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ともに歩は 漆黒の騎士~フリオニア大陸物語  クナーセル編~  作者: 樹 雅
第1章 ともに歩は 漆黒の騎士
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第5話 夜襲

お待たせしましたー。

エピローグまで1日おきに更新します。

最後までお付き合いくださいませ。


 飛龍エンダルアの背からライは眼下を見下ろす。

 流れ行く景色は川の流れを思わせた。


「どちらに?」


 風に消える声を届かせるために、フィアンナはライの胸に背を預けていた。


「クランの陣を」


 肩に頭を乗せるようにしてライは言う。

 頷いたフィアンナは、エンダルアをクランの陣に向かわせた。

 上空から近付いてくる飛龍を目にしたクランの陣が騒然となる。エンダルアの進行方向の左右に逃げて行く。弓の届かない高みにいる飛龍に対抗する術がなければ、逃げる事しかできなかった。


「今日の戦闘での事が影響していますね」


 クランの陣を通り抜けた後で、フィアンナはエンダルアを旋回させていた。


「もう一度抜けます」

「抜けた先に森がありましたね。そこに降りてください」

「解りました」


 再びクランの陣を抜けたエンダルアは、森を通り越したところで大地に降りる。


「少し待っていてください」


 言い終えたライは、飛龍の背から滑り降りて森の奥へと駆け出した。その背を見送ったフィアンナだったが、飛龍の背から滑り降りてしまう。


「誰かに見つかったら逃げて……かまいません。あなたが殺されるよりはましです」


 承知したようにエンダルアの頭が上下に動いた。


 森の途切れる手前で、ライが片膝を付いて前方を見ている姿を見つけて、フィアンナはその隣に滑り込んでいた。


「何が見えますか?」


 小声で尋ねてくるフィアンナに、ライは視線を向けたがすぐに前方へ戻す。


「クランの陣です。兵糧はどこに置いているのかと思いましてね」

「それなら左手奥です」

「上から見たときのクランの陣容を覚えていますか?」

「はい。もちろんです」


 それを確かめられれば、もうこの場にいる意味は無かった。


「戻りましょう」


 二人はエンダルアの待つ場所まで戻る。エンダルアの首に手を当てたフィアンナが、ライを振り返っていた。


「あなたは何も聞かないのですね」


 微笑んで言うライである。


「当たり前の事ですが、言える事と言えない事は誰にでもありますよ」


 息を一つついてフィアンナは、その髪を飾る額飾りを外した。

 ライは思わず眼を見張る。

 フィアンナの額に文様のようなものが浮かんでいた。刺青やアザのようには見えない。


「綺麗な文様ですね」


 禍々しいさやフィアンナの美しさを損なうようなものではなかった。むしろ、良く似合っているとしか言いようが無い。


「変ですね……」


 ライは首を傾げてしまった。

 フィアンナの文様を見ているうちにおかしな事に気が付く。

 あるものが思い起こされてしまっていた。


「変、ですか……」


 少し哀しげな顔になるフィアンナにライが慌てる。


「いえ、違います。変と言ったのは、文様を見ているうちに……」


 やはり首を傾げてしまうライだった。

 なぜそんなものが思い起こされるのか解らない。


「銀月を思い起こしてしまうのです。変なのはわたしの方でしょう」


 ライの言葉にフィアンナは驚いてしまった。

 文様の意味を知らない事は判っている。

 それなのに『銀月』その言葉を口に出来る者がいるとは思ってもいなかった。試すつもりでフィアンナは言う。


「ライ。私は『銀月の乙女』なのです」

「そうなのですか」


 あっさりと返したライに、フィアンナは笑ってしまう。


「それだけですか?」

「えっと、他に何か?」


 困ったように首を傾げるライに、フィアンナは笑って首を振った。


「いいえ。ありません」


 フィアンナは額飾りを頭に載せると、エンダルアの背に乗りライに手を差し出す。


 ライが『銀月の乙女』の意味を知ったとしても、変る事が無いと確信してしまった。それがどうかしましたか、とでも言うような男であるとわかってしまう。それを嬉しく思うフィアンナだった。


 リソリア城に戻ったライは、飛龍の背から滑り降りるとフィアンナに、飛龍騎士達を集めて置くように頼み、待ち構えていたエンパートには、城内に残っている油壺を集めさせる事を頼んでいたのである。

