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花乙女は愛に咲く  作者: 遠野まさみ
リンファスとロレシオ

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(11)

「こんばんは。プルネル、リンファス」


「君たちはこの前も一緒に居たね」


挨拶をするのは二度目だが、初めてでない分、リンファスも少し緊張が和らぐ。朗らかに応えるプルネルに続いて挨拶をした。


「こんばんは。アキム、ルドヴィック。ルドヴィック、今日のサラティアナはどう?」


プルネルの言葉に、ルドヴィックはよくぞ聞いてくれた! と笑顔で顔を綻ばせた。


「一度、踊ってもらう約束をしたよ! 今日はいい日だ!」


「それは良かったわ。素敵な時間を過ごしてね」


ありがとう、プルネル、というルドヴィックにアキムが、いい印象にしてくるんだぞ、と激励した。


「リンファスも、その蒼い花の主に会えると良いね」


「あ……、ありがとうございます……」


本当にそうだ。この花の贈り主がロレシオだったら、今度こそちゃんとお礼を言いたい。


二人はリンファスたちに挨拶を済ませると、部屋の中央の方へ行ってしまった。

リンファスには相変わらずプルネルの花と蒼い花だけで、この場でリンファスにダンスを申し込むイヴラは居ない。

プルネルが少し心配そうにしたけど、今日は約束があるから、と言ってプルネルを安心させた。それにしても。


(庭で……、何をするのかしら……。

でもお会いしたら、花のことをお伝えしたいし、伝えたら戻ってくればいいだけのことだわ……)


あの時は約束に頷いたけど、そう言えば用向きを聞いていないのだった。


リンファスはなるべく不自然にならないようにプルネルと別れ、最初の音楽が掛かる頃には庭に降りていた。

空は漆黒の闇に覆われており、テラスの階段を降り切ってしまうと、広間の灯りはリンファスの足元に闇と同化する影を作った。


リンファスは小さな歩みで花々の中に石畳で作られた通路を歩き、庭の東に造られたガゼボまで来た。

ウエルトの村の子供たちのちょっとした遊び場になってしまいそうなほどの大きさの其処は、花の香りが立ち込めており暗闇でもうっとりするには十分な空間だった。

建物に沿って造られたベンチに腰掛けて庭の様子を見る。


月の出ていない庭は全ての音を吸い込んでしまいそうな程の闇に覆われていた。

こんなに暗いんだったら、この前のワンピースで来ても分からなかったかもしれない。

そう思ったが、この前はこの会場に居ることが分不相応なのではないかと思っていたが、今日はプルネルに励まされたこともあって、心持ちがやや違うことに気が付いた。

プルネルの言う通り、身なりも気持ちの一部なのだろう。そう思うと、やはりこのドレスを着て良かったのだと思った。


その時。


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