おっぱいがいっぱい!
すべての男はおっぱい星人である。
女性の胸に興味がない、そんな男がいるだろうか?
答えは否だ!!
もちろん異論を唱える男性諸君もいるかもしれない。
だが、よく考えて欲しい、この世には男と女しか存在しない。
天地創世の後、神様が最後に人間をお作りになった。
人類初の恋人達、名前はアダムとイブ……。
蛇にそそのかされ、禁断の実を食べた二人に羞恥心が襲いかかった。
そしてイチジクの葉っぱで、お互いの秘部を隠した。
神様はそんな二人をエデンの園から追放した、失楽園の始まりだ。
だが悲しむな、世の男性諸君!!
このエピソードは我々にとって記念すべき事でもあったんだ。
羞恥心という罪の意識、我が人類が進化した証拠である。
ああ、おっぱいは素晴らしい! 乳揺れは正義!
何と罪深い事だ、アダムは気付いてしまった。
これが人類初のおっぱい星人爆誕の瞬間だった……。
エデンから追放されたアダムとイブ、その後の消息は不明な点が多い、
さらに聖書には書かれていない人類最大の秘密が……。
これは伝説の巨乳を求めて、おっぱいに翻弄された漢《ド変態》の物語である。
*******
「正美、お前って本当に変わり者だよな、
銭湯の跡取りとして期待されて、もう家業も手伝ってんだろ。
その気になれば、年齢もサイズも様々なおっぱいを見放題なのに、
女の裸に全然興味が無いとか、おっぱいフェチの俺には想像も付かないよ……
健全な男としては信じられないぜ、お前、どっか体に異常があるのと違うか?」
「……人聞きの悪いこと言うな、恥ずかしいよ、周りが見てるだろ、
それに康一は銭湯の仕事を根本的に勘違いしているぞ、
僕の手伝ってる番台の業務は、女湯を覗いたり出来ないんだからな……
例外として用事の声掛けがあれば女湯の脱衣所とのやり取りはあるけど、
それも小窓からの対応で、ばっちり裸なんて見れないんだよ、
ましてや女の子の、む 胸なんて……」
僕、大迫正美は思わず耳まで真っ赤になるのを感じていた。
おっぱい、という単語にハンバーガーショップ中の視線が、
俺達に集中するのが感じられ、隣の席に座る女子高生達の、
まるで変態をみるような表情に耐えられなくなる。
消え入りたくなるような恥ずかしさだ……。
目の前で熱弁を振るうメガネの美少年は三枝康一
僕の幼なじみで一番の親友、同じ高校に通う高校二年生だ。
紘一は、学校では沈着冷静な優等生キャラで、おまけに性格も良い、
クラスの人気者で女子の間では本人に内緒で隠れファンクラブが
存在する程だ、なんでクラスでは目立たない一番地味な僕とつるんでいるのか?
康一ファンの女の子達はいつも不思議がっているみたいだ。
「康一、ファンの女の子達には聞かせられないな、
お前が筋金入りのおっぱい星人だって事を……」
「おっぱいが好きで何が悪い! 俺は自分に正直なだけだ、
正美、お前に質問だ、おっぱいとおしりどっちが好きだ!」
お馴染みのおっぱい談義が始まった、僕は思わず苦笑してしまう。
「そうだな、どちらかと言えば胸かな……」
僕の答えを聞いて康一が満足そうに頷き、すっかり相好を崩す。
「だろ! 全ての男はおっぱい好きなんだよ、正美、刷り込みって知ってるか?
鳥の雛が初めて見た物を親と認識する現象だ、それと同じで、
赤ちゃんが生まれて初めて口にするのは母親のおっぱいだ。
だから俺達男がおっぱい好きなのは必然なんだ……」
「……イケボで言っても変態度は薄まらないよ、康一」
どう見ても立派なおっぱい星人だ、おまわりさんこちらです!