 飛龍騎士達が集まり、エンパートが残っていた油壺をかき集めた頃には、夕闇が迫っていた。城のあちらこちらで篝火が焚かれ、城内を明るく照らし始める。


 飛龍騎士達の前にライは立つと言った。


「さて、小細工です。飛龍騎士隊でクランの陣に夜襲をかけてください」


 ぽかんとした顔が見返してくると、ライは慌ててしまう。


「えっと、もしかして飛龍は夜、飛べないのですか?」

「いいえ。夜でも飛ぶ事はできます……」

「おぬし、地形もわからずに飛ぶのは危険を伴う事を知らんのか」

「銀月が……」


 エンパートとロンバルの顔が険しくなった。


「出ているのに? 更にはクランの陣は篝火が焚かれているのに? 目的の場所も判っていて、戻る場所も判っているのに、飛べないのですか?」

 ふっとライが笑う。


「飛龍騎士は臆病者の集まりですか」


 怒気が上がった。

 臆病者と誹られて怒らない騎士はいない。

 まして、相手はどこの者とも知れない異国の男、黙っていられるはずも無かった。


 怒気が爆ぜる寸前。


「油壺をクランの陣に、それも兵糧をまとめている場所に落としてください。簡単でしょう。臆病者でなければ」


 こう言われてしまえば、飛龍騎士達に返す言葉がなくなる。

 出来ないと言えば、自ら臆病者と認める事になりかねなかった。それは飛龍騎士だけでなく、全ての騎士が認める事はできないことである。


「解りました」


 答えたのはフィアンナだった。


「飛龍騎士隊でクランの陣に夜襲をかけましょう。ですが……」


 フィアンナはライを見たままである。


「油壺を落とすだけでは夜襲にはなりません」

「その通りです」


 頷いたライはエンパートを見た。


「それで、リソリア卿にお願いがあります」

「何だ?」

「わたしに五十ほど騎士を預けてください」

「それで何をするつもりだ」

「夜襲の第二陣です。その五十をもってクランの陣に突撃します」

「ライ、判っているのですか」


 フィアンナが呆れたような顔で見てくる。


「五十では全滅します」

「そうですよ」


 答えたライにフィアンナは詰め寄っていた。


「何を考えているのです。死に行ってどうすると言うのです」

「フィーは、わたしに死んで欲しくないですか」

「当たり前です!」


 思わず叫ぶフィアンナである。


「わたしに惚れましたか」


 硬直したようにフィアンナの動きが止まった。


「きさまぁ! 言うに事欠いて、ふざけた事を抜かすな!」

「まあ、されはさておいて。で、リソリア卿。騎士をわたしに預けてください」


 まったく取り合わないライにエンパートは長剣を引き抜きたかった。切り捨ててればどんなにか楽な事だろう。


「ライ。何を考えています?」


 硬直から立ち直ったフィアンナが、静かに問いかけた。


「クランの陣。手前にある森から兵糧に向けて火矢を放ちます。相手は四千ですから五十ていどでは、まあ、押さえきれないでしょう」


 全滅すると判っている言葉にしか聞こえない。


「褒美を頂きましたから。クランを追い返さないと、わたしの立つ瀬が無くなります」


 笑みを消したライは続けていた。


「兵糧を焼かれてしまえば、いくら四千の兵力があったとしても、撤退するしかなくなります。仮に撤退しなくても、志気は著しく落ちて攻城戦どころではなくなります」

「あなたは、あれだけの事でそこまでしますか……」

「わたしにとっては、それだけの価値はあります」


 静かに見つめてくるライの瞳に、フィアンナは強者と呼ばれる者の強さを垣間見たように思えた。夜色の瞳、底の見えない強い瞳に、惹かれはじめている事に気がつく。


 ライを見たままフィアンナは命じる。


「全騎、騎乗! クランの陣を叩く!」


 飛龍騎士達に否はなかった。

 ライの命であれば否は唱えても、フィアンナの命であれば否とは言わない。


 それを見届けたライは、馬を引き出してリソリア城を後にした。その後に続いた騎士達は、エンパートの命を受けた者達ではない。

ライとフィアンナの話を聞いていた一部の騎士達が、エンパートの命令も待たずにライの後を追ったのだった。


その数、九十騎余り。


 森に向かうライの頭上を飛龍が通り過ぎて行った。夜間にも関わらず隊列を組んだ見事な飛行である。

