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すいません!学業の関係で忙しく、小説を書く時間がなかなか作れませんでした…。本来3時に予約投稿するはずが…こんなにも遅れて、楽しみにされていた方達に申し訳無いです。小説のストックってしておいた方がいいのでしょうか?今、僕はしていないのですが…

 目が覚めた途端、頭痛に襲われた。俺は訓練所の端で眠っていたようだ。辺りを見渡すと同じ魔法チームのクラスメイトが、何人か俺の近くに横たわっていた。

 …気絶したのは俺だけじゃなかったみたいだ。他の魔法チームはまだ訓練を続けているらしい。なので、俺は立ち上がりチームの方へ向かった。魔法チームの所へ着くと、エリーさんが此方に気付いたようで話しかけてきた。


「すいません。私が魔法の説明で大事なことを言い忘れていたせいで…。魔法を使う人の中では常識だったものですから。ちゃんと説明していたら気絶しないで済んでいたかもしれないのに…」


 そう言って、エリーさんは頭を下げた。どうやら、俺が気絶したのはその忘れた説明と関係しているらしい。


「大丈夫ですよ、それで忘れていた説明とは?」


「はい、魔法を使うにはMPを使うのですが、魔力や魔法を身体の外にグィーッと出しているときに、制御できていないと魔力が身体から段々と流れていくんです。そして、ずっと制御できてないまま魔力をダラダラっとさせていると魔力が枯渇して意識が無くなります。ですが、基本的に魔力の枯渇を起こしても気絶するというだけであまり問題はありません」


 なるほど。つまり俺は魔力が枯渇して倒れたのか。問題がないならいいが、こういうことは忘れないで欲しいな…


「ただ…何回も何回も魔力が枯渇すると魔力が可笑しくなって頭も可笑しくなったり、常に毒によってダメージを受ける常態になったりする人もいるんですけど…見た所そうなっていないようなので大丈夫ですよね?」


 前言撤回、問題大有りだった。危な…俺一歩間違えていたら頭可笑しくなったりしていたの?顔が引きつる。恐っ…今回はそうならなかったのでまだいいが、気をつけてほしい。


「…まあ、いいですが…気をつけてください」


「はい、申し訳無いです…」


 さっきより深くエリーさんが頭を下げる。


「では、訓練に戻りますから」


「あ、起きた直後だとMPが半分程しか回復してないということですから、またすぐに魔力が枯渇する危険があります。まだ30分くらいは休んだ方がいいですよ。訓練はあと2時間ありますから」


「え、まだ全部回復してなかったんですか。」


 危ない危ない、また魔力が枯渇するところだった。お言葉に甘えて休むことにしよう。


──────

────

──


 休み始めてから少したった。渡辺のことが気になりなんとなく見ていると、渡辺も休憩しにこの辺りへ来た。勿論、俺とは離れているが…遠いというほどの距離でもない所に渡辺は座り込んだ。俺は立ち上がり渡辺に近づく。


「隣、いいか?」


「あなたは…まあ…いいけど、何の用よ」


 渡辺は投げやり、といった感じで答える。一応顔を覚えられてはいるようだ。…よかった。俺が蹴られたのは無駄じゃなかったのか…。俺は渡辺の隣に座り込み話し掛ける。


「そっちは、どうして休んでいるんだ?」


「…聞いてどうするの」


 渡辺は訝しげな目で聞いてくる。此方をかなり警戒しているようだ。


「別に、どうもしない」


「嘘、どうせまたクラスで笑いの種にするんでしょ?」


 この何日かで渡辺はくっきりとクマが出来ていた。そんなこともされていたとは…。


「本当だ、俺はクラスに友達がいないから、話す相手なんかいない。精々日比谷と話せるくらいだ」


「…じゃあなんで知りたいの、知る必要なんてないじゃない。あと、知ってもつまらないわよ」


 これでも、渡辺はまだ疑わしいようだ。俺の秘密を暴露したのに…。俺の秘密を暴露したのに…!大事なことなので二回言いました。


「なんとなく知りたいだけだ。そんなに勿体ぶるようなことでもないんだろ?」


 渡辺は呆れたような顔をする。…そして、観念したようで話し始める。


「クラスメイト達に、お前は勇者じゃないのに何で訓練を受けているんだよ?って言われて、日比谷くんは庇ってくれたんだけど、私はそこにいるのが嫌だったから休んだってだけ。ここに来る前までは、仲の良い友達が…何人かいて、親友だっていたのにね。ここでステータスってものが分かった瞬間、この対応よ」


「そうなのか」


「ええ」


「……なにか言わないの?」


「だから、知りたいだけだといっただろ」


「…驚いたわ」


 渡辺は本当に驚いた顔をしている。そして、俺に聞いた。


「あなた、名前はなんて言うの?」


「佐倉だ。佐倉颯馬」


「そう」


 俺は、前々から復讐対策をしようと色々考えていた。どうしたら一番渡辺から安全だろうかと。そして俺は遂に思い至った。“渡辺に俺を好きにさせたら復讐されないのでは?”と。

 …人間の屑に思えるが、致し方ない。それに相手に惚れられた時点で、俺が打算で近いたってのがバレた瞬間、俺が一番の復讐対象になる。これは危険な賭けである。だが、その分リターンが大きい。

 恋愛なんてしたことがないが、クラスメイト達に傷つけられた所を狙えばそう難しくは無いはずだ。これからは、渡辺を攻略しに行く。最も、勇者の訓練が色々あるからな。あまり高い頻度では出来ない。まあ、くっ付き過ぎて嫌われるよりも余程良い。

 そういうことで、攻略開始だ!…やっぱり俺って最低かも…。


「ふふ、少し元気になったわ、ありがとう。これから宜しく、佐倉くん」


 そういって、渡辺は微笑んだ。その後訓練に戻っていった渡辺を眺めていて、俺の胸が弾けるような感覚がした。その渡辺の笑顔で、俺は…惚れたのだろう。

 人生で初の恋だった。


「落とそうと近いたら、一瞬で落とされたんだけど…」


 思わず、言葉が漏れる。それほど、笑った彼女は可愛いくて、可憐で、美しかった。





 

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