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花乙女は愛に咲く  作者: 遠野まさみ
リンファスとロレシオ

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(21)


プルネルと一緒に舞踏会会場へ赴くとアキムとルドヴィックが既にいて、リンファスたちに声を掛けてくれた。


「やあ、こんばんは。ご機嫌は如何?」


「お会いできてうれしいわ。何時も仲良くしてくださってありがとう」


プルネルが挨拶をしている横で、リンファスも彼らに挨拶する。


「あの、この前の茶話会ではお話してくださってありがとうございました」


リンファスが言うと、ルドヴィックは微笑んで楽しかったよ、と言った。


「話すことで君という人を知れるしね。実に有意義な時間だったよ」


リンファスはぱちりと瞬きをした。

この前ロレシオもそう言った。人と会ったら、その人と話してその人を知る。これが普通の考え方なのだろうか……。


考え込んでしまったリンファスに、ルドヴィックは何か気に障ることを言ってしまっただろうか? と心配げに話し掛けてくれた。


「あ……、違うんです……。あの……、私のことを知って、……何か楽しいでしょうか……?」


これからロレシオと話をするのだ。やはり話をする理由が知りたい。

人となりを知る、とはどういうことだろう。リンファスの疑問にルドヴィックは朗らかに応えてくれた。


「僕は友人のことを良く知りたいという気持ちはごく自然なものだと思うけどな。

君がプルネルに抱く気持ちだってそうだろう? プルネルのことを知りたい、知ったらもっと知って、プルネルと仲良くなりたい、と思っただろう?」


確かにそうだ。プルネルと仲良くなって、これまで色々話をした。成程、そう言うことか。

リンファスは目の前が明るく開けたような気分になって、ルドヴィックに礼を言った。


「ルドヴィック、ありがとう。おかげで少し安心出来たわ」


「安心?」


リンファスの言葉にルドヴィックが疑問を投げると、プルネルはそうなのよ、と口を開いた。


「リンファスったらこのところ考え込んでいることが多かったの。でも悩みが解決したのなら何よりだわ。難しい顔をして舞踏会に参加するものではないし、あとは楽しみましょ、リンファス」


にこりと微笑んでプルネルが言うのに頷く。アキムがプルネルの手を取り、ルドヴィックがリンファスの手を取った。


「ではお嬢さまがた、踊りましょう」


少し気取った言い方でアキムが言った。もう既に音楽は始まっている。エスコートされることに驚いて、リンファスは慌てた。


「わ、……私、ダンスをしたことがなくて……」


「大丈夫だよ。僕に合わせて足を動かせばいい。踏んづけても構わないさ」


そうルドヴィックは言ってくれるが、踏んづけたら申し訳ない。結局少しだけ、と言ってリンファスは広間に連れて行ってもらった。


ウエルトの村の収穫祭のダンスはこっそり見てひとりでステップを踏んでいたが、舞踏会のダンスともなるとそうはいかない。

ワルツの音楽が流れる中、リンファスはルドヴィックに手を引かれたままおぼつかない足取りでルドヴィックのステップの後を追った。

くるくると円を描きながら広間を舞う。

収穫祭の時に一人で踊っていた時とは違い、ルドヴィックにつられて回されてしまうので、リンファスはちょっと踊っただけでくらくらした。


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