 先頭に立つのは、エンダルを駆るアフィアンナだろうと見当は付いていた。そのために日が落ちる前にフィアンナを連れて行ったのである。


 ライが森の端に着いた時には、クランの陣はもう騒然となっていた。罵声が飛び交い、見えない飛龍に向けて矢を放っている。誰一人として森に注意を払ってはいなかった。


「左手、奥」


 短く言うとライは、ともに並ぶ騎士達も見ずに火矢を番えて弓を引き絞る。一人でも火矢を放つ気だった。


「放て」


 九十余りの火矢が一斉に夜空へ放たれる。


 気が付いたのは、夜空へ矢を放っていた弓兵だった。

ぽかんと見ていた弓兵は慌てて叫ぶ。


「てっ、敵襲! 敵襲!」


 応答する声が上がるが、その時には油の撒かれた地面に火矢が突き刺さっていた。瞬間的に火の手が上がり、瞬く間にクランの陣が炎に包まれる。


「全員、城へ戻れ」


 ともにいる騎士達にライは言った。


「あなたは、どうするのです?」

「もう一押しする。それで撤退するはずだ」


 クランの陣を見たまま答えている。


「では、お供しましょう」


 笑っているのが良く判る声だった。


「死ぬぞ」

「あなた一人ではね」

「何人だ?」

「九十三」


 ライは騎士達を振り返る。その騎士達の笑っている顔が見えた。


「では、死んでくれ」


 ライも笑っている。


 獰猛に。


 炎に包まれた陣内を、怒りを押し殺したジョシュアが睨んでいた。

 何が起こったのかは十分に理解している。

 ただの夜襲なら、これほど混乱はせずに迎え撃てたはずだった。

 飛龍が落として行った物が、昼に受けた投石攻撃と同じ拳ほどの石と油壺である。気が付いた時に手を打つべきはずが、飛龍の姿で浮き足立ってしまい何も手を打てなかった。


「砂をかけて火を消せ! 一部でいい、消火しろ!」


 手近かな側近に怒鳴り、うろたえる者を蹴り飛ばす。

 厚手の布で消火していた者にも、ジョシュアの指示が届くと、布に砂を詰めて火へと投じていた。混乱していた陣内に徐々に統制が戻り始める。


「ケガ人を陣外へ出せ! 持ち出せる物は陣外へ出せ! やる事は多いぞ! のろのろするな! 動け! 動け!」


 ジョシュアの叱咤が将兵を動かした。


「火矢はどこから飛んできた!」


 飛龍が火矢を放ったとは考えられない。時間的には無理であり、飛龍の数よりも火矢の数が多かった。敵が近くにいるとしか思えず、警戒しておくべきだとジョシュアは思う。


 が、それよりも早く。


「敵襲!」


 再び、叫び声が届いた。

 まさか。その思いが将兵の行動を遅らせた。

 馬蹄を響かせて騎馬群が陣内に踊り込んでくる。


「迎え撃て!」


 武将が叫ぶ。その時にはもう、騎馬群は陣内の中ほどまで入り込んでいた。

 昼ではなく夜。

 しかも陣内の混乱が落ち着きかけた所に、騎馬群の突撃のような襲撃を受けたクランの将兵に、迎え撃つだけの志気が上がらなかったのは無理のない事である。

 追い討ちをかけられたようなクランの将兵に、恐怖心が芽生えない方がどうかしていた。それはやがて右往左往する人の波になる。

 それでもジョシュアとその側近は、踏みとどまり声を張り上げて立て直しを図っていた。


「たかが百騎ほどだ! うろたえるな! 返り討ちにしろ!」


 同じような言葉があっちこっちから上がり、ジョシュアの周りに兵が集まってくる。


 ジョシュアの目に、騎馬の先頭を駆る男が見えた。

 炎の照り返しを受けたその男の姿に違和感を覚える。

 おかしい、何かが違う。


「何者だ! 騎士ならば名乗れ!」


 それが馬群に呑み込まれたジョシュアの最後の言葉となった。


 騎馬群は馬速を緩めずに、まとまりかけるクラン騎士の中へ突っ込んでいく。幾人もが騎馬に跳ね飛ばされ、馬上から振り下ろされる長剣や長槍に切り伏せられていた。

 騎馬群が通り過ぎた後には、多くの骸が転がっていたのである。止まる気配のない馬群はクランの陣を暴風のように駆け抜けて行った。


「右に迂回して城に戻る!」


 クランの陣を抜けたライは馬首を右に巡らせて叫ぶ。後続の騎士達も、その指示に従って馬首を右に巡らせた。


 クランの陣は混乱の極みに達していたが、武将達の必死の叱咤激励が功をせいし、徐々に落ち着きを取り戻し始める。配下を落ち着かせ、ケガ人の手当てと消火を指示し、気が付けば夜が明けかけていた。