「でも何で、同じお母さんのおっぱいを口にするのに、
女の子はおっぱい好きにならないの?」
素朴な疑問をぶつけてみるが、康一はせせら笑いを浮かべながら、
お前、何言ってんの?的な顔で答えた。
「あのなあ正美、奴らは同じおっぱいを持っているんだ、
おっぱい好きな女の子ってあまり聞いたことないだろ。
俺達、男のロマンなんだ! 二つの胸の膨らみは~♪」
「もういい聞いた僕が馬鹿だった……」
何故だろう軽い殺意がこみ上げてくる、
これには僕個人の深い理由があった……。
小一時間ほどだべった後、駅前のハンバーガーショップを後にした。
「康一今日もウチに来るの?」
「ああ結構汗掻いたし、風呂が日課みたいなモンだからな……」
「じゃあ用意しておくから三十分後にウチに来てよ!」
駅前のアーケード街で康一といったん別れる、ウチはもうすぐだ。
「ただいま!!」
自宅の母屋に鞄を置き、康一が来る前に急いで用意に取りかかる、
年代物の調度品が並ぶ廊下を通り抜け僕は仕事場に向かった。
そうだ、この先が僕のメインステージだ!!
玄関エントランスに入る、建物は古いが風情が感じられる。
今は準備中で他に人影は見当たらない、今のうちだ。
手慣れた仕草で入り口の札を掛け替え脱衣所に入った、
そのまま、学生服のブレザー上下を脱ぎ下着だけになる。
「今日も一日お疲れ様、正美くん……」
自分自身に声を掛ける、これは秘密のルーティーンだ。
「そして、こんにちは正美ちゃん!!」
先にローライズのショーツを脱ぐ、ナイロン素材が肌に心地よい、
棚の脱衣籠に温もりの残るショーツをキチンと畳んで入れた、
インナーも可愛いフリル付きを穿きたいが、ここは我慢している所だ。
「さてと……」
僕を縛る最大の拘束具を外す、
これを使い始めたのは確か小学四年生だった。
胸が膨らみ始め、少年と少女の境目に立たされた僕は戸惑った、
どんどん胸が大きくなる、僕は宿命を恨んだ、
女の子なのに男として暮らさなければならない自分を。
上着に響かないようベージュ色したバストホルダー、
この秘密兵器で巨乳を押さえて胸の存在を隠せる。
男の子になる必需品だ、背中のベルクロを剥がしながら、
注意深くその下のホックを外す、普段は固く潰され、
存在を隠された胸があらわになる。
ぷるるんと白い陶器のようなおっぱいが揺れる、
そっと両手で締め付けられていた胸を揉みしだき始める。
もちろん変な行為ではない、これはバストケアだ。
乳房を中心にやさしくマッサージする。
自分で言うのも何だけど弾力があって揉み応えがある胸だ。
おっぱい星人の康一を思い浮かべて、ちょっぴり意地悪になる。
「実は灯台もと暗しで隠れ巨乳が目の前にいるって
康一は知らないでしょ?」
そうだ僕は訳あって普段は男装している。
これは親友の康一にも知られてはいけない、絶対秘密だ。
「でも康一におっぱいを見せる訳にはいかないの、
それに……」
僕は巨乳なんだけど、ちょっと乳輪のサイズが大きい気がする、
そんなとこ人と見比べる訳にはいかないから結構悩んでるんだ。
「はあっ、あいつが乳輪にも特殊性癖があればいいのに……」
康一に言わせると、おっぱい星人も細分化しているそうだ。
大きければいいと言う物ではないそうだ、形、弾力、持ち応え、
おっぱいソムリエの奥は深そうだ(変態紳士の闇も?)
神様にマジなお願いしながら大浴場に向かった。
引き戸を開けると湯気がもうもうと立ちこめ、
湯煙の向こうに壁画の富士山が顔を覗かせた。
ここが僕の仕事場と自宅でもある老舗の銭湯「亀の湯」大浴場だ。
「急がなきゃ! 康一が来ちゃったら大変」
身体を洗う前にかけ湯をする、上半身から下半身へと
流したお湯が身体のラインに沿って流れ落ちる。
桶を持つ二の腕に圧迫され、おっぱいの間に深い谷間が出来た。
次の瞬間後ろの引き戸が開き、誰かが大浴場に入ってきた。
何でなの、準備中の札を掛けて置いたのに!
パニックになりながら振り返ると、そこに立っていたのは。
「……!?」
直立不動で僕のおっぱいをガン見している康一の姿があった……。
次回に続く!!
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