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RYANGA--リャンガ  作者: 錬寧想
第一章:リャンガとして
6/33

第四.五話:デマ情報ご苦労さん

 6回目の投稿になります。

どうかよろしくお願い致します。

 《翌日午前10時》

 ハレタカヨ中心区域【ワツトイ】──────


 ここワツトイは、ハレタカヨの中でも2番目に発展が進む大きな街だ。

 この広大(こうだい)な土地に(あま)る空き地は少なく、土地はほとんど超難関迷路(ちょうなんかんめいろ)のような道と多くのビルやタワー・数多(あまた)な職種のお店・宿や温泉など人工的(じんこうてき)なもので()めつくされている。

 どこを見ても興味が()かれるようなおもしろい造りをしており、見ていて()きない楽しめる外観(がいかん)だ。

 そんなこの街は人口も多く、ワツトイに初めて来る人のほとんどがここでの日常をよくお祭りの日か何かと勘違(かんちが)いするくらいだ。


 今日もワツトイはいつも通りの(にぎ)わいを見せていたが、ただこの日はその賑わいの中によく目立つ慌ただしさが混ざり混んでいた。

昨晩トンロワラグの惨劇跡(さんげきあと)を発見した人からの通報があり、ハレタカヨに存在する警兵組織(けいへいそしき)【アガリテンバツ】がハレタカヨ各地に警福隊(けいふくたい)を配備し犯人の捜索(そうさく)へと乗り出していたのである。

 


 「ぬおーいっ!! こっちだぁーすっ! 犯人(はんにん)捕獲完了(ほかくかんりょう)しましたぁぁあっ!!」


 そう狂ったように叫んでいるのは赤いツンツン頭の上から白いキャップ・水色のYシャツの上に自身よりもオーバーサイズの白いパーカーを羽織(はお)った、二重(ふたえ)まぶたのいかにも陽キャ顔といえる【赤品染(あかしなぞめ)ソモ】という(よわい)16の少年だった。


 そしてソモに犯人呼ばわりされて捕まっているのは、首もとが隠れる長さの黒髪に全身黒い制服を着た【時君天(ときくんてん)スレチサ】という少年。昨晩トンロワラグにいた青年とはまったくの別人である。


 二人は幼い頃からの旧友であり、いわばこの状況は友達同士ののおふざけ真っ最中という感じだ。


 「おいバカっ、やめろって」


 ソモが嫌がり抵抗するスレチサの腕を(つか)み遠くからやってくる警福隊へ手を振り猛アピールしていると、それに気付いたらしい警福隊の車両(しゃりょう)道路脇(どうろわき)に寄って二人の目の前に車を止めた。


 ウィーン

 

 ゆっくりとリアドアガラスが下がる。


 そこから顔を表したのは顔面に大小様々な傷跡をつくり全ての歯がサメのように鋭く尖っていて、表情だけで人を殺せかねない鬼のような顔面凶器(がんめんきょうき)を持った短髪(たんぱつ)の20代後半の男だった。

 男の名は【劇川(げきかわ) タママ】

 

 タママが二人を一瞥(いちべつ)し言う。

 

 「デマ情報ご苦労さん、クソガキ共」


 空気に()えられず、とりあえず声を出すソモ。


 「………………ヒャッ」

 

 全身を震わせたスレチサが深く頭を下げ謝る。

 

 「………………本当にすいませんでしたっ!!」


 

 一瞬二人にとって地獄のような空気が流れたが、タママはそれ以上何も言ってくることはなかった。

 

 ただ、去る直前までタママは顔面をリアドアガラスに押しつけて二人をじっと見てきた。

 ガラスに顔を押し付けた場合、常人なら変顔になっているところだがタママの場合は違った。まるで恐怖を越えたその先のような顔をしていた。 

 

 その後タママを乗せた車が完全に見えなくなると二人は、溶けかけのアイスのような安定しない足を精一杯動かし近くにあったベンチへと腰を下ろした。

 二人は目を(つむ)り、急いでタママの存在を記憶から抹消(まっしょう)すべく楽しい妄想(もうそう)を始めた。


 これにより、二人の想像力は驚くべき進化を()げたのだった。


 結局タママを記憶から抹消するのは不可能だったが、とりあえず落ち着きを取り戻した二人は再び歩き出していた。


 スレチサが大きなタメ息をつく。

 

 「あーハズっ。お前のせいでめっちゃ睨まれた……」


 「まぁそう落ち込むなって。

 今のはな、冗談(じょうだん)という名の俺達の友情だけに許された禁断(きんだん)の遊びってやつだ。

 だからあの(オニ)ンケンシュタインのことなんてただの遊びの中のスリルだと思ってればいいんだよっ。気にすんな。


 ところでさ、今朝からずっと気になってたんだけど………こりゃ一体何事だ?」


 スレチサが感情のない目をソモに向ける。


 「…………。

 お前さ、一回自首して無知罪(むちざい)とかで捕まってきてくれ」


 スレチサがそう言葉を放つと、ソモは(ひざ)から崩れ落ち(わめ)き始めた。


 「ふぃっ!? ふぁっ!? ふぅっ!?

 何だよそれっ! 友達に捕まってこいとか酷すぎだろお前っ!! 

