おっぱいに甘えていいよ。
「じゃあ、五つ数えたら顔のブラを取るね……」
正美がカウントを始める。
「い～ち！」「に～い！」
「さ～ん！」「し～い！」
「ご～お！」
いよいよ、おっぱいとの第一種接近遭遇だ。
正美のおっぱいは、先程の大浴場でニアミスしたが、
気が動転していたのと、あまりの湯気で堪能するには程遠かった。
おっぱい星人として名折れ状態だ……
亡くなった親父にも、これじゃあ顔向け出来っこない、
親父が生きてたら確実に怒られた筈だ。
親父はおっぱいに対してはとても厳しかった……
あれは修羅だ、おっぱいの修羅。親父の冒険に同行する前に、
俺は軍隊顔負けのブートキャンプに乳隊させられた……
俺のおっぱいに対する自信も、そこで一気にへし折られたんだ。
「ヘイ！ コーイチ、へっぴり腰なシャドウおっぱいじゃ、
蚊も落とせないｚｅ！ ママンのおっぱいでもしゃぶってな！！」
おっぱい鬼教官の容赦ない罵倒、一番堪えたのは母親を愚弄される事だった。
あの地獄の日々は思い出したくない……
今は目の前の幸福に身を委ねよう、お前のおっぱいで忘れさせてくれ、正美！！
「正美、もうブラを取ってももいい？」
カウントが終わってもお預けのままだ、これは放置プレイの一環なの？
目の前を覆うブラを、思わず剥ぎ取りたくなる、がグッと堪える。
耳元にブラの細い肩紐が触れるのが、妙にくすぐったい……
「……正美？」
「こ、康一、ゴメン、決意したんだけど、いざおっぱいを出すと、
恥ずかしいのと、不安がないまぜになって何だか怖いの……」
ブラで視界を奪われていても、正美の不安がこちらまで伝わってくる、
あの臆病な正美が、必死に勇気を出して、おっぱいも出そうとしたんだ。
俺の中の、どす黒い欲望が急速に萎んでいくのが感じられた、
「正美、悪かったな、調子に乗りすぎて、お前の気持ちも考えずに、
俺って本当に最低だな……」
「でも駄目なんだ！！ 解毒しなければ、康一が……」
解毒って何だ、俺に何が起こるというんだ……
「まさみっ！！」
「動いちゃ駄目！！ お願いだからじっとしていて、ブラが落ちちゃう……」
「正美、お前、泣いているのか……」
「だからぁ、正美、康一の為に頑張るから……」
正美が、俺の為に全てを捧げてくれるんだ、おっぱいだけでなく全部。
全身全霊の想いに、俺は身動きする事が出来なかった……
ガチャリ、ガチャリ！！
「！？」
突然、俺の手首に金属のような冷たい感触が触れた。
「何をしたんだ、正美！！」
「ゴメンね、手錠だよ、しばらく動かないでね、
早めに終わらせるから……」
両腕の自由が効かない？ どうやら手錠の片側をベットフレームに、
固定されている、動かそうとしてもガチャガチャ金属音がするだけだ。
「正美、お前は本当に大丈夫なのか？」
「うん、さっきより落ち着いたよ、取り乱してゴメンね、
じゃあ、見えなくて悪いけど、おっぱいの感触だけ楽しんでね……」
もにゅもにゅ♡
こ、この感触は！！ 間違いなくおっぱいだっ。
正美っ 見えないからって大胆すぎる部位からスタートするな……
直接、肌にではないが、俺は今、浴衣を着せられている、
帯は止めているが、木綿の生地越しにおっぱいのぬくもりを感じる。
正美はブラをしていない、先端の柔らかい突起の軌跡が身体をなぞる、
俺の全身に快楽の波が押し寄せてくるようだ……
俺は必死に僧侶の気持ちになって耐えた、
この強靱な精神力も、おっぱいブートキャンプで培かわれた物だ。
