悪魔になった小さな天使
ぼくのママは、いっぱいはたらいている。
あらからよるまで、ずっと。
ぼくがねているあいだにかえってきて、ねているあいだにおしごとにいく。
いつごはんをたべてるのかな?っておもう。
ぼくのパパは、ふらふらおうちをでていって、ふらふらかえってくる。
パパがなにしてるのかきになって、なんどかびこうしたことがある。
おひるのドラマでやってたのをまねしてみた。
そして、パチンコというおみせにはいっていくのをなんどもみかけた。
せんせいに、パチンコってなに?ってきいてみると、せんせいは、おとなのゲームセンターみたいなものよ。っていってた。
ママががんばってはたらいてるのに、パパはずっとパチンコであそんでたんだ。って、そのときにおもった。
おうちにかえってくると、おさけをのんで、テレビをみて、ごはんをたべてねるだけ。
ぼくは、なんだかおなかがムズムズした。
ぼくは、ママがいつかえってくるのかきになって、いつもは9じにねてるけど、おふとんのなかにはいって、ねたふりをしていた。
ずっとまってると、ガチャっと、ドアがひらくおとがきこえた。
とけいをみると、11じだった。
それから、おふろにはいって、ぼくのよこのふとんにはいった。
そのときは、もう12じ。
ぼくはそれからずっとおきていた。
ママがなんじにおきるのかきになったから。
それと、ママのねごとがきになった。
みみをすますと、よくきこえる。
ころす。ころす。って。
どうやら、ママはパパをころしたいみたい。
でも、ころしちゃったら、つかまっちゃうから。つかまっちゃったら、ぼくをこまらせちゃうから。
ぼくはそのとき、いつかてれびでやってたことをおもいだした。
しょうがくせいは、ひとをころしてもつみにならないって。
でも、けいさつにばれると、ママがこまっちゃうとおもった。
だからぼくは、ひっしでかんがえた。
おうちでころすのはダメ。
だから、おそとで。
ぼくは、また、パパをびこうした。
そして、いいばしょをみつけた。
パパはたまに、ひとどおりのすくない、しずかなこうえんの、ながいいすで、おひるねをする。
あとは、どうやってやるか・・・。
ぼくは、しらべた。
たくさんしらべた。
いろいろなほうほうでしらべた。
まず、かえりちをあびるかもしれないから、かっぱ。
しもんがつかないように、てぶくろ。
そして、きょうき。みじかにある、とがったえんぴつ。
ちいさなぼくじゃ、ちからがないから、おもいものをえんぴつにまいて、おもさをつけた。
とうとうこのひがやってきた。
ぼくはあやしまれないように、リュックにどうぐをいれて、パパをびこうする。
パチンコからでてきて、あのこうえんにはいった。
ぼくは、ばれないように、パパがねるのをまった。
いすによこになってから、5ふんくらいたった。
ぼくは、まわりをかくにんし、かっぱをきて、てぶくろをはめて、えんぴつをもって、パパにゆっくりとちかづいた。
パパのよこにたって、のどにねらいをさだめ、ちからいっぱいにえんぴつをさした。
ちがいっぱいでた。
パパはめをみひらいて、ぼくをにらんで、くちをぱくぱくさせていた。
ちっともこわくなかった。
それは、ぼくのこころがこわれてしまったからだとおもう。
パパはすぐにうごかなくなった。
ぼくはかっぱをぬぎ、てぶくろとえんぴつといっしょに、もやした。
ぼくは、いえにかえって、なにもかわらずすごした。
ただちょっと、おなかのムズムズがなくなって、すっきりした。
よなかに、ピンポンがなった。
ママはおきて、げんかんまでいった。
おそらくけいさつだろう。
だいじょうぶ。
ばれない。
ばれても、こどもだからだいじょうぶ。
こころは、おとなより、まっくろにそまってしまった、こどもだけれど・・・。
平仮名ばっかで、読み辛くてすいません^^;
でも、仕様ですので、仕方ありません…。