる。


「俺はゴーギャン、ガンウェポンズの社長、

 そして、あんたらと同じ、革命軍の一人だ」


そういって、にいっと笑う。明るく人のいい笑顔だ。


「じゃあ、ゴーギャンさん、ちょっと話しやすい場所に行きましょう」

ゴーギャンを合わせた四人は応接間に移動する。


テーブルに椅子が並んだ部屋に入り、三人と一人で並んで座る。


サラの前にゴーギャンが座り、

サラの両隣にルーカスとリリーが座った。


「私らがここに来たのはあなた方と海守組、その両方の連絡が途絶えたからっす。」

「ああ、悪いな、あの無線機、戦闘中にどっかで落としちまって」

「まあ、そういうわけなんで直接聞きに来ました、近況報告をお願いします」


「わかりやした。」

ゴーギャンという男がちゃんとサラに向き直る。

そして、少し体や顔を緊張させ、話を始める。


「端的に申し上げやすと、裏切られました。」

「誰に?」

「海守組です」


サラの表情もいつもの人懐っこい笑顔から

一気に険しい物へと変わる。

「・・・・・なぜ?」

「それがわかりません。

 計画の合図の時、突如こちらに剣を向けてきたのです。」

「・・・・・」


「本来なら第三地区の全域に勢力を持つ

 海守組はここを革命勢力に組み込むには必須

 逆に計画通りならもうここは革命側のはずなんですが」


「突然裏切ったんすか?」


「ええ、まあ、奴らの内部情報みたいなのは私らにはわかりませんから」

「・・・そうですか、あいつらから何か連絡とかは」

「何もありません」


「と、なると」

「はい、ですから何もわからないんです」


「・・・・なるほど、わかりました。

 それで、今のあなたたちは状況はどうなってんすか?」


「はい、その裏切りによってうちらは睨みあいに入りました。

 元々、ここらには騎士が少ない代わりに海守組がいます。

 なんで、各都市で蜂起した味方も海守組に捕らえられたり、

 うちらみたいに睨みあいに入って動かないところもあるみたいです。」


「よくわかりました。・・・では」


そんな時、ルーカスの耳にも

外から男たちが怒号を上げ、

大量の足音が迫っていることが感じられた。


(・・・これは)


口の悪い荒々しい声、

恐らくこの建物の外だが、

それが集まっている気がする。


もちろん、そんな異変はサラにもリリーにも感じ取っていた


「・・・・会いに来てくれたみたいっすね」

サラは淡々と黒い長方形の箱から装備を取り出し、

ルーカスに手渡し、自身もアサルトライフル型を持った。


「な、何か聞こえたのですか!?」

巨大な体で、人並みに驚き、うろたえるゴーギャンを尻目に

サラは指示を出す。


「リリーさんはもう出といてください

 こちらから手は出さないように」


そう言われるとリリーは

「うん」

とだけ言い、音もたてずに消えた。

そして、確実にその男たちの方へと向かっていった。


「それじゃあ、ゴーギャンさんはみんなを起こしといてください。

武装させて、できるだけ早く外へ

まずは、私らで彼らとお話してくるんで」


そう言ってサラは歩き出す。

堂々と、肩で風を切るように歩き、

そこにルーカスも続いていった。




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