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花乙女は愛に咲く  作者: 遠野まさみ
リンファスとロレシオ

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次の舞踏会の日が来た。


リンファスのことを知りたいと言ったロレシオのことを考えると、お腹の底がそわそわした。

落ち着かなくて、プルネルにどうしたの、と問われてしまったほどだ。

何でもないと応えたけど、プルネルはリンファスを気にしたような視線を送ってくる。


どうしよう。プルネルに言ってしまおうか。


でも、なんて言ったら良いんだろう? 

自分のことを知りたいなんて言われたことが初めてで、何を聞かれるんだろう、答えられるだろうか、とそんな心配ばかりしている。


自分のことで知っていることなんて片手で足りるほどだ。

誰にも見向きもされなかったこと、ファトマルから与えられた仕事さえ満足に出来なかったこと、不景気な顔、貧相な体、どれを取っても彼が聞いて楽しい話ではない。


そんなことを聞かされたロレシオがリンファスに『興味』を失ったら、この花もまた落ちるのだろうか……。そう考えると気持ちが沈む。

当たり前の結果ではあるが、一度咲いた花が着かなくなるというのは、甘いミルクティーの味を知ったのに、金輪際飲ませてもらえないことと似ている。


実際、今まで食べていた『同情』の花よりも、『興味』の花の方が甘い。

この味を知ってしまったら、あれ程美味しく感じた『同情』が味気なかったと思えるほどだ。


ウエルトの村では野菜スープだって飲ませてもらえないこともしばしばだったのに、贅沢になってしまったと感じる。それが恐ろしい。

贅沢という感覚は、自分には分不相応な感覚だと思うのだ。この感覚に足元を掬われないようにしないと、と思う。


(……だって私は出来損ないで役立たずなんだもの……)


リンファスは自分の立場を良く分かっていた。



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