 燻ぶる陣内が完全に落ち着きを取り戻した時は、夜が明けていたのである。そして、誰もが陣内の惨状に言葉を失った。

 ただ一人生き残った副官のクレイシスは、一人でも多くの者を救おうと奔走していたが、救えたものは多くなかった。


 クレイシスはナセル側の戦術が、今までとは違っていた事に気がついている。

 リソリア騎士団は、防衛戦を主軸に戦う騎士団だったはずが、今回は防衛戦ではなく強襲奇襲の攻撃的な戦術だった。それは、リソリア騎士団を前面に出した囮ともいえる。

 飛龍は警戒していたが、あの状況で出てくるとは思っていなかった。もっと早くに出してくるものと、前衛の突撃中に出てくるものと思っていたのである。


 全て読み違った。


 本来の予定通りに攻城戦に持ち込むべきだったと、クレイシスは悔やんでしまう。が、それも後の祭りだった。

 大将であるジョシュアの戦死と多くの死傷者を出した事、さらには兵糧までもが燃え尽きた事で、生き残った代表格の武将達が、撤退を決めるのに時間は要らなかった。


 ナセルを落とす。


 そのために侵攻してきたはずが、戦闘らしい事を何一つとして出来ずに、壊滅状態に追い込まれた。まさに悪夢としか言いようが無い。


 四千以上の死者を出したうえ、重軽傷者合わせて二千以上。無傷の者にいたっては、わずか五百である。これでは攻城戦どころか戦闘にもならなかった。撤退するしかクランには方法が残されていなかったのである。


 クラン軍の撤退が始まったとの報は、斥候に出た飛龍騎士により、リソリア城へ知らされた。

 信じられない思いがエンパートの顔に出る。リソリア騎士団の被害は、ライとともに夜襲に向かった内の二十六人だけだった。


「おまえは何者だ」


 エンパートがライに尋ねたのは無理の無い事である。その隣でロンバルも同じような顔でライを見ていた。


「ライ・シドウです。異邦人ですよ」


 肩を竦めて答えるライを、フィアンナは笑って見てしまう。


「そうじゃない! そんな事を聞いているのではない!」

「困りましたね。他にどう言えと?」


 首を傾げたライだった。


「こんな、こんな事ができるなど、信じられるか!」

「出来てしまいましたが?」


 さらにライの首が傾く。反対にエンパートの顔がだんだん怒りに染まってきた。


「リソリア卿、おやめになられた方がよろしいですよ」

「ですが!」


 叫んだエンパートがフィアンナを振り返る。笑って首を横に振るフィアンナに、エンパートは口を閉ざしてしまった。


「無駄だと思いますから。ライは……」


 フィアンナはライに近付く。


「ライ・シードですよね」

「そうですよ。あなたがフィアンナ・バーネットであるようにね」

「不思議な殿方ですね」

「その方が魅力的でしょう」


 笑って言うライに、フィアンナはくすくすと笑っていた。


「わたしに惚れましたか?」

「きさまぁ!」


 どよめくどころか、エンパートの怒鳴り声が聞こえる。


 今度は硬直もせずに、はいとフィアンナが答えたものだから、ロンバルまでが怒鳴り声を上げた。


「フィアンナさま! 何を言っておられるのですか!」

「リソリア卿、ロンバル。この方を他国へと渡せるとでも思っていますか」


 二人とも言葉に詰まってしまった。


「この方を敵に回して、お二人は勝てる自身はありますか?」


 今回の事でフィアンナは良く判ってしまった。

 ライは自分達と異なる考え方を持っている。戦い対しての考え方も、ライ自身の強さも見せ付けられた。

 それは自分達にとっては、脅威にしかならないと思えたのである。


「他国に渡すぐらいなら、私が惚れてしまえば良い事です。それで、我国にいると言うのであれば、我国にとって良い事になります」

「フィー……」

「何でしょう」

「わたしは、そんな大それた者ではありませんが?」


 少し困った顔のライは、ため息混じりに言う。


「自覚はないのですか?」

「まったく」


 あっさりと頷いたライに、フィアンナもため息混じりに言った。


「やはり、あなたは怖い方です」

「そうでしょうか? わたしはあなたが死ぬ事にならなくて良かったと思っています。そのために行動したのですから。これで少しは恩を返せたでしょう」

「おお、そうであったな」


 ロンバルが剣呑ならない瞳でライに近づいてくる。


「おぬしはフィアンナさまに命を救われた。その恩を忘れて他国へとは行かぬよな」


 がっちりとロンバルの手がライの肩に置かれた。


「間違っても恩人に惚れろ、などと言う恩知らずではないな」


 異様なほどに肩に圧力がかかってくる。逆らわない方がいいのかとライは思ったが、一応抵抗していた。


「素晴らしい女性を口説くのは、よくない事ですか?」


 反対の肩にもロンバルの手が置かれる。ずっしりとロンバルの両手が重くなり、ライは両足を踏ん張ってしまった。


「もちろん良い事だ。フィアンナさま以外ならな」


 にやりとロンバルの口元が歪んでいる。


「それでもフィアンナさまを口説くと言うのなら、飛龍騎士全騎が相手だ」

「大げさすぎませんか、それ」

「全然おおげさではない。わしらはその気だ」


 そばにいた飛龍騎士達が同意するように大きく頷いていた。


「ええと、言いません。恩を忘れないです」


 そう言う以外に方法はないと思ってしまったライである。これ以上続けるようなら、飛龍騎士が全員でかかってきそうな気がしていた。






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