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花乙女は愛に咲く  作者: 遠野まさみ
リンファスとロレシオ

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(19)


茶話会ではその後ルドヴィックも一緒の席で談笑した。

サラティアナに、音楽劇のパートナーはもう決まっていると言われてしょげていたルドヴィックを、アキムとプルネルが慰めていた。

二人の様子が本当にやさしくて(アキムは言葉尻こそきつかったが、やさしい目を見れば終始ルドヴィックを気遣っていることが、リンファスにも分かった)、思いやりは人の間で巡るものなのだな、とリンファスは感じた。


ルドヴィックはサラティアナしか目に入らない青年かと思っていたら、意外とリンファスとも打ち解けてくれた。

アキムが『気が良いやつ』と評しただけあって、明るく前向きな青年だった。今日駄目でも次回の茶話会か舞踏会でサラティアナのパートナーになりたい、と何度も言っていて、一途な様子はいじらしかった。

リンファスがサラティアナのことを励ますと、ありがとうと言ってはにかんだ笑顔を浮かべた。

その時にルドヴィックの花がアキムの花の横に弾けるように開いて、リンファスはこれで四つの花持ちとなった。


リンファスに咲いた花を記念して、アキムが今度君たち二人の絵を描いてあげるよ、と言った。

アキムは絵を描くことが趣味らしく、週末は時々写生に出掛けていると言っていた。

対してルドヴィックは音楽に造詣が深いらしく、音楽会や歌劇などを嗜むと言っていた。二人とも良かったら一緒に行かないか、と誘ってくれて、気安い雰囲気を出してくれてリンファスを安心させた。


しかし。


(ロレシオさん、またいらっしゃらなかったわ……。お会い出来たら良かったのに……)


今度の茶話会にロレシオは現れなかった。

見れば一目でわかるだろう、淡い金の髪のイヴラは居なかったのだ。


茶話会も舞踏会も強制ではないと聞くが、イヴラは花乙女と結ばれるために集められていると聞いたから、今日も都合が悪かったのだろうと思った。

いつか茶話会で彼を見つけたら、頑張って声を掛けてみようと思う。


そして、自分に興味を持ってくれてありがとう、と伝えたい。気持ちをもらうことが、こんなに嬉しいことなのだと改めて知った。

花乙女だから花が咲くことが嬉しい、ということではなく、リンファスのことを少しでも心に留めてくれたことにお礼を言いたい。


……早くその時が来て欲しい、とリンファスは胸を膨らませたのだった……。



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