こりり♡ ぷるるるん♡
快楽のおっぱい銀河鉄道が、俺というレールの上を通り過ぎる、
これは鈍行なの？ それとも快速なの？ いや超特急だ！
ああ、カムパ○ルラ！！ 俺も溺れちゃう……
「えっと、こうやって、あれをこうかな？」
ふたつの重みが段々下り方向に進んできた……
こ、この方向にはっ！！
むにむにむに♡ むにゅう♡
あ～～ カ・ム・パ・○・ル・ラアッ！！
俺の前に、天の川が広がった……
終点～終点～！！
鬼軍曹の教えも、おっぱいの前にはまったく歯が立たなかった……
おっぱいガッテム！！ ビリー教官の悔しそうな顔が浮かんで消えた。
「はい、お疲れ様……」
やっと顔の上のブラが取り去られ、俺の前には、
頬の上気した正美がいるはずだ、んっ、違うぞ！！
「はろ、はろ、にゃむ子さんですよっ、
どう？ コーちゃん、驚いたでしょ！！」
番台にゃむ子さんが俺の顔を覗き込んでいた……
凶暴なＧカップおっぱいが、鼻先で、ぽむんぽむん♡と揺れた。
「ええっ！！、正美はどこ？ なんでにゃむ子さんと二人っきりなの……」
「あ、コーちゃん、全然気付いてないんだぁ！！
まさみんと、にゃむ子が途中で入れ替わった事を♡」
ええっ～～！！ ど、どこで入れ替わったのぉ！！
と言うことは、あんな事やこんな事は、どっちのおっぱい？
「……にゃ、にゃむ子さん、いったいどの辺りから入れ替わったの？」
「う～～ん、にゃむ子、そんなの恥ずかしいから言えない！！」
おいおい、にゃむ子さん、そんな清楚キャラじゃないでしょ……
「ご想像にお任せするにゃん♡」
猫のポーズでおどけるにゃむ子さん……
それじゃあ、おっぱいソムリエとしての試乗インプレッションが、
書けないよ、タイトルまで決めていたんだ。
「間違いだらけのおっぱい選び ２０２１版」って、
おっぱい評論の権威、乳大事先生の後釜も狙っていたのに……
「くそっ！！ 何てツイてないんだ、俺は……」
あまりのショックにしょげかえる俺を、にゃむ子さんが心配そうに、
見つめていた。
「……コーちゃん、がっかりしないで、そうだ！
にゃむ子さんがご褒美あげるから、機嫌直してよ……」
ご褒美？ でも何も欲しくない……
俺の繊細なハートは傷付いているんだ。
「ほらほら、見て見て！ 手錠の鍵はどこでしょう？」
手錠の鍵？ あっ、俺はベットに繋がれたままだ……
両手の自由が効かない！！
「ここに隠しちゃおっかな♡」
にゃむ子さんが手錠の鍵を、Ｇカップおっぱいの谷間深く差し込んだ、
豊満なおっぱいの間で、鍵はまったく見えなくなっていた。
いや、かろうじて先端のキーホルダーが谷間の間に見え隠れしている。
「コーちゃんにご褒美だよ、にゃむ子のおっぱいから鍵を探す権利！！」
な、なんちゅうご褒美、脊髄反射で機嫌が直った、
あまりの事に目が白黒するが、俺は大事な事に気付く。
「あの～にゃむ子さん、俺、両手が手錠で使えないんですけど……」
にゃむ子さんがにっこり笑って、俺の口元を指さした。
「コーちゃんには、お口があるでしょ～ん♡」
「はっ、はい、ご馳走になります！！」
「よしよし、ぱふぱふ♡していいよ
運動会のパン食い競争みたいにね！！」
マジ女神かもしれない……
にゃむ子さんが両肘を寄せて、おっぱいのグラウンドを整地してくれた、
深い谷間で鍵が迷子にならないように。
「よ～～い、スタート！！」
俺の受難（女難？）の日々は、こうして始まった……
次回に続くかな？
皆様の応援お待ちしております！
