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殊色  作者: エレファント類人猿
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あなたはその決断を信じ切れるか?殊色に輝く青春はここにある

青春は、ほぼ例外なくつまらないものである。

 これは、俺、市村哲也にとって座右の銘的な位置を占める言葉であるが、これを座右の銘だと大声で言うのは何となく憚られるので、あくまで「的」という表現に留めておこう。

 まあ今、俺の座右の銘の話題はそれこそ座右に置くとして、それよりももっと大々的に世間に問いたいことがあるのだ。

 本屋に足を運べば、「学園モノ」と呼ばれるジャンルが一大勢力を築いており、テレビをつければアニメやドラマなどで至る所に「青春」というワードが散らばっている。

いったいどうしてそこまで青春は、人々を惹きつけてしまうのであろうか?考えてもみて欲しい。だいたい青春を謳歌していると自称している連中も、学校という狭いコミュニティーの中で、薄っぺらい人間関係の中で踊らされているだけに過ぎないのだ。しかも、「こんなに楽しい空間は、いくら世界広しといえどもここしかないだろう」と、全国数百万人の学生諸君が同時に思っているのである。これを滑稽と言わずに何と言おうか。

 特に、「部活動」は俺の中では、スポーツ界における体罰と同じくらいの悪しき習慣である。なぜ学業が本分である学生が、放課後に自ら進んで勉強と同等、またはそれ以上の面倒事を抱えようとするのだろうか。スポーツで生きていこうと考えているのならばまだわかるが、この勉強運動ともに中途半端なレベルの、大都市に挟まれたこれまた中途半端な位置にあるこの学校において、部活動に何の意味があるのだろうか。部活動の顧問をする先生は、残業代が出ないという話もある。この際部活動は全て中止すれば、先生生徒ともに幸せではないだろうか。何だったら授業も中止してもらっても全く構わないのだが・・・・・・。

 と、ここまで持論を熱く語ってきた俺であるが、実は高校に入学してから約一か月経った今、大きな問題に遭遇している。一体どこの誰の陰謀か、部活動に入ってしまったのだ。それだけではない、入部してすぐに、この学校史上最年少で部長にまで就任するというおまけ付きである。……一体なぜこうなってしまったのか。

 中学時代の俺は、「次世代型ハイブリット省エネ型人間」と環境省から認定を受けるほど、面倒事を極力避けて生きてきた。放課後のチャイムが鳴った三分後にはいつも校門を後にする生活を送っており、無論部活動には一切参加していない。高校になってからもそのスタンスは基本的には変わっていないはずだ。では、どこで俺は道を間違えてしまったのか。

 考えられる原因などひとつしかない。俺が予期できない問題に直面したとき、そこにはいつも彼女がいる。それはなぜか?

俺のすべては、彼女を中心に回っているからだ。


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