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花乙女は愛に咲く  作者: 遠野まさみ
プロローグ

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プロローグ

街の中を、ガラガラと馬車フェートンが車輪の音を立てて人々の目線の先を横切って行く。馬車は、真っ白な建物の門扉の前に止まった。

その馬車の様子に、通りを行き交っていた人々の注目が集まる。


「おい、ハンナだ」

「また花乙女を見つけてきたんだな」

「ああ、白い髪、白い肌、紫の瞳の色。花乙女に間違いない」

「でもおかしくないか、あの子」

「本当だ……」

「花がついてない……」


人々の注目の的となっている花乙女には、確かに一つの花も、ついていなかった……。

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