彼はもしかしたら失礼なのかもしれない。
「あー、国王。この度、召喚された者達です」
「……zzZ…んぁ?…あ、アル来たのか?……えっ!?何、やっと出番来たの俺!?」
此処に来るのに何時間掛かったんだろうな。
「うっうん!えー、まず最初に言いたいことがある。お前等遅過ぎだ!!見ろよ、外!暗くなり始めてるよ!そろそろ夕食の時間だよ!?」
『チッ、器の小さい王だな』
またもや、皆と心が通じたような気がした。
「コイツ等マジ不敬じゃね?…まぁ?俺は心広いから、許して上げるんだけどね?」
「おい、ドレス女」
「むっ、なんだ?というか、私にはアルトリアと言う名前があるんだが」
成る程、あ……ナントカ♀か。
「ふむ、長いからアレだお前の渾名をつけよう。選べ、1.ウ〇コ♀2.姫(笑)3.姫(♂)。10秒以内に決めなければ、お前の渾名はウ〇コ女だ。さぁ、10…」
「アルって呼んでくれ!是非!」
「親しく無いので拒否する」
「そ、それは傷付くぞ!」
「選べと言ったのに選ばないお前が悪いんだよ、ウ〇コ女」
「しまった!?10秒過ぎた!?」
「なぁ、ウ〇コ女」
「な、泣くぞ!良いのか、この国の姫が大きな声で泣くぞ!」
「ちょっと五月蝿いから声のボリューム下げろ」
「う、うわぁぁぁあああん!!コ、コユキ〜」
あっ鬼ヶ島の所に行っちまった。
「おい、少し言い過ぎだろ」
「なんだ、元祖ウ〇コ女?」
「いいか、アル。強く生きるんだ」
「見捨てられた!?」
「くっ、アタシにはコイツは倒せないッ!すまない、パスだ武代」
なんか、ブッちゃんがやれやれ仕方が無いな。みたいな感じでコッチに来た。
「あ〜、ムクロ君?」
「なんだよ、ブッちゃん?」
「ほら、一応彼女、姫だからさ?それに渾名を付けるんなら僕みたいに一文字取って〇〇ちゃんとかにした方がいいと思うんだ」
「ん?何言ってんだよ、ブッちゃん。ブッちゃんの渾名は、ブッちゃんがイジメられてた頃、色々とぶちゃっとブチまけられてたからだぞ?」
あの頃は最悪だったな。超汚かった。お陰で俺はブッチしたから。
「」
「何、黙ってんだよ?……あ、そういや、これ内緒だったわ。…そういや、ブッちゃんのあだなはぶだいからとったんだわー」
危ねえー、もう少しでバレる所だったぜ。
「……えっ?マジっすか?武代から取ってブッちゃんじゃなくて?汚物がぶちゃっとブチまけられてたから?…えっ?」
「…ふむ」
俺は頷くと、ブッちゃんに近寄り
「ていっ」
「みげぽっ!?」
優しく気絶させて上げた。
『ぶ、武代ー!?』
何やら、クラスメートが騒ぎ始めた。
「ぶ、武代の肉がダルンって!?」
「多分、ヤった本人は優しくして上げたって上から目線で考えてるわよ!」
「武代……小さい頃、イジメててごめん。…なんでだろうな?昔、謝った時よりも罪悪感が酷いや」
…ふむ。
「おい、ウ〇コ女」
「……な、なんだよぅ」
「お前の渾名はアル中だ」
ふと、コイツの金髪の髪を見て電気鼠を思い出した。いや、ピカにしようと思ったんだがなんか、こう、ピカってないからさ。いっそのことアル中でいいか。みたいな?
「…っ!?い、良いのか!私はウ〇コ女じゃないんだな!?」
「あぁ、ブッちゃんに礼、言えよ?」
なんか、気絶してるが。……誰が一体、こんなことをしたんだー。ゆるせねぇー。
いや、ちょっと待てよ?ブッちゃんがいきなり寝始めたと考えるべきではないか?そうすれば今、蹴り起こしても問題は無い筈…。いや、そもそも何処にも問題と言うべき問題は無いのではないか?
…よし、起こすか。
「騎士ブッちゃんよ、お前の犠牲のお陰で私は助かった。ありが───」
「アル中、どけ」
騎士ブッちゃんとか、何言ってんだコイツ?
「ブッちゃん、三秒以内に起きないと去勢する」
ハイ、3…
「ブヒャッ!?お、起きた!起きたよ!」
「よし、メシ喰いに行こうぜ。アル中、案内しろ」
腹減った。
「むっ、確かに時間も時間だしな」
そうして、俺達は食堂に向かった。
「俺は無視!?一応、一番偉いんですけど!?王だよ!王!?皆、勝手じゃね?マジ不敬だよ?……って、あれ?誰もいねぇし」
王様は一人泣いた。