 いくら友達でも言って良いことと悪いことがあんだろっ!!」


 ソモのその様子を見たスレチサは顔をひきつらせ引いていた。


 「ジョーダンに決まってるだろ……。お前がさっき言ってた俺達だけに許された禁断の遊びってやつだよ。

 冗談(じょうだん)言うくせに、冗談通じないとかめんどいなお前……。

 てか、さっきそれを実際に行動に移したやつに言われたくねえよ」


 「…………そうだったのかよ、まんまと騙されたぜ。

 結構ムズいし、すぐ関係ぶっ壊れちまうなこの遊び。

 たぶんこのまま続けてたら、明日にはお前消えちまうから一回この遊びは封印しようっ」


 (どちらかが消えるんじゃなくて、消える方……俺確定かよ)


 「よしっそれじゃあ、封印の合言葉は【ごめんなさい】でいくぞ。せーので互いに合言葉を言って頭を下げるんだ」


(ふっ、なんだよ封印の合言葉って。恥ずかしがり屋なりの照れ隠しってか。まあ、なんだかんだ言ってソモは……)


 「せーのっ!!」


 「ごめんなさいっ」


 スレチサは封印の合言葉を言って頭を下げた。


 (ん? あれ、おかしいな? 今ソモのやつ「ごめんなさい」って言ってたか?)


 そう不審に思いスレチサが顔を上げると、ソモは勝ち(ほこ)った顔で(あお)り散らかしめっちゃガッツポーズしていた。

 目が合うとソモはその接着剤(せっちゃくざい)でくっついているかのような拳で両頬(りょうほほ)を引き上げ、仏のような笑みをスレチサに見せた。


 「これで封印されました」


 (コイツっ!!)


 

 それから二人は何もなかったように肩を並べて再び歩き始めた。


 「ほら向こうにあるドでけえ空間映像(クービー)見えるだろ? あそこに映ってるニュース通りだよ。

 昨日の夜、トンロワラグの公園で二人の男の遺体が見つかったんだと。しかも相当酷(そうとうむご)い状態でな。

 一人は分かんねえけど、もう一人はあのエンクローターズ育成学校の生徒だったらしい」

 

 「えぇっ、まじかよそれ。………犯人はどうなったんだ?」


 「このサイレンパレード見りゃ一目瞭然(いちもくりょうぜん)だろ? (いま)逃亡中(とうぼうちゅう)だよ」


 「そうか…………」


 「なあスレチサ」


 「どうした?」


 「俺さ、正直このまま見てみぬをフリした第三者のままでいようと思ったんだ…………でもそれじゃダメよな?」

 

 「え? 何だよお前知ってて聞いてきたのかよ……うざ。

 無駄口開(むだぐちひら)かせた代よこせ」


 「いや、悪いがそのお代は払えない。

 状況を今初めて知ったのは(まぎ)れもない事実なんだし」


 「は? ワケわからん」


 「しかし俺が第三者ではないのも事実だ。

 なにせ今お前から聞いた情報と俺の過去と照らし合わせたことで、たった今俺は犯人を(みちび)きだしちまったんだからよ……。


 これも全部転生(てんせい)された前世(ぜんせ)神探偵(かみたんてい)】だった頃の俺の頭脳が、現世で開花されて【(しん)神探偵(かみたんてい)】へと進化しちまったせい……なのかもな」


 「…………。まあ、そのイタイ発言は置いておくとして。一体犯人は誰なんだ? 証拠(しょうこ)はあるのか?」

 

 十中八九(じゅっちゅうはっく)ソモの言うことを信じてはいなかったスレチサだったが、念のため聞いてみることにした。


 「まあ落ちつけよおバカさんっ、今からゆっくり教えてやるよ。


 《ここから、ソモの喋り方がスローモーションになる》

 (しん)~の~(かみ)(たん)(てい)~って~の~は~な~、(いっ)(さい)~の~(じょう)(ほう)()~し~で~も~(はん)(にん)~が~()~か~っち~ま~う~も~ん~な~ん~だ~ぜ~」



 「………………やっぱりか。にしても全然頭に入ってこないな……何倍速だよこれ。

 この分だと(おそ)らく理解できたところで、言ってる内容も意味わからんと思うから別にいいけど」


 (そんなことよりもたぶんお前は前世【妖怪(ようかい)バカの塊小僧(かたまりこぞう)】とかでバカの部分だけが全て転生されて、そのバカさを現世で進化させちまった真のヤバいやつだろう)


 「犯人は──────あの鬼ンケンシュタインだぁぁっ!!」


 「違うだろっこの決めつけ星人っ!」


 「じゃあ──────あいつだぁぁっ!!」


 「………………」


 ソモが指を指した先にいたのは、電話中のカウリだった。



この度は貴重なお時間を頂き誠にありがとうございます。


次の話も読んでやってもいいというお心の広い方、また継続して読んで頂ける方、どうかよろしくお願い致します。


 


 もし今のところまで全話読んで頂けている強者様おられましたら、評価や感想などの方付けて頂けるとものすごくモチベーションも上がりパワーになります。ご迷惑でありませんでしたら何卒よろしくお願い致します。


次回、第四.五話《続》:『リポムファンカース前』です。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 難解ですが化物の雰囲気の良さがよく分かりました。
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